公開日 2016/12/08 11:53

デノン「1600NEシリーズ」レビュー。価格を越えた音楽性を備えるプリメイン&SACD

SACD、ハイレゾからアナログまで試聴
デノンのHi-Fiコンポーネントの中核となる「1500シリーズ」が、「1600シリーズ」へと刷新。ディスク再生に特化したSACDプレーヤー「DCD-1600NE」と、USB-DACを内蔵したプリメインアンプ「PMA-1600NE」が登場した。オーディオ評論家の石原俊氏が、両モデルとじっくり向き合い、その音楽性について考察した。

【写真上段】SACDプレーヤー「DCD-1600NE」(¥120,000/税抜)【写真下段】USB-DAC内蔵プリメインアンプ「PMA-1600NE」(¥150,000/税抜)

11.2MHz DSD対応のUSB-DACを備えたプリメイン「PMA-1600NE」

DENONの「PMA-1600NE」と「DCD-1600NE」をじっくりとハンドリングする機会を得た。

両モデルの内容を見ていこう。PMA-1600NEはUSB-DACを内蔵するプリメインアンプである。終段はUHC MOS-FET(ULTRA HIGH CURRENT MOS-FET)のハイゲインなシングルプッシュプルだ。ハイパワーを得るには多数の素子を並列接続するという方法もあるが、このクラスのアンプではシンプルな回路にしたほうが音の鮮度が得やすいように思う。出力は70W×2(8Ω)/140W×2(4Ω)でリニアリティが高い。

PMA-1600NE

プリアンプ部は伝統的なアナログ式で、スキップ可能なトーンコントロール回路等をもつ。また、このクラスのプリメインアンプとしては異例ともいえる、MC/MM対応のフォノイコライザーを搭載している。

このアンプのキモといっても過言ではないUSB-DACは、驚くべきことにPCM 384KHz/32bitおよびDSD 11.2MHzまでの対応だ。DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生でもDoP(DSD over PCM Frames)でもOK。さらにはPC側のクロックを使用せずDAC側のマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードにも対応している。なお、本機のデジタル回路は非使用時に「アナログモード」を選択することで給電を絶たれる。

背面端子部

2基のトランスを擁する電源部はこのクラスのモデルとしては非常に大規模だ。筐体の作りは非常にシッカリしていて、17.6kgもの質量があるにもかかわらず、手で持った時のバランスが非常に良い。コンストラクションは非常に凝っている。入力部、コントロール部、音量調整回路、USB-DAC、増幅回路、電源回路がセパレートされた6ブロック構成になっており、それぞれが他の回路に干渉しないような工夫が凝らされている。

ディスク再生に特化したSACDプレーヤー「DCD-1600NE」

一方、DCD-1600NEはディスク再生に特化されたCD/SACDプレーヤーだ。筐体のサイズはPMA-1600NEと同等だが、質量は8.2kgでさほど重くはない。ディスク・ドライブ・メカニズムは自社製のオリジナルで、トレイには昨今流行りのザイロン素材が用いられている。メカニズムを低重心化して不要共振を排除することで、サーボが最小限に抑制されている。

DCD-1600NE

また、リブ入りのフットを採用したり、重量のあるパーツをシャーシの下部に取り付けたりするなど、トータル的なメカニカル・グラウンド・コンストラクション思想で設計されているので、内外部で生じる共振が回路やメカニズムに置く影響を及ぼす心配がない。

背面端子部

D/A変換回路には、デノンのデータ補間アナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」が搭載された。この種のデータ補完技術は10年前くらいからコンシュマー機に採用されるようになっていたが、当時はまさかこのクラスの製品に投入されるとは思ってもみなかった。パーツも非常に凝っていて、アナログ回路の電源部には新開発の大容量(3300μF)コンデンサーが奢られている。ちなみにこのパーツは最上級機のDCD-SX1に採用されたものをベースにしているそうだ。

次ページ相反するオーディオ的な精密感と音楽のエロティシズムを同時に再現

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