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公開日 2023/05/17 12:04
ALS患者が充実した生活を送れるよう支援

iPhoneで“自分そっくりの合成音声”を作れる「パーソナルボイス」、アップルが予告

多根清史
アップルは今年後半、すなわち次期「iOS 17」でのアクセシビリティ(身体機能に関わらず、誰もが機器を使いやすくする仕組み)アップデートの一環として、2つの新機能「Live Speech(ライブスピーチ)」と「Personal Voice(パーソナルボイス)」を正式に予告した。いずれも、話す能力を補うためのものである。

まずライブスピーチは、iPhoneやiPad、Macで、電話やFaceTimeでの通話中や対面での会話中に言いたいことを入力すると、それを音声に換えて伝えてくれる機能だ。また、よく使うフレーズを保存しておけば、家族や友人、同僚との会話ですぐに利用できる。

本機能は言葉を音声で発することができない、または時の経過とともに言葉を失った全世界の何百万人もの人々をサポートするために設計されたという。

そしてパーソナルボイスは、ユーザーが自分そっくりの声を簡単かつ安全に作れる機能だ。こちらはALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断を受けた直後など、話す能力を失う恐れのあるユーザーのために設計されたそうだ。ALSとは手足やノド、舌の筋肉がしだいに弱まり、言葉を発しにくくなる病気である。

ユーザーはiPhoneやiPadで、ランダムに表示されるテキストプロンプトを読むことで15分間の音声を録音し、パーソナルボイスを作成できる。デバイス上の機械学習を使うため(クラウドサーバーなど外部にデータは渡されない)、ユーザー情報を非公開かつ安全に保たれる。

このパーソナルボイスは、シームレスにライブスピーチと統合されている。つまり電話やFaceTimeでの通話、対面での会話でも、iPhoneやiPadがユーザーそっくりの声で代わりにしゃべってくれるわけだ。

2018年にALSと診断され、非営利団体「Team Gleason」の理事を務めるフィリップ・グリーン氏は、アップルの取り組みに賛辞を寄せている。「一日の終わりに最も大事なことは、友人や家族とコミュニケーションが取れることだ」「わずか15分でiPhoneから自分の合成音声を作れるのは並外れている」とのことだ。

さらにアップルは、認知障害のある人でもiPhoneやiPadのインターフェースを使いやすくする「Assistive Access」も合わせて予告している。

この機能は、iPhoneのカメラや写真、音楽や通話、メッセージ各アプリのボタンを必要最小限に絞り込み、ホーム画面のボタンも大きくしてグリッド状、あるいは短冊状に配置することで、ユーザーの認知負荷を軽減するものだ。サンプル画面を見るかぎり、以前iOS 16.2ベータ版から手がかりが見つかっていた「Clarity」の発展形と思われる。

ほか、予告されたアクセシビリティ新機能は次の通り。アップルの先進的な取り組みに、競合他社のスマートフォンやデバイスも続くことを期待したいところだ。

・聴覚障害者の方は、Made for iPhoneの補聴器を直接Macとペアリングし、聴き心地の良いようにカスタマイズできる

・「Voice Control Guide」では、iPhone、iPad、Macで、タッチやタイピングの代わりに音声コマンドを使用するためのヒントやテクニックを学べる

・身体や運動に障害のあるユーザーは「Switch Control」により、あらゆるスイッチを仮想のゲームコントローラーに変えて、iPhoneやiPadで好きなゲームをプレイできるようになる

・弱視のユーザー向けに、Finder、メッセージ、メール、カレンダー、メモなどのMacアプリで、文字サイズを簡単に調整できるようになる

・動きの激しいアニメーションに敏感なユーザーは、メッセージやSafariで、GIFなどの動く要素を含む画像を自動的に一時停止できるようになる

・VoiceOverユーザーは、Siriが話しかける速度を0.8倍から2倍までの範囲でカスタマイズ可能となる

Source: Apple

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