【上海ショウ】ソナス&マッキントッシュ、超巨大サブウーファーなど注目の大型ブースをレポート
7月11日(金)から13日(日)まで開催されていた上海オーディオショウ、特に気になった大型ブースをいくつかピックアップして紹介しよう。
今回のショウの中で最大の部屋を使っていたのが、中国のUnited Audioという代理店。7Fの大部屋を使い、メインにはドイツのスピーカーメーカー・CANTONを据え、アンプも同じくドイツのAVM。いずれも日本には導入されていないが、ミュンヘン等の海外ショウではよく見かける名門ブランドである。
この部屋でもうひとつ目を引いたのが、高さ3mはあろうかという巨大サブウーファー。ASCENDOというドイツブランドで、横に置かれているホーン搭載スピーカーは「BLACK SWAN」と呼ばれるものだそう。中国では「自宅に“本物の映画館”を作りたい」といった需要があるのだろうか? 取材時の時点でサブウーファーの実売は出ていないそうだが、大陸には想像を超えるオーディオへの需要があるようだ。
続いて大きな部屋を展開していたのがハーマン・インナーナショナル(3F)とソナス・ファベール&マッキントッシュ(5F)。いずれも円形の部屋となっており、メイン試聴エリアに加えて、壁に沿って各種ラインナップを展開している。
すでにお伝えしている通り、ハーマンはJBLのフラグシップスピーカー「Summitシリーズ」のアジアプレミアを行ったほか、同社のAVアンプを活用したホームシアタールーム、カスタムインストールスピーカーなど同社の総合力を展示していた。
どうやら中国では、Bluetoothスピーカーやイヤホンの影響もあり、JBLといえば“若者向け”ブランドとしても認知が高いようだ。ラグジュアリーなハイエンド・オーディオから、カジュアルなガジェットアイテムまで同一ブランドで展開できるのは、世界広しといえどもJBLくらいのものかもしれない。
REVELのスピーカーを久しぶりに見かけたのも新鮮。
日本ではソナス・ファベールとマッキントッシュの代理店が異なるため、東京インターナショナルショウでも別々のブースで紹介されるが、世界的にはこちらの方が珍しいパターンか。現在は同じカンパニーとして活動する(そして親会社はボーズ)両ブランド、上海でもソナス&マッキントッシュによる合同ブースを展開していた。
今回は1億円超えのフラグシップ「Suprema」が初上海入りだそうで、多くの来場者がその音を体験しようと部屋に詰めかけていた。日本とはまた違った贅沢なスペースで聴くSupremaの艶やかさと重厚感はまた格別。高域から低域までしっかり鳴らし切るダイナミズムの広さと分厚さには今回も圧倒。
日本でも人気の高いSonetto、Serafino、Liliumなどのほか、カスタムインストールのPalladio製品が多数展開されていたのも印象的。日本ではそれほど需要のないカスタム市場だが、グローバルではスピーカーブランドの多くが展開しているのだと改めて理解できた。
DALIは「EPIKORE」シリーズ3、7、9、11と一挙展示。カナダのアンプブランドMOONのシステムを使って、様々に鳴らし分けを行っていた。
日本ではなかなかお目にかかれない、音として心ひかれたブースを2つ紹介。ひとつはオーシャンウェイ・オーディオの「HRM-X」。ブラック仕上げのプロ向けの印象が強かったが、木目タイプのものは初めて見た。15インチのダブルウーファーを2基搭載、中高域はホーンドライバーが担う。大型スピーカーにも関わらず非常に軽快で精緻、それでいてグッと締まった低域表現も見事。スピーカーが“幸せそう”に音を出しているな、と感じた次第。
もう一つはジャーマン・フィジックス。360度方向に音を放射する独自のDDDドライバーを搭載。上海で再生されていたのは「PQS-302」という大型モデルで、ベースユニットが後ろのバックキャビネットに収められている。アンプも同じくジャーマン・フィジックス。独特なサウンドステージの広がり方が見事で、自分自身が音の中に溶け込んで行くような、不思議に満たされた時間であった。
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