従来機からのアップグレードも投入

YG Acoustics、“革新的トゥイーター”を旗艦機から継承したスピーカー「Sonja 2.2」。1150万円/ペア

2018/04/10 編集部:小澤貴信
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アッカは、同社が取り扱うYG Acousticsのスピーカーシステム「Sonja 2.2」を発売する。価格は11,500,000円/ペア(税抜)。

「Sonja 2.2」

「Sonja」は2012年に登場したYG Acousticsの創立10周年記念モデルとなる密閉型スピーカーシステム。精巧なアルミニウム合金よる複数モジュールで構成されており拡張も可能。代表的な構成の「Sonja 1.2」は、2ウェイ仕様のメイン・モジュールとウーファー・モジュールで構成されている。

このSonjaに、2017年に発表されたフラグシップモデル「Sonja XV」で開発・搭載された“Billet Dome”ハイブリッド・トゥイーター、“ViseCoil”インダクターを継承して刷新されたのが「Sonja 2.2」となる。後述のように、従来のSonjaからの有償アップグレードも提供される。

“Billet Dome”ハイブリッド・トゥイーターは、ハードドーム型とソフトドーム型のそれぞれのトゥイーターの長所のみを融合させたというもの。

トゥイーターの振動板には多種にわたる素材が採用され、それぞれに一長一短がある。超硬質素材のハードドーム振動板は再生周波数帯域が広く、再生可能帯域以降の減衰スロープがなだらかで、倍音成分の再生にも有利に働くのが特徴とのこと。一方で減衰過程においては振動板やエッジ部に複数の分割共振(ピーク)が発生してしまい、音質に影響を与えてしまうことは否めないと同社。

対してソフトドームは質量が低く、分割共振周波数や歪による音質への悪影響はわずかで、質量が軽いことによる優れた過渡特性が自然な再生音質を可能にする。一方で、再生可能周波数を超えてからの減衰スロープが急峻になり、超高周波帯域における聴感上の伸びはハードドーム振動板に比べて劣るという。

従来のSonjaは、ドライバーの駆動系を3D-CNCカッティングで製造することで歪み率の向上とスムーズな高域特性を実現したForge Coreツイーターを搭載。Sonja 2.2ではこのトゥイーターをベースに、ソフトドーム振動板ならではのピーク特性を持たない自然な再現性と優れた過渡特性を維持しつつ、ハードドームの減衰特性を併せ持つという“Billet Dome”ハイブリッド・トゥイーターを完成させた。

具体的には、ソフトドーム振動板を重量がわずか30mgというアルミ削り出しのエアフレームで固定。この重量ながら通常のハードドーム振動板と比較して14倍の厚みを持たせることで、構造上の強度はいかなる素材を用いたハードドーム振動版より強固にすることが可能になったという。

この“Billet Dome”ハイブリッド・トゥイーターの性能を発揮させるために、クロスオーバー・ネットワークも一新。低域用のクロスオーバー回路「Signature」も同一基板内に収め、シグナル・パスの大幅な短縮を達成したという。ネットワークの全パーツも見直しも行われた。

この新たなネットワークに採用されたのがViseCoilインダクターだ。低周波数帯域を受け持つインダクターへ供給される大電流はコイル自体に振動をもたらし、特性の劣化を引き起こす。同社はこの問題を解決すべく、インダクターまでを完全に自社開発・生産。リニアモーターカー開発時に発表された電気マグネット・モーターにおいて、発生する振動を排除してエネルギー伝達効率を飛躍的に向上させるという科学理論を、インダクターのコイル作製に応用したという。

この理論を具現化するためにコイル製作に専用ワインディング・マシーンを開発してコイルのズレやたわみを徹底的に排除。さらにアルミ削り出しによるフレームで、このコイルを4点にて強固に固定する。これらの施策により、従来のコイルと比較してリニアリティで60%、残響損失率で24%の向上を達成。駆動するアンプへの負担をも大幅に軽減することが可能になったという。

従来のSonjaのユーザーを対象に、Sonja 2.2へのアップグレード提供も用意。また、同社の「ANAT 3(Signature)」においても、同様のアップグレードが可能となっている。アップグレード詳細は以下の通り。

●Sonja 1.1(ANAT3/MM)部
・トゥイーターユニットをBillet Domeへ交換。
・クロスオーバー・ネットワーク交換

●Sonja2(ANAT SS)部
・クロスオーバー・ネットワークをViseCoilへ交換

アップグレードの価格は以下の通り。

・Sonja1.2からSonja2.2へのアップグレード ¥2,100,000(税抜)
・Sonja1.3からSonja2.3へのアップグレード ¥2,400,000(税抜)
・ANAT 3(Sig.)からSonja 2.2と同技術内容へのアップグレード ¥2,200,000(税抜)
・ANAT 3Pro(Sig.)からSonja 2.3 と同技術内容へのアップグレード ¥2,500,000(税抜)

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