高度な切削技術による有機的な筐体デザイン

オーディオテクニカ、鉄芯型MCカートリッジのフラグシップモデル「AT-ART20」

2022/03/24 編集部:松永達矢
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オーディオテクニカは、鉄芯型MCカートリッジのフラグシップモデル「AT-ART20」を4月15日(金)に発売する。価格は330,000円(税込)。

「AT-ART20」

同社の展開する「ART(アート)」シリーズにラインナップする鉄芯型MCカートリッジ。「空芯型が得意とする生々しい演奏の表現力を、鉄芯型でも実現させること」をコンセプトとし、同じく鉄芯型を採用する「AT-ART9XI」の磁気回路をベースに、フロントヨークを0.6mm厚くすることで磁束密度を向上。15%以上の出力電圧の効率化を図り、よりリアリティのある音質を実現したという。

筐体のベース素材にはアルミニウムを採用。ハウジング部には光沢研磨による処理を施した精密切削チタニウムを同シリーズにて初めて使用し、福井県鯖江市の眼鏡産業で培われた高度な切削加工技術や研磨技術力によって、美しい曲面を描く有機的なデザインに仕上げたとする。

ベースにはアルミニウム、ハウジング部には精密切削チタニウム、アンダーカバー部にエラストマーを配する

加えて、チタニウムの薄肉化も可能とし大幅な軽量化も実現。チタニウム素材を要所に設けることで、全体的に落ち着きのある音にまとめたとしている。

ターミナルピン部分には従来比で約30倍に増した厚膜の金メッキを採用し、接触抵抗の低減と音質強化を図っている。またアンダーカバー部にはシリーズで初めてエラストマーを用いるなど、さまざまな異素材を組み合わせることで、製品本体で発生する共振を抑制するとのこと。

同シリーズのフラグシップMCカートリッジ「AT-ART1000」と同様、ダイヤモンドチップを固定するチップ補強板にチタニウムを使用。質量の軽量化を実現し、高域特性の改善も図られている。ラインコンタクト針は音溝を忠実に読み取り、音の分離感を高める無垢特殊ラインコンタクト針を装備する。

φ0.28ソリッドボロンカンチレバーの先端からコイルまで、支点に向けて段階的に太くなるステップドパイプ構造を採用。カンチレバーとアーマチュアの接続部が二重構造となるため剛性が高まり、カンチレバーの強度の向上と不要な振動の抑制効果を発揮するという。

カンチレバーの先端からコイルまで、支点に向けて段階的に太くなるステップドパイプ構造を採用

再生周波数範囲は20Hz - 50kHz、出力電圧は0.55mV(1kHz、5cm/sec.)、チャンネルセパレーションは30dB(1kHz)、出力バランスは0.5dB(1kHz)、針圧は1.6 - 2.0g(1.8g標準)、コイルインピーダンスは12Ω(1kHz)、直流抵抗は12Ω、推奨負荷抵抗は100Ω以上(ヘッドアンプ接続時)。

コイルインダクタンスは25μH(1kHz)、スタチックコンプライアンスは23×10 - 6cm/dyne、ダイナミックコンプライアンスは13×10 - 6cm/dyne(100Hz)、先端曲率半径は1.5×0.28mil、垂直トラッキング角は20°となる。カートリッジ取付ネジ径はM2.6×2。外形寸法は16.8W×17.3H×26.6Dmm。質量は9.0g。

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