正式発表前の注目機の開発背景を聞く

マランツが開発中の新ネットワークプレーヤー「NA8005」を聴いた!

公開日 2014/04/18 10:00 編集部:小澤貴信
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続いて宇多田ヒカル「First Love」(96/24 FLAC)をNA8005で聴く。ボーカルが前面に立ちすぎることなく、良い意味で余裕、余白が感じられる。これは、ハイレゾならではのダイナミックレンジの広がりをしっかりと表現できるからこそだ。このため、次第に曲が盛り上がっていく楽曲構成が、より深く理解できる。

コーネリアス「Sensuous」(96/24 FLAC)からは、1曲目の同名曲を聴いた。このアルバムは、様々な音が空間を縦横無尽に動き回るのだが、NA8005で聴くと、その位置をしっかりとトレースでき、定位がぼやけることがない。空間の広がり、さらには奥行きまでしっかりと描けているからにほからならない。

UAB-B入力によるPC再生、LAN入力によるネットワーク再生をそれぞれ試聴できた

その後、ポップス、ロック、クラシックと各ジャンルの音源をハイレゾ中心に聴いていったが、ノイズアイソレーションの効果なのだろう、とにかくS/Nが高く、各楽器のニュアンスを細部まで表現してくれている。USB-B再生に加え、ネットワーク再生でも各音源を聴いてみたが、USB-Bと同等、いやそれ以上のサウンドだ。ネットワーク経由に比べ、USB-B再生が突出していたNA-11S1とは異なり、本機では各入力が等しく高音質化されていることがよくわかる。

なお、USB-B再生とネットワーク再生、音が良いのはどちらなのかと意地悪な質問も向けてみた。澤田氏によれば、LANによるネットワーク再生、USB-BによるPC再生で、構造的には音質の優劣はないとのこと。しかし、ディスク再生と異なり、これらはPCやネットワークなど音質に関わる外部要因が非常に多い。その点を踏まえた上で、最も理想的な環境が得られたと仮定すると、優位性はLANにあるという。PCとの接続に比べれ、ネットワークから流入するノイズは圧倒的に少ないからという。「案外音が良いのは、USB-A端子によるUSBメモリー再生です」とも付け加えてくれた。

USB-DAC再生とネットワーク再生を同等に高音質化した点も本機の魅力だ

NA8005は、192kHz/24bit PCMと5.6MHz/2.8MHz DSDという、現時点で音源が手に入る最高水運のスペックを、USB-DACとしてはもちろん、ネットワーク再生でもカバーしている。その点だけでもNA7004を超えているのだが、音質面ではさらなる飛躍を遂げたと言って差し支えないだろう。また、USB-DACやネットワーク再生などの各入力に対して同等にアイソレーションを施して音質を追い込んだ点も注目で、ネットワーク再生をこれから始めようと考えているユーザーにはぜひ聴いてもらいたいモデルである。

気になるのは価格、そして発売時期である。発売日は近日中とのことだったが、詳細は明かされなかった。価格については、同じシリーズであるSA8005に近いものになるのでは、とのことだ。ファイル・ウェブ編集部では、NA8005の新たな情報が得られ次第、順次お伝えしていく予定だ。

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