公開日 2019/10/21 06:30

マランツ「NR1200」は“音のレベルが違う”新コンセプトHiFiアンプ。その実力を徹底チェック!

NR1608との違いも確認

両者の違いは背面ではより大きくなる。ディスクリートの7chアンプを搭載するNR1608に対し、NR1200の搭載アンプは2ch。A/B2系統のスピーカー出力を持つとはいえ、スピーカー端子の数は少なく、またHDMI以外に映像入力関係の端子も持たないため背面は余裕がある。NR1200はマルチチャンネル出力には対応しないが、通常のプリアウトに加えてサブウーファー出力を持つことは注目すべきだろう。

背面端子部の比較

それでは、NR1200をセットアップしていこう。

NR1200はHDMIケーブルでテレビと繋がなければ、今までもあったような「ネットワーク対応プリメインアンプ」として機能し、各種設定も可能だ。しかし、HDMI端子を備えることはNR1200の大きな特徴にして美点なので、今回はセットアップ画面をモニターに表示させ、それを利用することにした。

NR1200のセットアップ画面は、NR1608と比べるとグラフィック面では落ちるが、表示の情報量や設定のわかりやすさは、アンプ本体のディスプレイを用いる時の比ではない。

NR1200のメニュー画面

初回のセットアップに便利な「セットアップアシスタント」を用いれば、初めてオーディオシステムを設置するユーザーにもわかりやすくサポートする。ガイドに従って、スピーカーの設定、ネットワークの設定、各種入力設定など、ひととおりの設定が可能だ。

セットアップアシスタントの画面。画面表示に従ってケーブルの接続や設定等を行っていく

この手のセットアップアシスタントは、AVアンプでは既に当たり前の機能になった感があるものの、ピュアオーディオの世界ではほとんど見かけない。はじめて門戸を叩く人に対する手厚いガイダンスは、ピュアオーディオだろうとオーディオビジュアルだろうと関係なく重要だ。それを考えると、NR1200の「外部モニターにセットアップ画面を映して各種設定が可能で、わかりやすいガイドも用意されている」という特徴は、単に「便利」という言葉を越えた重要性を持っていると感じる。

なおNR1200はHi-Fiアンプとして開発されているため、自動音場補正機能は搭載していない。実際の再生音はスピーカーのセッティングを如実に反映することになるので、その点は要注意だ。

■「出てくる音のレベルが違う」

各種設定とスピーカーの接続が終われば音を出す準備は完了。操作は付属のリモコンから行うのもいいが、NR1200はせっかくネットワーク機能も持っているので、ここは純正の「HEOS」アプリを使うことをおすすめする。本機の入力切り替えや音量調整はもちろん、各種音楽ストリーミングサービスの利用や、サーバーからのネットワーク再生もアプリから一元的に行える。

HEOSアプリの画面。左:機器の選択、右:ネットワーク再生画面

ネットワーク機能についてはモニターに映し出して操作することも可能だ。再生中の音源の情報も画面に表示される。

「リビングルームのHiFiアンプ」を意図したNR1200に合わせるべく、視聴環境は筆者のデスクトップ環境/ゲームシアターで、スピーカーはMonitor Audioの「MASS」を使用。普段MASSを鳴らしているNR1608と交換する形で、NR1200の音を確認した。音源にはHEOSを用いたファイル再生、もしくはストリーミングサービスを使った。

筆者のデスクトップ環境/ゲームシアター。普段はNR1608とMASSの組み合わせで5.0chサラウンドを構築している

次ページ話題の「Amazon Music HD」や映像コンテンツでも高い表現力を発揮

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX