PR 公開日 2023/12/14 06:30

音質も機能も評論家が太鼓判!マランツ「CD 50n」「MODEL 50」レビュー

評論家・土方久明氏がチェック

対応ソースについて、まずはCD。SACD再生機能は搭載していないが、実際にはディスク再生を嗜む多くのユーザーがCDがメインだろうから、価格上昇を抑えるためにベストな選択だと僕は思う。どうしてもSACDが聴きたければ、ひとつ上の「SACD 30n」という選択肢もある。

CD 50n

そしてCD 50nは、それ以外の対応ソースがかなり多い。 まずスマホやパソコンとワイヤレスで接続できるBluetooth入力に対応。さらにRJ45の有線LAN端子とWi-Fi(2.4GHz/5GHz)接続も可能で、ネットワークシステムの「HEOS Built-in」により、様々なデジタルオーディオソースを楽しめる。

例えば、ネットワーク経由によるNASからの再生であれば、最大で192kHz/24bit WAV、5.6MHz DSDの楽曲ファイルに対応。また、定額制ストリーミングサービスは、「Amazon Music HD」「AWA」「Spotify Connect」「SoundCloud」を再生できる。近日中に日本でのローンチが予定されている「Qobuz」へのファームウェアアップデートに対応もファンとしては期待したい。

さらに、デジタル入力も豊富だ。デジタル入力端子は、同軸デジタルと光デジタルに加えてUSB-Bも搭載しており、USB-DACとして使用することもできる。PCMは384kHz、DSDは11.2MHzまでのソースに対応。また、USB-A入力も備えており、USBメモリー再生も行える。

背面端子部

また、MacBookやiPhone/iPadからWi-Fi経由で「AirPlay 2」を使用したワイヤレス再生が可能で、インターネットラジオ「TuneIn」の聴取も行える。加えて「Amazon Alexa」との連携にも対応していることも記しておきたい。

そして、CD 50nは最近のマランツの特徴であるARC対応のHDMI端子を搭載してきた。最近はアンプへ同端子を搭載する例は増えているが、CDプレーヤーへの搭載はサプライズと言ってもいいだろう。これにより同規格に対応するHDMI端子搭載テレビとケーブル1本で接続するだけで、テレビのコンテンツを良質なサウンドで楽しむことができる。

独自の工夫でHDMI伝送の高音質化も図っている

「CD 50n」の徹底した高音質化へのこだわりとは?



このような多機能が売りに見えるが、そこはマランツ、基本となるCDへの音質対策が充実している。

CD愛好家にとって、まず気になるのはディスクを回転させるドライブ部だろうが、CD 50nは振動対策が徹底された自社開発のオリジナルCDメカエンジンを搭載したうえ、シャーシ周りは機構設計から見直されており、奥行きが延長されるとともに3層構造の堅牢なボトムプレートを搭載。さらに、各部を固定するネジの太さや本数まで見直された。リブ入りの高密度インシュレーターの搭載など、ドライブからシャーシまでの全領域で、高精度なCDの読み取りを徹底させている。

デジタル回路部については、DACチップにESS社の「ES9038Q2M」を採用。外付けのI/V変換回路とローパスフィルター、そして出力バッファーにマランツ独自の「HDAM」と「HDAM-SA2」を使用したディスクリート回路を組み合わせている。

興味深いのは、DACチップ内蔵のデジタルフィルターは使用せず、オリジナルのアルゴリズムを持つ自社製デジタルフィルター「Marantz Musical Digital Filtering」を利用していることだ。また、サンプリング周波数、ビット深度の上昇により注目度の増しているクロック周りは、超低位相雑音クリスタルの搭載と、44.1kHz系、48kHz系という2つのクロック発振回路に加えて、DAC回路を動作させる専用クロックという、3つのクロック回路を搭載する。

自社製デジタルフィルター「MMDF」は本機のために改良を加えている

そしてDAC以降に使用するI/V変換回路やアナログ回路部には、独自の高速アンプモジュールHDAMおよびHDAM-SA2によるフルディスクリート回路を搭載。電源部には大容量のトロイダル型電源トランスが搭載されるが、そこからの漏洩磁束を抑えるべく、アルミ製ショートリングと珪素鋼板シールドを加えた2重シールドも施されている。

さらに、アナログ回路部の電源に使うブロックコンデンサーは、試作と試聴を繰り返して採用された大容量3,300μF/35Vのカスタムブロックコンデンサーを搭載。最終的にマランツ・サウンドマスターの尾形好宣氏が徹底的に音質をチューニングした。

アナログ回路には独自モジュール「HDAM-SA2」を搭載

「MODEL 50」の特徴:豊富な端子類で将来的な対応力も万全



続いて、プリメインアンプMODEL 50の仕様も確認しよう。外形寸法は442W×130H×431Dmmで、質量は14.2kg。 デザインの意図はCD 50nと同一だから、筆者の試聴室のセッティングのように2機種合わせて並べると本当にカッコ良い。

MODEL 50

フロントパネルには電源ボタンとヘッドホン出力端子のほか、入力切替ノブ、音量調整ノブ、スピーカーのABバランス調整、BASS/TREBLE/BALANCEそれぞれの調整ノブを備える。

チャンネル数は2chで、定格出力(8Ω/4Ω)は70W/100Wとなる。入力端子は、アナログ×6(うちMM対応のフォノ入力×1)と豊富だから、多数のソース機器を持っているオーディオファイルには安心感があるだろうし、将来的な対応力も万全だ。

また、プリアンプとして使えるプリアウトやパワーアンプにダイレクト入力ができるRCAシングルエンドの端子も搭載しているので、本モデルを核にしてさらに高品位なプリアンプやパワーアンプを使うなど、音質アップも狙うことができる。オーディオシステムとしての発展性という点においても購入後が楽しみな製品だ。このオーディオライクな仕様はいかにもマランツらしい。

出力端子は、スピーカー×4(同社オリジナルのSPKT-1+端子を搭載)、アナログ×1、サブウーハープリアウト×1の他、フロントにヘッドホン出力×1を装備するので、ヘッドホンと併用したいオーディオファイルに加えて、深夜、スピーカーからの音を出しづらい環境の方にも有用だと思う。

背面端子部

「MODEL 50」も徹底したこだわりで高音質化。独自モジュール「HDAM」など搭載



音質対策についても徹底されている。プリアンプ回路は、上位モデル同様、高速ディスクリート・アンプモジュールHDAMを発展させた、低歪み型のHDAMによるフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を搭載する。

低歪み型のHDAMを新開発して搭載

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