伝統と現代性の融合。マランツ「CD 70」「MODEL 70」で楽しむリビングオーディオ最前線
マランツ「CD 70」「MODEL 70」で楽しむ最新リビングオーディオ
マランツから、新たなエントリークラスのCDプレーヤー「CD 70」とプリメインアンプ「MODEL 70」が登場した。手に届きやすい価格帯でありながら、上位機種で培われた設計思想を受け継ぐという注目の2モデルだ。
今回はこの2機種を組み合わせ、まずはCD再生でその実力を検証。さらにMODEL 70のHDMI接続によるテレビ音声やストリーミング再生にも触れ、現代のリビングオーディオにおける使い勝手と音質を確かめていきたい。
CD、テレビ、レコード、ストリーミングまで幅広く対応する組み合わせ
今回紹介するマランツのCDプレーヤー CD 70とプリメインアンプ MODEL 70は、いずれも現代の音楽環境を意識しながら、マランツらしいHi-Fi再生を追求したモデルだ。
CD 70は、最新世代の32bit DAコンバーターを搭載し、CDだけでなくフロントUSB端子からのハイレゾファイル再生にも対応する。FLAC、ALAC、DSDなど幅広いフォーマットを再生でき、CD再生とUSBメモリーによるファイル再生の双方で高音質を狙うシンプルな構成だ。
アナログ出力段には、マランツ独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA2」を採用したフルディスクリート回路を搭載。さらにクロック回路には3系統の超低位相ノイズ水晶発振器を備え、CD専用の16.9344MHz(44.1kHz系)、USB入力用の22MHz(44.1kHz系)と24MHz(48kHz系)という構成で、再生ソースに合わせて最適なクロックへ切り替える。
CDドライブにも注目したい。上位モデルにも採用される自社開発のオーディオ専用CDドライブを搭載し、もちろん、ディスクから音楽信号を読み取る段階から音質を追求している。また、CDおよびPCM系ファイルの再生時には、音の傾向を選べる2種類のデジタルフィルターを用意。好みや楽曲に合わせて切り替えられることも特徴だ。
一方のMODEL 70は、AB級のアナログ方式を採用したプリメインアンプ。パワーアンプ部には、独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA3」の最新型を用いたフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を搭載する。
大容量パワートランジスタとの組み合わせにより、8Ω負荷で50W+50Wの出力を実現。高電流型の増幅回路によって、スピーカーの安定した駆動が追求されている。
さらにMODEL 70は、HDMI(ARC)端子を備え、テレビの音声をシステムに取り込めるほか、MM型フォノイコライザーを内蔵してレコード再生にも対応。Bluetoothは送受信に対応し、受信時にはSBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptiveをサポートする。
つまりCDを中心に、テレビ、レコード、ワイヤレスストリーミングまで一つのシステムで楽しめる。CD 70とMODEL 70は、伝統的なディスク再生を軸にしながら、現代のリビングオーディオにも対応できる組み合わせといえる。
DALI「SONIK 1」でCD再生。音場は自然な広がり、肌合いは円やか
まず試聴したのが、DALIのエントリーライン“SONIKシリーズ”のコンパクトなブックシェルフ型「SONIK 1」だ。フラグシップモデル「KORE」の設計思想を受け継ぎ、2ウェイ・バスレフ方式に、29mm径ソフトドーム・トゥイーターと130mm径ウッドファイバー・コーン・ウーファーを搭載する。
実際に聴くと、小型ながら音場は左右へ自然に広がり、中域にはDALIらしい円やかな肌合いが感じられる。ジャズのピアノトリオでは、ピアノのタッチが軽やかに立ち上がり、ベースの一歩引いた位置やドラムのパンニングも見通せる。ハイハットからスネア、タムへ移る音の動きも自然で、各楽器の音像や大きさが明確だ。
女性ジャズボーカルソースでは、歌声を中心にパーカッションの定位が浮かび、ブラシスネアのきめ細かな質感も描き出す。バロックオーケストラによるミサ曲では、音の抜けがよく残響が爽やかに空間へ広がった。
フィルターを1から2へ切り替えると、音像の輪郭やプレゼンスの出方が変化し、2では引き締まった描写と鮮明な色彩感が際立つ。一方、1ではより穏やかで円やかな表現が楽しめるなど、優劣ではなく音楽の表情に応じて選べる違いとして感じられた。
B&W「607 S3」でCD再生。楽器の位置がより精妙、音色も明晰に
続いてBower & Wilkins「607 S3」に変更すると、音楽の描き出し方は明確に変化する一方、基本的な音調にはDALIと共通する円やかさが保たれている。2ウェイ・バスレフ型で、25mm径チタニウム・ドーム・トゥイーターと、130mm径コンティニュアム・コーン・ミッドレンジ/ウーファーを搭載する。
特に印象的なのは、左右のスピーカー間に浮かぶ楽器の位置関係が精妙になること。ピアノトリオでは各楽器の音像や大きさが明確で、ベースが一歩引いたミックスやドラムのパンニング、ハイハットからスネア、タムへの音の動きまで見通せる。ピアノのタッチも歯切れよく立ち上がるが硬質にはならず、音色の色彩感や強弱まで明晰だ。
ジャズボーカルはパーカッションの移動やブラシスネアの質感が際立ち、歌声もスマートな音像でセンターに浮かぶ。ミサ曲は音抜けがスピーディーで、残響も爽やかに広がる。
切れ味を備えながらDALIで感じたマイルドな肌合いもあり、フィルター1と2では音像の輪郭やプレゼンスに異なる表情が現れる。2では引き締まった描写と豊かなプレゼンス、重なる歌声の色彩感が印象的で、ここでもマランツの描写力を感じた。






















