公開日 2026/10/01 06:35

20万円以下!最新プリメインアンプ4機種一斉試聴。Cambridge Audio/ARCAM/マランツ/ソウルノート

機能と音質で選びたい最新プリメイン

ブランドの目指す音楽表現がストレートに現れる

スピーカーをメインに据えたオーディオを始める際に、まず選択肢に上がるのがプリメインアンプの存在だろう。スピーカーに合わせて好みのアンプを組み合わせることは、やはりオーディオの醍醐味の1つと言える。

そして、必要な機能を1つの筐体に凝縮した構成なだけに、そのブランドが目指す音楽表現がストレートに表れやすいのも、このカテゴリーの面白さだ。

そこで今回は、20万円以下で手に入るフルサイズのプリメインアンプに注目。世界的にも定評ある、英国のARCAM(アーカム)とCambridge Audio(ケンブリッジ・オーディオ)、日本のマランツとソウルノートから最新モデル4機種を集め、今、それぞれがどのような音楽を聴かせてくれるのか、じっくりと聴き比べてみた。

今回ご紹介するプリメインアンプ

Cambridge Audio「AXA35」:オープン価格(予想実売価格:税込89,100円前後)
ARCAM「A5+」:110,000円 /税込
MARANTZ「MODEL 70」:143,000円 /税込
SOULNOTE「A-0 ver.2」:181,500円 /税込

リファレンスシステム
スピーカーシステム PARADIGM「PERSONA B」
ネットワークプレーヤー WiiM「WiiM Ultra」(Qobuzにて再生)

スピーカーにはPARADIGMの「Persona B」、WiiMのネットワークプレーヤー「WiiM Ultra」を使用した 

Cambridge Audio - 音楽のエネルギーと心地よさを伝える

英国らしい薄型ボディに35WのAB級アンプを搭載したエントリーモデル。伸びやかで快活な音楽表現が持ち味で、入力はアナログに絞りつつ、フォノ入力も備えている。

Cambridge Audio「AXA35」

音の細部をことさらに追い込むのではなく、音楽全体をひとつの塊として生き生きと描くのがAXA35の持ち味。張りのあるドラムの打音や弦楽器の鮮やかな色彩感、低音楽器の厚みを快活に引き出し、刺々しさや細さとは無縁の充実したサウンドに仕上げる。

音像はやや大きめで親密感があり、楽器同士の一体感やハーモニーの豊かさも印象的。透明感とプレゼンスが豊かなヴォーカル表現を備え、細かな情報量以上に音楽のエネルギーと心地よさを伝えてくれる逸材だ。

「AXA35」の背面端子。RCA入力が4系統の他、MMフォノ入力も搭載。プリアウトも設けられている

ARCAM - 音の芯や微細な表情をしっかりと描き出す

ミニマルでスタイリッシュなデザインが魅力のARCAM新シリーズ。フォノ入力、デジタル入力に加え、高音質コーデック対応のBluetooth入力も搭載。AB級50Wアンプを採用する。

ARCAM「A5+」

滑らかで耳触りのよい質感を持ちながら、音の芯や微細な表情をしっかりと描き出すアンプだ。ワイヤーブラシ奏法によるスネアの微細なザラつきやボーカルの息遣い、余韻の消え際まで明快で、細部の情報量も豊富。低域は敢えて量感を抑えた端正な描写が持ち味で、ベースの立ち上がりがスピーディー。タイトなグルーヴを生き生きと再現する。

温かみを備えつつ、余韻を自然に伸ばしながらも、音を確実に止めるARCAMらしい制動力が印象的なエントリープリメインだ。

「A5+」の背面端子。「ひさし」がついているのが特徴。RCA入力は3系統の他、MMフォノ入力、同軸のデジタル入力も搭載する

マランツ - 厚みと充実感ある穏やかなサウンド

ラグジュアリーなフロントフェイスと品位あるサウンドが魅力。HDMI入力をはじめ、フォノ、デジタル、高音質コーデック対応Bluetooth入力も備え、AB級50W出力が確保されている。

MARANTZ「MODEL 70」

立体感の豊かな音場表現が印象的で、楽器の奥行きだけでなく、ボディの深さや高さまで感じさせる臨場感がある。音の周囲に広がる残響や空間も見通しよく、音楽への没入度が高い。音色には品のよい光沢と艶がありつつ、過度な色付けはない。低域の駆動力にも優れ、ベースの動きもしっかり描写。

音の立ち上がりはやや穏やかだが、その分厚みと充実感があり、尖らずゆったりと音楽を聴かせてくれる。

「MODEL 70」の背面端子。今回のモデルの中では唯一HDMI端子を搭載し、同軸/光のデジタル入力も可能。またMMフォノ入力も搭載している 

ソウルノート - 音楽の生命感や鮮度感を重視

ラインレベル信号の増幅に特化したピュアなアナログアンプ。音楽の生命感や鮮度感を何より重視し、それらを損なわないための完全無帰還ディスクリート回路を採用。今回は出力は敢えて10W×2とし、音質を追求。また今回登場する中で唯一XLR入力と、XLRのプリアウトも備える。

SOULNOTE「A-0 ver.2」 

重心の低い、腰の据わったバランスが印象的。ベースとキックドラムをはじめ、各楽器を明瞭に分離しながらも、細部を繊細に描き込むというより、エネルギッシュでワイルドな質感を力強く押し出す。クラシックでもフォルテの豪快さや低弦、ティンパニの量感が際立ち、空間の広がりや繊細さよりも、肉厚で実直なエネルギーを前面に出した音だ。

落ち着いた暗色系の音色も特徴的で、力強いタッチと圧倒的な存在感が魅力だ。

「A-0 ver.2」 の背面端子。今回のシステムで唯一XLRの入力を搭載。シンプルなアナログアンプとなっている 

ブランドの目指す音楽表現が見えてくる

実際に4機種を横並びで聴き比べると、それぞれのブランドが目指す音楽表現が実に明快に表れていた。

手頃な価格を維持しつつ、快活に音楽を楽しませるCambridge Audio。ボーカルのプレゼンスとタイトで力強い低域を聴かせるARCAM。優美でラグジュアリーな音色と、メリハリの効いた滑らかな再生を楽しませるマランツ。そして、完全無帰還回路によって音楽の躍動や力強さをダイレクトに描くソウルノート。エントリーグレードながら、ブランドごとの個性は明確だった。

それぞれ、音楽再現の方向性は大きく異なる。快活さ、力強さ、優美さ、躍動感。音の好みはもちろん、HDMIやBluetooth、フォノ入力など必要な機能も見極めれば、きっとあなたの聴き方に合った1台が見つかるはずだ。

  Cambridge Audio
AXA35
ARCAM
A5+
MARANTZ
MODEL 70
SOULNOTE
A-0 ver.2
定格出力 35W×2(8Ω) 50W×2(8Ω) 50W×2(8Ω) 10W×2(8Ω)
アナログ入力 RCA×4 RCA×3 RCA×3 RCA×2/XLR×2
MMフォノ入力 ◯ ◯ ◯ -
デジタル入力 - 光/同軸 HDMI/光/同軸 -
ヘッドホン出力 6.3mm 3.5mm 6.3mm 6.3mm
最大消費電力 250W 350W 150W 31W
質量 5.7kg 8.0kg 7.9kg 8.0kg
価格 OPEN
89,100円前後
110,000円 143,000円 198,000円

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