ガジェット 公開日 2023/02/10 14:26

iPhone 14、13 Proと同じチップ採用も「よりパワフル」とアップル主張

サーマルスロットリングが起きにくくなったため
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
iPhone 14標準モデルはiPhone 13 Proと同じA15 Bionicチップを採用しており、一部から「昨年と同じ仕様だ」と不満の声が上がっていた。しかし実は、iPhone 14はiPhone 13 Proよりもパワフルだと、iPhone設計の上級ディレクターは述べている。

ここ数年のiPhoneは、小型のminiから大型のPro Maxまで、すべてに最新のAシリーズチップを搭載してきた。標準モデルと高価なProモデルの差別化は、カメラ性能など付加価値により実現された。

その方針が変わったのが、昨年のiPhone 14シリーズでのことだ。ProモデルはA16 Bionicを採用した一方で、iPhone 14とiPhone 14 Plusは昨年と同じA15チップを搭載。この方針は、今後の「iPhone 15」シリーズ以降も続くと予想されている。

しかし、アップル社内で長年iPhoneのデザインを担当してきたリチャード・ディン氏が、iPhone 14/14 Plusは内部設計を見直したおかげで、同じチップを使っているにもかかわらず、昨年のProよりも「持続的なパフォーマンス」が向上している、と主張している。

この発言の主旨は、最新の標準モデルではサーマルスロットリング(過熱による事故を防ぐため、クロック周波数を落とす仕組み)が起きにくくなる、ということだ。

iPhone 14はiPhone 13と外見がそっくりだが、バックボーンとなるアルミニウムの構造体を備える。ディン氏は「この中央構造面は、表面全体でより多くの熱をより安定的に放散するのに役立つ」と説明している。ピークパフォーマンスこそ変わらないが、より長時間にわたり安定して高性能が発揮できる、ということだろう。

その他にも、ディン氏は「iPhone 13からiPhone 14に買い替えたくなる理由」的な改良点をいくつか挙げている。1つは撮影機能であり、「昨年のProモデルよりも大きなメインカメラ、大きなセンサー、より良い低照度性能、背面には全く新たな環境光センサー」を搭載しているとのことだ。

さらに興味深いのは、修理しやすくなったと強調している点だろう。iPhone 14は初の「4面スタックロジックボード」を導入したことで、全ての部品を小さなスペースに凝縮し、どちら側からも基板にアクセスできるという。

iPhone 13はiPhone 8以前のモデルと同じく、内部の部品にアクセスするために、ディスプレイを取り外す必要があった。iPhone 14では、代わりに背面ガラスを取り外すだけで済み、損傷のリスクが少なく、より簡単に修理できるようになったとのことだ。なお、アップルが修理しやすさに配慮し始めたのは、米国等で「修理する権利」運動が加速しているためだろう。背面ガラスを外しやすくなったことは、修理業者iFixitも高く評価していた。

iPhone 14が内部的にはiPhone 13 Proよりも改善されたのは、確かな事実のようだ。だが、そもそも内部構造は分解してみなければ分からず、修理しやすさも壊れるまでは無縁の話でもある。なにより、「改良された箇所を説明する必要がある」こと自体が、iPhone 14の標準モデルがProモデルよりも伸び悩んでいる理由かもしれない。

Source: The Sydney Morning Herald
via: 9to5Mac

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX