フロア型の思想と技術を継承しつつ小型サイズを実現

TAD、Reference シリーズのブックシェルフスピーカー「TAD-CR1TX」。1本280万円

公開日 2020/03/05 18:05 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
TADより、3ウェイブックシェルフ型スピーカーシステム「TAD-CR1TX」が発表になった。価格は1本2,800,000円(税抜)で、エメラルドブラックとベリルレッドの2モデルを用意。発売は6月上旬を予定している。


ベリルレッド仕上げの「TAD-CR1TX-BR」

エメラルドブラック仕上げの「TAD-CR1TX-EB」
「TAD-CR1TX」はフロア型スピーカーシステム「TAD-R1TX」の思想と技術を継承しつつも、スタンドマウント型として小型サイズを実現。トゥイーターとミッドレンジは同軸で、3.5mmドーム型トゥイーターと16cmコーン型ミッドレンジを搭載、ウーファーは20cmコーン型。再生周波数特性は32Hz〜100kHz、クロスオーバー周波数は250Hz、2kHzとなっている。サイズは341W×628H×446Dmmで、質量は1台46kg。別売の専用スピーカースタンドも登場する。

ドライバーユニットには、理想的な点音源再生を実現する「CSTドライバー」を採用。トゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一にすることで、クロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させ、240Hz〜100kHzという超広帯域において均一な指向放射パターンを両立している。

ウーファーには、軽量高剛性な発泡アクリルイミドをアラミドファイバー織布で挟み込む「TLCC振動板」を採用。反応が速くカラーレーションのない再生を可能にしている。発泡アクリルイミドとアラミドファイバー織布を個別に成型し、ラミネート方法で加工することにより、軸対称モードの共振も低減している。

トゥイーターとミッドレンジコーンには「ベリリウム振動板」を採用。独自の蒸着法で加工することで、強度や均一性を実現、高域共振の減衰特性を実現している。トゥイーターの形状設計にはコンピューター解析による独自の最低化方法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を採用することで、分割共振を的確にコントロールしている。

ウーファーには磁気回路に独自のショートボイスコイルタイプ「OFGMS(Optimized Field Geometry Magnet Structure)回路」を採用、20mm厚のロングギャップ間の磁束密度を均一化し、幅広い振幅で安定した動作と高い駆動リニアリティを確保している。

エンクロージャーは、厚さ21mmのバーチプライウッド(樺合板)で枠組みを構成、側板には高周波加熱プレス成形で曲げ加工を施したMDF積層板に、真空プレスで突き板を貼り合わせた厚さ30mmmのパネルを貼り合わせている。前面バッフルやヘッド部も即いたと同様の曲げ加工を施している。ティアドロップ形状を継承しつつスピーカーヘッド部分に丸みを持たせることで、強度を高め、音の回折をさらに低減するとともに、不要共振と内部定在波を排除している。

エンクロージャーは、高級家具メーカー「天童木工」と共同制作。匠の技術を生かした成形・加工方法で、「SILENTエンクロージャー」を強固に仕上げているという。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE