<高橋敦のTIASレポート>ELAC 240シリーズなど手頃な価格帯のスピーカーにも注目

2007/10/06
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ハイエンドの競演というのもショウの醍醐味だが、現実的な選択肢となり得る価格帯の製品も一堂に会しており、それらを見て回れるのもショウの魅力である。

デノンラボの主役はDALI最新機「Helicon800 MkII」。ARCAMのセパレートシステムによるバイアンプ駆動という豪華なセッティングからも、同社の力の入れようがわかる。

右からHelicon400 MkII、Helicon800 MkII、Euphonia MS5。Euphoniaは同ブランドのハイエンドシリーズ

好評のシリーズの「MkII」ということで、音の粒子に満たされた濃密な空間といった美点はしっかり受け継がれている。先行して発売された「Helicon400 MkII」とも音の傾向は共通しており、シリーズの世界観は強固だ。

実際に導入するとなると、設置環境や予算によって400か800かを選ぶことになるだろうが、ステージには両機が並んで置かれており実際のサイズも比較できる。なお、ブックシェルフ型「Helicon300 MkII」も展示されている。

ELACも先日「240シリーズ」を発表したばかり。もちろん今回のブースにはそのブックシェルフ「BS 243」とトールボーイ「BS 247」が展示されており、試聴も可能だ。

新シリーズの特徴は「クリスタルライン・アルミニウム振動板」を採用した新ユニット。この振動板、素材や構造自体は従来のものと変えず、形状加工のみで剛性を飛躍的に高めているのだそうだ。

247のデモシステム。なおELACブースはメイン会場からブリッジを渡った離れ側にある。見落とさないように

こちらは237から、新ユニットのアップ。従来より光の反射の仕方が落ち着き、落ち着いた雰囲気を増した

全体は好評を博した「200 ANNIVERSARY」シリーズの流れを素直に受け継いでいる印象で、新シリーズにして完成度も高そう。価格の手頃さもキープしており、食指を動かされる方も多いだろう。

BOSEブースはペンシル型スピーカーの新作「77WER」をデモ。
77WERはキャビネット内にウーファーを内蔵している(ユニットが外面に露出していない)という特異な構造を持つ。もちろん音響的な効果を得るための構造であるが結果的に、お子さんや猫などの攻撃に強いスピーカーともなっている。スリムさと共にリビングシステムとしての強みと言えるだろう。

ウーファー破損の危険皆無、設置スペース最小、極細なので猫が飛び乗る心配もない

デモ環境はホームシアターを想定。広めのブース(空間)で超小型スピーカーシステムをデモするのも同社らしさだ

同社ブースではサラウンドシステム「Lifrstyle V30」のデモ再生も行われる。リビングオーディオ/リビングシアターを考えている方には要チェックのブースだ。

ナスペックのブースには新ブランド「SYNTHESIS」が展示されている。90年代初めに創設されたというイタリアのブランド。ラインナップは真空管プリメイン2機種に、CDプレーヤー、そしてスピーカーだ。全製品とも、外装の主な部分に燃え上がるような赤でラッカー仕上げされたウッドを採用しており、イタリアンブランドの伊達っぷりを感じさせる。実力は未知数ではあるが、いまから注目しておくと面白そうなブランドだ。

アンプ「FLAME RC」とプレーヤー「PRIDE」は予価26万5000円、スピーカー「CLUB」は価格未定。スピーカーのエンブレムがクルマっぽいのも洒落っ気か

アンプとプレーヤーに付属するリモコンも本体同様に暖かな仕上げで、握り心地がよい

(高橋敦)

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