無線伝送はBluetoorhを採用

【独HIGH END】ダリ、同社初のワイヤレス・Hi-Fiスピーカー「ZENSOR 1 AX」と「ZENSOR 5 AX」発表

公開日 2015/05/19 11:45 季刊NetAudio編集部・浅田陽介
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現地時間の5月14日(木)〜17日(日)まで開催され、今年も大盛況のうちに幕を閉じた欧州最大級のオーディオショウ「Munich HIGH END 2015」。世界各国からさまざまなオーディオブランドが出展する同ショウでは、近年、ワイヤレス機能を実装しながらハイファイ・サウンドを実現するいわゆる「ワイヤレス・ハイファイ」の考え方が急速に浸透している印象を受ける。

これまでのスピーカーの革新といえば、新素材ユニットの搭載やエンクロージャー構造の進化などが主流となっていたが、昨今では急速にデジタル技術をいかに組み込むか、という部分にスポットがあたりつつあるようだ。

世界的に大きなシェアを誇るデンマークのスピーカーブランド ダリも、今回同社初となるワイヤレス・ハイファイスピーカー「ZENSOR 1AX」と「ZENSOR 5 AX」を発表し、大きな話題を呼んでいた。

ダリにとって、初となるワイヤレス・ハイファイスピーカーとなるZENSOR 1 AX(写真右)とZENSOR 5 AX。無線伝送方式は、最もシンプルな接続性を可能とするBluetoothを採用している

この2モデルには、他のハイファイスピーカーブランドとは少々異なる方向性を見て取ることができる。多くのメーカーはあくまで音質を最優先事項として、ロスレスの伝送を前提として開発。そのため、特殊な伝送方式を採用することがほとんどで、それにともなうトランスミッターが別途必要となる仕組みを採用していた。その一方でZENSOR 1 AX、ZENSOR 5 AXが採用した無線伝送方式は、aptXによるBluetooth伝送。もちろんこれには大きな理由がある。

特殊なトランスミッターを用意するこれまでのワイヤレススピーカーは、使用環境を限定する傾向が強かった。確かに音質最優先という意味では正しい選択であることに変わりはないが、それではダリが優先する「どんな環境でも、シンプルに、簡単に使える」というスタイルを実現することはできない。そこで昨今のBluetooth伝送の音質向上に着目し、誰でも簡単に、スマホやタブレットなどからハイファイなサウンドを楽しむことができるスピーカーの開発を最優先としたのだ。

ユニットそのものや搭載されるアンプなどは、いずれのモデルも共通。有線入力端子には光TOSによるデジタル入力とφ3.5mmステレオミニジャックを用意。左右のスピーカーは1本のスピーカーケーブルでシンクさせる仕組みを採用する

こうした設計思想を考えると、今回同社のハイファイスピーカーの最もエントリーに位置するZENSORシリーズにワイヤレススピーカーを拡充したことも納得ができる。そこには「より多くの人にハイファイ・サウンドを」というダリの考え方が色濃く反映されているといってもいいだろう。

また、Bluetoothによるワイヤレス接続のほかに、有線では光TOSによるデジタル入力やφ3.5mmステレオミニジャックによるAUXアナログ入力を装備する。なお、左右のスピーカーは背面のスピーカー端子で接続するほか、RCA端子によるサブウーファーアウトも用意する。

また、搭載するアンプはいずれのモデルもクラスD。出力は50W×2という点も同一で、主な違いはユニットの数とそれに伴うサイズの違いということになる。

カラーはいずれのモデルも、ホワイト、ブラック、ウォールナットを用意する

今回のダリのブースにおけるデモンストレーションのメインは、ZENSOR 1 AXとZENSOR 5AX。そのサウンドを聞いた来場者からはBluetooth伝送であることの驚きの声も耳にすることができた

本機のサウンドを聞いた来場者同士の会話の中からは、本機がBluetooth採用スピーカーであることの驚きの声を耳にすることも多くあった。シンプルにハイエンド・サウンドを味わう。この難しい課題を極めてシンプルな形で克服したダリは、ワイヤレス・ハイファイの世界に新しい風を吹き込むかもしれない。

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