全長44mmの小型軽量な中望遠レンズ、フォクトレンダー「APO-SKOPAR 75mm F2.8」実写レビュー
河田一規コシナが手掛ける光学機器ブランド・フォクトレンダーから、小型軽量な中望遠単焦点レンズ「APO-SKOPAR 75mm F2.8」が新たに発売される。
マウントはライカMマウントと互換性のあるVMマウントを採用。ライカM11等のデジタルライカはもちろん、ライカM1- M7等のフィルム機、VMマウントを備えるフォクトレンダーベッサシリーズ各機、ZMマウントのツァイス・イコン等にダイレクトに装着できるほか、マウントアダプターを併用すれば各社のほぼすべてのミラーレス機でも使用することが可能だ。
Voigtländer「APO-SKOPAR 75mm F2.8」
SPEC ●焦点距離:75mm ●絞り値:F/2.8 - F/22 ●最短撮影距離:0.7m ●フィルター径:φ43mm ●外形寸法:φ54.0mm×44.0mm ●質量:191g ●対応センサーサイズ:フルサイズ ●対応マウント:VM(ライカM互換) ●カラー:シルバー、ブラック ●価格:¥99,000(税込)●発売日:2026年5月27日発売予定
最大の特長は、開放F2.8の75mm中望遠レンズとしては、かなり小型軽量に作られていること。全長44mm、質量191gというのは、ライカ「LEICA SUMMICRON-M f2.0/50」(全長約43.5mm、質量約240g)とほぼ同じサイズ感で、標準レンズ並みのコンパクトさだ。
小型軽量であることはもちろん、機動性や取り回しやすさに繋がるわけだが、もうひとつ大きなメリットがある。それは光学ファインダーの見え方だ。M型ライカのようなレンジファインダー機の場合、レンズが大きいとそれによってファインダー視野がケラれてしまうという難点があるのだが、本レンズくらい小さいと、ケラれを最小限に抑えられる。
今回はライカ「M10-R」との組み合わせで試用してみたが、ファインダーからレンズ鏡胴は見えるものの、最短撮影距離にしたときでも75mmのブライトフレーム右下部がわずかにレンズ鏡胴と重なる程度で視野のケラれはほぼなかった。
視野がケラれてしまうと見えない部分は想像して撮影しなければならないので、レンジファインダー機にとってレンズが小さいというのは実はかなり重要なことなのだ。
光学系は最新レンズとしてはシンプルな6群7枚構成だが、そのうち4枚に異常部分分散ガラスを使用することで小型軽量でありながら高い描写性能も両立。高画素化されたデジタル機で目に付きやすい軸状色収差についても、レンズ名からも分かるとおりアポクロマート設計によって限りなくゼロに近づけている。
実際に使ってみると、この小型軽量さはやはり何物にも代えがたいことを実感でき、フットワークを駆使する撮影スタイルには本当にありがたい。ファインダーのケラれがほとんどないことは前述のとおりだが、フードもドーム型の専用形状とすることで、装着してもファインダー視野にほぼ影響がないよう配慮されているのは素晴らしい。
写りについては解像感、アウトフォーカス描写共に単焦点レンズならではの高いレベルにある。たしかに色収差はよく補正されていて、クリアでスッキリしたヌケのいい色再現なのもいい。
今回ライブビューはまったく使わず、すべて距離計でピント合わせを行ったが、ピント精度は十分に高く、総金属製ヘリコイドユニットの信頼性は抜群だ。フォーカスリングの回転フィールを含め、使って楽しいレンズに仕上がっていると思う。
ポートレート用としてはもちろん、スナップ用の小型高性能中望遠を探している人にはベストマッチだろう。最近のライカ純正Mレンズは大口径偏重気味で、F2.8クラスの中口径中望遠レンズは現行にはないから、そういった意味からも貴重なレンズといえるだろう。
(提供:株式会社コシナ)
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