要望に応えて再販

エレキット、電源/増幅回路など強化した300Bシングル真空管アンプキット「TU-8600R」

2018/08/02 編集部:平山洸太
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(株)イーケイジャパンは、エレキットの300Bシングル真空管アンプキット「TU-8600R」を9月中旬から数量限定で発売する。価格は108,000円(税抜)。

「TU-8600R」

本製品は昨年に限定発売した「TU-8600」(関連ニュース)の再販モデル。基本的な性能や機能は同じだが、基板上の部品配置などにマイナーチェンジが加えられている。

TU-8600Rは、音楽表現豊かな300Bアンプを目指し、増幅回路および電源回路の構成やフィードバックのかけ方などを見直すことでヘッドホン出力にも適した低ノイズと音質を実現したとしている。なお、ユーザーが手持ちの300B真空管を活用できるよう、真空管類は付属しないとのこと。

パーツ一覧

電源トランスに高効率/低漏れ磁束のRコアトランスを採用。また、整流用のダイオードにショットキーバリアダイオードとファストリカバリーダイオードを採用することで、スパイク状ノイズも最小限に抑えるなどして、電源回路の強化を図っている。

また、トランス巻き線はフィラメント・ヒーター用のA、B電源とバイアス用のC電源それぞれを独立させクリーン化を徹底することで、残留ノイズレベルは同社エレキットシリーズの「TU-8300(関連ニュース)」の1/10以下を実現している。

300Bの特性を最大限に引き出すため、出力トランスをはじめ各部回路の裸特性を向上。さらに出力トランスの専用三次巻線による300Bへのカソード帰還や、電圧増幅段のみの帰還など、安定した音質重視のフィードバック回路を採用するとのこと。

また、300Bのバイアスには電源を別途準備し、プレート電流を検出してグリッドの負電圧を自動調整する「新アクティブオートバイアス」方式を採用。

使用可能な真空管は、300B×2、12AX7×1、12AU7×2。電圧増幅段は真空管の特性を活かせるよう、オーソドックスな構成を採用。2段目は12AU7パラレルとし、ノンクリップで200Vp-pの能力を持つドライバーを構成する。また、回路設計では300Bへの負担を抑えるため、傍熱管が確実にウォーミングアップした後に300Bをヒートアップするよう工夫されている。

カップリングコンデンサーの交換にも対応

ヘッドホン出力はヘッドホンの感度に合わせて4段階の音量設定が可能。カップリングコンデンサーの交換にも対応しており、大型タイプも実装できるスペースを確保している。

ショートプラグの差し替えで音量切替が可能

定格出力は9.2W+9.2W(THD10%)、周波数特性は7Hz〜40kHz(-3dB)、入力インピーダンスは50kΩ。出力インピーダンスは背面にあるスイッチで切替可能で、4〜6.3Ω/8〜16Ω。真空管を保護するボンネットを付属する。

真空管を保護するボンネット付き

入力端子はLINE×1、出力端子は金メッキネジ式ターミナル(バナナプラグ使用可)のスピーカー出力を備える。消費電力は90W。外形寸法は385W×217H×325Dmm(突起部を含む)、質量は約12.8kg(電源ケーブル含まず)。

背面

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