三菱自動車、新型クロスカントリーSUV「パジェロ」世界初披露。カーオーディオはヤマハと共同開発
三菱自動車工業(株)は、本日9月2日、20年ぶりとなるクロスカントリーSUV「パジェロ」の新型車を世界初公開。悪路走破性と高い信頼性、快適性と扱いやすさに加えて、上質さも付与した新たなフラグシップモデルとして展開する。価格や正式な発売日は、現時点では未発表。また、カーオーディオにはヤマハと組んだ「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」が搭載されることも発表された。
パジェロは、1982年に本格的な悪路走破性と高い信頼性を持つクロスカントリー4WDとして誕生。初代モデルから4代目モデルまでの累計生産台数は329万台を超え、170か国以上の国と地域で親しまれてきた。ダカールラリーでは、7連覇を含む通算12勝を挙げ、「砂漠の王者」として世界的な知名度を獲得した。
ラリーという極限環境で培った技術を市販車へフィードバックしながら、パジェロは三菱自動車を象徴するモデルとして発展してきた。今回の新型パジェロは、4代目モデルが2006年に発売されて以来、20年ぶりの復活となる。
ラダーフレーム+新世代クリーンディーゼルを採用
20年ぶりのパジェロ復活について、代表執行役社長兼COOの岸浦恵介氏は「三菱自動車の中長期ビジョンを具現化する第1弾が新型パジェロとなります」と位置づける。新型パジェロでは、歴代モデルを特徴づけてきた「Confidence(信頼・自信)」と「Comfort(快適性)」をさらに磨きながら、新たに「Prestige(上質さ・風格)」を加え、全方位での進化を図ったという。
商品戦略本部のチーフ・プロダクト・スペシャリストである板垣邦俊氏は、新型パジェロを「冒険心を後押しする」クルマであると強調する。専用開発によってねじり剛性を高めたラダーフレームを採用し、リアサスペンションには5リンク式リジッドを組み合わせる。
パワートレインには2.4リッターの新世代クリーンディーゼルエンジンを搭載。厳しい排出ガス規制へ対応しながら、力強いトルクと滑らかな加速性能を追求。本格SUVに不可欠となる最低地上高や対地アングルについても十分な数値を確保し、荒れた路面でもドライバーが安心して進める性能を目指している。
四輪制御技術については、同社最高峰の車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用。前後左右の駆動力配分と4輪のブレーキを統合的に制御することで、ドライバーが複雑な制御を意識することなく、自然で安定した走りを実現するとしている。
さらに4つの駆動モードを切り替えられる「スーパーセレクト4WD-II」と7つのドライブモードを組み合わせ、路面状況や走行シーンに合わせて適切な走行性能を引き出せるように開発されている。
ヤマハと共同開発のオーディオシステム搭載
悪路性能だけでなく。日常における使いやすさや長距離移動時の快適性も追求。室内は全席でゆとりのあるスペースを確保し、家族での移動から大きな荷物の積載まで、幅広い用途に対応するという。
オーディオシステムには、ヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」を採用。「アウトランダーPHEV」に続いてのヤマハとの共同開発となり、「臨場感の高いサウンドによって、移動そのものをより豊かなものにします」と訴える。
カーオーディオシステムの詳細については明かされなかったが、実車を見たところでは、Aピラーとドアウーファーのグリル、またラゲッジ内のおそらくサブウーファーと思われる箇所にYAMAHAのロゴが記載されていた。
また、遮音・吸音対策に加えて気密性能を向上させ、ドアを閉めた瞬間から感じられる静けさを追求。「大声を出さなくても自然に会話できる室内空間」を目標に掲げて開発を進めてきたという。
デザインテーマは「独創進化」
デザイン本部 プログラム・デザイン・ダイレクターの吉峰典彦氏は、デザイン開発では「なぜ今、再びパジェロなのか」という問いをデザイナーと開発陣が繰り返し議論したという。
目指したのは、単なる過去のパジェロの復活ではなく、初代から続く「誰かの後を追うのではなく、自ら新しい価値を生み出す」という精神。その精神を未来へつなげる「進化」を組み合わせ、「独創進化」を新型のデザイン思想として掲げている。
その思想から導き出されたデザインコンセプトが「Grand Charisma(グランド・カリスマ)」。吉峰氏はその狙いについて、「時代の先を見据え、未来の挑戦を楽しむ静かなる冒険者。堂々とした佇まいの奥にいつでも走り出せる野生を宿しています」と表明。初代から受け継がれる水平でスクエアのフォルムを継承しながら、力強さと知性を兼ね備えたエクステリアデザインを実現したと説明する。
そして、「パジェロにおける先進性とは、人を驚かすことや、技術を誇示したりすることではありません。 冒険をもっと自然にもっと快適にすることです」と定義したうえで、直感的かつ機能的なユーザーインターフェースを採用し、好奇心や冒険心を後押しする空間を目指したと解説する。
新型パジェロは、2026年度は生産拠点であるタイを皮切りに、日本、オーストラリアに投入。次年度以降アセアン、中南米および中東など世界約100か国へ順次展開していく予定となっている。
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