公開日 2020/06/10 06:40

新13インチ MacBook Proレビュー。または私は如何にしてMagic Keyboardを愛するようになったか

早くも人気モデルに
編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

スポーツカーのエンジンも、その性能だけでなく、エキゾーストノートまで含めてメーカーの特徴として認知されている。それと同じように、打鍵音まで管理しようということなのだろうか。

そう思って、自分のマシンのキーボードはどうかと確かめてみると、やはりEnterキーだけ若干音が高く響くことに気づいた。どうやら新モデルからの仕様ではなさそうだが、MacBook Pro 2020年モデルの音の違いは、ことのほか大きいので、ぜひ「カチャカチャ…ターン!」を試してみて欲しい。

キーを押した際の、指へのフィードバックにも目を向けよう。指を押し下げ、底に当たったときの感触がマイルドで、さらに、わずかな反発があるのが心地よい。ベタッと底に張り付かない。滑らかな打ち心地というと抽象的だが、まさにそういった感覚。押したときの力の分散のされ方が絶妙なのだ。

左が2018年モデル、右が2020年モデル

小さな違いも積み重なると疲労度に直結してくる

それほど多く文章を打たない方であれば、これらの違いをあまり大きく感じないかもしれない。だが私のようにテキストを扱う仕事だったり、コードを書く方などは、一日の仕事のほぼ大半を、このキーボードを使って行うことになる。わずかな違いとはいえ、積み重なるとものすごく大きな差になってくる。私の場合は明らかに疲労が減った。

右の新モデルと左の2018年モデルを比べると、排熱孔のかたちが変わっていることに気づく

エスケープキーがTouch Barではなく、物理キーとして用意されたことについては、正直に言って、あまりその価値がわからなかった。コードを書く方にとっては重要なのかも知れない、という程度だ。一方で矢印キーが逆T字配列に戻ったのは、すぐにその快適さを実感できた。手元を見ずにカーソルを動かしたり、範囲選択する際のミスが明らかに減った。

逆T字型の矢印キーで操作ミスが減った

今後は、このキーボードがアップルの標準仕様になるはず。長年キーボード問題に悩まされた身からすると嬉しい限りだ。

ところで、この13インチモデルの変更によって、16インチのMacBook Pro、MacBook Air、そしてiPad向けのトラックパッド付きキーボードなどが、すべて「Magic Keyboard」に切り替わった。打鍵感は少しずつ違うものの、1mmのキーストロークなど、共通する部分も多い。デバイスを切り替えても同じようなフィーリングで操作できるのはありがたい。



今回の新モデルはとても魅力的だが、買い換えるかどうかは検討中だ。MacBook Pro 2018 Lateの処理速度に不満を持ったことがなく、買い換える理由があるとしたら、キーボードただ一点だけだからだ。逆に言うと、このMagic Keyboardだけで買い換えを検討してしまっているということになる。

キビキビとした処理速度、より手頃になった価格も魅力的で、旧キーボードに不満を持っていた方にも、これからMacを初めて買う方にも、どちらにもオススメできる。とても満足度の高い商品に仕上がっている。

前へ 1 2 3

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX