来年1月に第2弾リリースも決定

SMEが開発した高音質ソフト「Blu-spec CD」を聴いてみた

公開日 2008/11/18 19:15 Phile-web編集部
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その「高音質」がいかほどか気になるところだが、サンプラーCDに収録されたクラシック、ジャズ、ロック、ポップスの4楽曲を通常のCDと聴き比べた印象では、CDと比べて音の1粒1粒の輪郭が明瞭になり、ヴァイオリンのかぼそい響きはより繊細に、ボーカルの厚みはより深く描出されるのがわかる。弦楽器やボーカルの残響音などもクリアになった印象だ。なお、より詳細な音質レポートは、連載「山之内 正の週刊AVラボラトリー」にて、あす11月19日に掲載する予定だ。

開発担当の渡辺氏が「これまでのCDでは完全には収録できていなかった録音時の音をそのまま再現することを目指した」と言う通り、マスタークオリティにより近い音の再生を実現しているようだ。

■Blu-spec CDの今後の展開

今年の12月24日には、第1弾として小澤征爾やマイルス・デイビス、ビリー・ジョエル などクラシックやジャズ、ポピュラーの名盤を中心に60タイトルのリリースが決定しているが(関連ニュース)、さらに第2弾として、09年1月21日に20タイトルが発売されることが発表された。ラインナップはエアロスミス「宇宙の騎士」、ジャニス・ジョプリン「チープ・スリル」など。今後は旧譜の増強とともに新譜の発売にも積極的に取り組んでいくという。

Blu-spec CDが普及するとなると、SMEが同じく展開する高音質規格であるSACDの今後が気になるところだが、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント 経営企画グループ ゼネラルマネージャー(広報担当)兼 広報チーム チーフマネージャーの高橋由和氏は「SACDは別途専用のプレーヤーを用意することで本格的な高音質を楽しめるソフト。Blu-spec CDは従来のプレーヤーで高音質な音が楽しめるという点が特長。両フォーマットは共存できる」と説明する。

また、Blu-spec CDの素材、技術をSACDのCD層にも利用することは可能だというが、実際の転用については音質など検証した上で考えていくという。また今後の新譜を、通常のCDとBlu-spec CDで同時に発売するのか、Blu-spec CDのみで発売していくのかについても生産ラインの状態などを考慮しながら検討していくという。

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