アクティブスピーカーやドングル型DACも登場

【上海ショウ】FIIO、初の真空管アンプ&大型パッシブスピーカーなど新製品を多数初披露

公開日 2025/07/15 11:45 筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

上海オーディオショウの出展ブランドの多くは海外メーカーだが、中国地場のブランドも出展している。日本でも人気の高いFIIOは、ヘッドホン再生のためのテーブル出展と、スピーカー再生のための個室と、2箇所でデモンストレーションを実施。変わらぬ旺盛な製品開発力をアピールしていた。

FIIOのメインスピーカーブース。外側がパッシブスピーカー「SV13」、内側がアクティブスピーカー「SP5」

ブランド初の真空管アンプ「EA13」と大型スピーカー「SV13」、アクティブスピーカー「SP5」、据え置きDAC「Warmer R2R」を披露したほか、先週末のポタフェスでも展示されていたドングル型DAC「QX13」、ヘッドホンアンプ「K13 R2R」「K15」なども登場していたので詳しくレポートしよう。

FIIOのテーブル出展の様子

ポータブルやデスクトップオーディオ分野で大きな強みを見せてきたFIIOだが、近年は本格HiFiシステムのラインナップも強化している。特にレトロシリーズのアナログプレーヤーやカセットプレーヤーのスマッシュヒットも記憶に新しいが、今度の製品はなんと真空管プリメインアンプ。

EA13は、前段にSYLVANIA製の「PCF 80」を2基、後段にJJ Electronics製の「EL34」4基を活用しており、28W×2の出力を実現。横幅はストリーマー「S15」と同じフルサイズで、フロントにはVUメーターを搭載、レトロデザインでありながらイマっぽいシャープな仕上げも感じさせる。

真空管プリメインアンプ「EA13」

組み合わせる大型スピーカー「SV13」はパッシブモデル、これまでデスクトップ向けのアクティブタイプを展開してきたFIIOの新挑戦である。高さは68cmと、ブックシェルフというよりはスタンドマウントというところか。ミッドレンジはScan Speak、低域にはJBLからインスパイアされたというホーンを搭載する。デモでは、アナログプレーヤー「TT13」を活用し、宇多田ヒカルの「One Last Kiss」など、日本のJ-Popなども多く再生されていた。

アクティブスピーカーの最上位モデルとなる「SP5」

デスクトップエリアでもっとも関心高かったのが「Warmer R2R」のUSB-DACである。ぱっと見パワーアンプっぽく見えるのだが、あくまでDAコンバーター。USB Type-Cや光/同軸デジタル入力をアナログ(RCAもしくはXLR)に変換するアイテムである。名称の通り独自構成のR-2R DACアーキテクチャを採用。こちらもJJ管の「E88CC」を4本搭載しているとのこと。ヘッドホンアンプの「K15」と組み合わせて試聴できるようになっており、イベント期間中、試聴列が途切れることなく続いていたのが印象的であった。

上がヘッドホンアンプ「K15」、下がUSB-DAC「Warmer R2R」

なお、「めちゃくちゃわかりにくいと不評だったのです」という据え置きヘッドホンアンプのKシリーズについても、「K11」「K13」「K15」「K17」と番号が大きくなるほどグレードが上がるように名称が整理された。

ヘッドホンアンプ「K13 R2R」、こちらももちろんR-2R DACを搭載。シーラス・ロジックのDACチップを活用した「K11」&R-2R方式の「K11 R2R」が大成功を収めたことから、13シリーズとしても新展開。天面が透明となっており、整然と並んだ抵抗やチップが見えるのもオーディオマインドをくすぐる。

ポタフェスでも大好評、天面が透明な「K13 R2R」

「QXシリーズ」は、大好評だったドングル型DACの「KAシリーズ」上位モデル。QX13はESS9027を活用し900mW(バランス時)の出力を実現。こだわりの内部回路も公開されており、コンパクトな筐体にいかに音質技術が詰め込まれているかをアピールしていた。こちらは筐体がカーボンファイバーとアルミの2種類を用意。カーボンの方が少し高額となっており、求める音質に合わせて選択できるようになっている。

ドングルDACの上位モデルとなる「QX13」。別売りのオプションバッテリーを装着したところ

カーボンファイバー仕上げとアルミ仕上げの2種類を用意する

QX13の内部基板も公開。デジタルボードとアナログボードが分離し音質向上を狙っている

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE