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公開日 2025/10/21 17:52
作品制作に携わる作家/俳優の生の声も

聴く読書「Audible」が国内展開10周年。日本リスナーの傾向、今後の新コンテンツなど一挙発表

編集部:成藤正宣

Amazonが運営する “聴く読書”  Audible(オーディブル)が、今年で国内展開10週年を迎える。これを記念した発表会が本日10月21日に開催。Audible幹部によるプレゼンテーションや、Audibleに作品を提供する作家、朗読に携わる俳優を招いたトークセッションが催された。



国内展開10周年を記念したAudibleイベントが開催


1995年にドン・カッツ氏によって設立されたAudibleは、2008年にAmazon傘下に入り、2015年に国内サービスを開始。以降さまざまな施策を積み重ね、2022年には聴き放題プランの開始、今年2025年にはAmazon Music Unlimited会員に向けて月1冊無料の特典を提供開始した。



Audibleは2015年に国内サービス開始し、今年で10周年


Audibleカントリーマネージャーの逢阪志麻氏は、Audibleサービス開始当初は実用書/自己啓発書の再生が多かったが、聴き放題開始以降は小説をはじめ、より幅広いジャンルが再生されるようになったと説明。Amazon Music Unlimited会員に向けた無料特典も、1人あたり平均で月3.68時間と好調に利用されているとのこと。



Audibleカントリーマネージャー 逢阪志麻氏


また逢阪氏は、日本のオーディオブックリスナーの傾向として、書籍より先にオーディオブックとして発表される「オーディオファースト作品」への期待が高いこと、また好きなナレーターをきっかけにオーディオブックを探す方が多いことを紹介。“聴く読書” の利点としては、「自分のペースで聴ける」「画面を見る必要がなく、目が疲れない」といった点が評価されているという。



書籍よりもまずオーディオブックとして出版される「オーディオファースト作品」への高い注目度や、ナレーターを軸としたオーディオブック探しが国内ユーザーの傾向だという



「自分のペースで聴ける」「目が疲れない」といった特徴が特に評価されているとのこと


一方、オーディオブックを楽しむ環境としては、「外出時、移動しながら聴く」というシーンが、世界各国の平均に比べて割合が小さいという結果に。逢阪氏はこれについて、オーディオブックならではの楽しみ方がまだ十分に広まりきっていないと分析。同時に、国内における成長機会と捉えているとも述べ、国内での新規制作コンテンツを2024年比で40%増やし、オーディオブックの文化を広めていくと意気込みを述べた。



海外に比べ、日本では外出時にオーディオブックを再生する割合が少ないという


これを受けて、AudibleのAPACコンテンツシニアディレクターを務めるキーリング・宮川もとみ氏は、10周年の節目を迎えるAudibleが取り組む次なる施策について3つを紹介した。



キーリング・宮川もとみ氏


1つ目はAudible Original、つまりAudibleのために書き下ろされ、朗読として真っ先に届けられるオーディオファースト作品の強化だ。これまでに28作品が配信されてきたが、11月11日には新作として、ミステリー作家 湊かなえさんの『暁星』が配信される。全国高校生総合文化祭の式典で起こった殺人事件を描く物語で、ナレーターには声優の櫻井孝宏さん/早見沙織さんを起用する。



オーディオファースト作品として湊かなえ『暁星』が11月11日に配信予定


この後にも、林真理子さん『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』、スコット・アランさん『200 GENTLE HABITS 1日1ページ、人生をひらく 小さな習慣』といったオーディオファースト作品が控えているという。


2つ目は、ベストセラー作家のオーディオブックの充実。俳優 井浦 新さんが朗読する村上春樹さん『街とその不確かな壁』をはじめ、『月の裏側』『不連続の世界』『Q&A』といった恩田陸作品、『霧島、部活辞めるってよ』など朝井リョウ作品、そして『イン・ザ・ミソスープ』などの村上龍作品が、本日10月21日から2026年にかけて順次解禁される。



村上春樹:著/井浦 新:朗読『街とその不確かな壁(上)』は本日10月21日配信開始



恩田陸作品の『月の裏側』は池田成志、『不連続の世界』は北村一輝の朗読で、どちらも10月21日から配信開始


3つ目は、オリジナルポッドキャストの充実。小説家 平野啓一郎さん監修のもと、さまざまな分野の第一線で活躍する著名人を講師に招く“聴く授業”『A University』や、お笑いコンビくりいむしちゅーの有田哲平さんによる“オーディオコント”『有田哲平 耳笑(みみわらい)』、くりいむしちゅー上田晋也さんとアンタッチャブル柴田英嗣さんによる『くりぃむ上だとアンタ柴田の心はいつも半ズボン』、声優 斉藤壮馬さんが本について語る『斉藤壮馬の本心』といった番組が、順次配信される。



さまざまなジャンルからゲストを招く『A University』


発表会終盤には、上述の配信予定オーディオブックのうち恩田陸『Q&A』、村上龍『イン・ザ・ミソスープ』の2作で朗読を担当した俳優 濱田 岳さんと、『さよならドビュッシー』などの作品で知られ、現在Audible Original作品を執筆中の作家 中山七里さんをゲストに、Audible 宮川氏を交えたトークが行われた。



Audible作品の朗読に初挑戦した濱田 岳さん(右)と、まさにいまオーディオファースト作品執筆中という中山七里さん(左)


今回が朗読初挑戦だったという濱田さんは、俳優として普段から台本を読むということに慣れてはいたものの、「(朗読では)個々のキャラクターのバックボーンを読みながら、『なぜこんな行動を取ったのだろう?』と理解できないながらも1人1人に寄り添わなくてはならないのが新鮮でした」と、俳優としての演技と朗読とのギャップを語る。


一方、自分の作品を知ってもらう新しい機会や、文学の新しい表現方法となりうる「突破口」としてオーディオブックに注目していたという中山さんは、「読みやすい文章は、聴きやすいんです」と書籍とオーディオブックの共通点に言及。「いまも冒頭が読みやすくない作品はもてはやされない。Audibleで人気になる作品は、書籍としても読みやすいのでは」とオーディオブックに携わる中で得た知見を述べていた。


そんな中山さんは、すでにAudible Original作品の1作を書き上げたとのこと。火災原因調査員を主役に据えた作品だそうで、詳細は今後明らかとなる予定だ。





 

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