11.2MHz DSD対応USB-DACも内蔵

デノン、“革新的”フルデジタルヘッドホンアンプ搭載のネットワークプレーヤー「DNP-2500NE」

公開日 2016/01/15 10:00 編集部:小澤貴信
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DDFA採用フルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプを搭載

本機の最大の特徴と言えるのが、DDFA採用のフルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプだ。DDFAはご存じの通り、同社プリメインアンプ「PMA-50」やネットワークレシーバー「DRA-100」にも採用されたクアルコム社の先進的デジタルアンプデバイス。このDDFAをヘッドホンアンプ向けにチューンナップして搭載している。

会場で実施されていたフルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプのデモ

DDFAによるヘッドホンアンプ部

本機のフルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプには主に3つの特徴がある。まず、DDFAはデジタル信号を直接入力できるフルデジタル・プロセッシングを採用しており、USB-Bやネットワークからのデジタル入力信号を、アナログ変換することなく、「Advanced AL32 Processing Plus」による補間処理からボリューム調整、トーン処理、最手段の電流増幅と負帰還処理まですべてデジタルドメインで処理する。これにより楽曲が持つ情報を高い鮮度で、かつ高S/Nで再現できるという。

なんとヘッドホンアンプに、同社プリメインアンプで採用実績のあるデジタルアンプデバイス「DDFA」を採用

次に、アンプ出力のカップリングコンデンサーレスの実現が挙げられる。これはDDFAのフィードバックシステムが音質に悪影響のあるDCオフセットをキャンセルできるため、低域のゲイン低下や位相回転の原因となる出力カップリングコンデンサーを省略したアンプ構成を可能とした。可聴帯域加減までフラットに伸びた周波数特性を実現したとのこと。

3つ目として、DDFAのパフォーマンスを最大限発揮させるためにヘッドホンアンプ部のみで合計9系統の安定化電源(リニア・レギュレーター)を使用。さらに直接負荷を駆動する出力段ブリッジ電源には、アナログ専用トランスから専用電源基板を経て電源供給される。こうした電源の強化とDDFA独自のフィードバック機構により、さらなる原音忠実再生が可能になった。

アンプ出力のカップリングコンデンサーレスの実現も音質に大きく寄与しているとのこと

ヘッドホンアンプ部だけで9系統の独立した安定化電源を搭載

ヘッドホンアンプのダンピングファクター切替機能も充実。High(出力インピーダンス:0.1Ω)、Upper Mid(33Ω)、Lower Mid(47Ω)、Low(100Ω)の4段階で切り替え可能となっている。また3段階でのGAIN切り変えも可能だ。BASS/TREBLEのトーンコントロール(各±10dB)も備える。

宮原氏は「ダンピングファクター切り替えは、Highに向かうほど音質は“固い”傾向で、Lowに寄るほど“柔らかい”傾向になります。ダンピングファクター切り替えとゲイン切り替えで合計12通りの設定ができ、手持ちのヘッドホンに合わせて音質を調整したり、音質の変化を楽しんだりすることが可能です」と紹介していた。

ダンピング・ファクター切り替え機能における各モードのインピーダンス/ダンピング・ファクターの一覧

ヘッドホン出力の定格出力は1.5W+1.5 W(32Ω、1kHz、T.H.D.0.7%)、80mW+80mW(600Ω、1kHz、T.H.D.0.7%)。ヘッドホン負荷は8Ω〜600Ω。周波数特性は5Hz〜80kHz(32Ω、-3dB)となる。

デジタルアイソレーション回路で外部ノイズを除去。「AL32 Plus」にも対応

DNP-2500NEは、DCD-SX1やDCD-SX11の設計思想を受け継ぎ、回路全体の「シンプル&ストレート化」を徹底。基板上のレイアウトを見直し、オーディオ信号に引き回しを最短経路としたという。

USB-B入力および同軸デジタル入力に対しては、音声信号と共にパソコンなどから流入する高周波ノイズを排除するデジタルアイソレーション回路を搭載。高速デジタル・アイソレーターによって信号ラインと外部機器の電気的な結合を遮断することで、ノイズを含まない音声信号のみを伝送することができる。さらにUSB-B入力の回路ブロックは、パソコン側の電源からのノイズ回り込みを防止するため、グラウンドを含めて電源トランスの巻き線から完全に分離された専用電源によって電源が供給がされる。

DCS-SX11などでも採用されたデジタル・アイソレーター回路によりノイズの流入を遮断

本機のデジタル回路基板。中央に6基並んでいるのがデジタルアイソレーター回路だ

FPGAを用いたデノン独自のアナログ波形再現技術“Alphaプロセッシング”も、もちろん搭載。本機ではDCD-SX11で完成された最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」を採用し、352.8kHzおよび384kHzの2倍オーバーサンプリングにも対応(ライン出力時のみ)。独自アルゴリズムもさらに進化させることで、より原音に近い補間処理が可能になったという。なお、本機能はPCM入力時のみ適用される。

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