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パナソニック「ビエラ」はなぜSQD Mini LEDを選んだ? 新フラグシップ「X97C」の実力を体験
パナソニックから、新世代ディスプレイ技術「SQD Mini LED」を採用した4K液晶テレビの新たなフラグシップモデル「ビエラ X97Cシリーズ」が11月中旬に発売される。
同社はX97Cシリーズの最大サイズとなる98V型を含む実機の体験会を開催。同社はなぜ「SQD」を選択したのか。その模様をレポートする。
ビエラが「SQD Mini LED」を選んだ理由
テレビ事業部 マーケティング部の金澤貞善氏は、「エンターテインメントの力で、人々に『新しい出会い』と『本物の感動』をお届けしたい。リビングの一等地で、スマートフォンやタブレットでは味わえない、心に響く感動体験を追求していく」とビエラの哲学を語る。

金澤氏は続けて、「当社を振り返ってみると、2つの要素で改善が必要だと考えている。1つ目は画面サイズ。米国や中国を中心にグローバルで超大画面の需要が伸長しており、国内でもサイズアップでの買い替えが増加傾向にある。テレビ事業の反転攻勢を実現するためにも、超大画面テレビ市場への参入は避けては通れないと考えている」とコメント。
そして2つ目の課題が『色域』だと指摘。「4K時代のテレビにおいて、解像度やコントラストは大きく向上してきたが、BT.2020が規定する広い色域を従来のテレビでは十分に表現しきれていないという課題があった」とし、「本物の感動体験を実現するためには、色域のさらなる拡張が重要だと考えている」と、新モデル投入の背景を説明した。


この色域の課題をクリアするためにパナソニックがたどり着いたのが、「SQD Mini LED」だった。
X97Cシリーズに搭載された「Real Color Panel」は、青色バックライトの光を高純度な赤と緑に変換する「スーパー量子ドットシート」と、その発光特性に合わせて各色の分離性能を高め、純度の高いRGBを取り出す「広色域カラーフィルター」というコア技術で構成されている。これにより、従来比約125%の広色域化を実現し、BT.2020面積比約100%という驚異的な色表現力を獲得したという。




さらに、パネルのポテンシャルを引き出すバックライト制御技術も進化させている。製品担当の高橋泰浩氏によれば、バックライトの分割数を従来の約2倍に細密化した「Wエリア制御 Ultra」と、超低輝度まで緻密に制御する「ミニマムルミナンスコントロール」により、ハロー(光漏れ)を抑えつつ深く美しい黒を再現するとのこと。


また、SQD専用の3次元カラーマネジメント回路「ヘキサクロマドライブ Ultra」により、明るいシーンから暗いシーンまで広大な領域の色を最適化しているのも大きな強みだという。この、バックライト制御技術と信号処理技術の組み合わせによって、他社製SQD Mini LEDテレビとの差別化を図っている。


なお、近年のテレビ高画質化技術としてはSQD Mini LEDに加えてRGB Mini LEDも大きなトレンドだが「パナソニックが長年追求してきた画作りの考え方に現時点で最適な方式はSQD Mini LEDだと判断した」とのこと。
「青の深さ」と「赤の鮮やかさ」
マーケティング担当の沖津大輔氏は「コンテンツを忠実に映し出すデバイスとしてSQDが最適だと考えており、今回採用した。どんな映像でも正確に意図した色を表現できる」と説明。
前述の金澤氏も「一般のユーザーの方々が視聴するコンテンツでは、ひとつのシーンに様々な色が混在する。製品の特長が分かりやすいよう厳選したデモコンテンツだけでなく、テレビはどんなシーンでも均質性を持って映像をコントロールしないといけない。SQD Mini LEDは均質的に色域を表現できる技術だ」と言葉を添えた。
様々な映像を用いてのデモンストレーションでは「特に差がつきやすい青の領域」だと紹介。広色域カラーフィルターによって、青に深さが出ている点をアピールした。

実際にSQD Mini LEDではないテレビと見比べてみると、非SQDモデルでは白と他の色が“混ざってしまう”ような印象や、赤が朱色っぽく転ぶ傾向があったのに対し、X97Cは青からシアン、マゼンタに至るまで各色の強さがはっきりと際立ち、画面の細部まで色味が表現されていた。
また、SQD Mini LEDテレビはパナソニック以外のメーカーからも展開されているが、沖津氏はデモを通して「発色の鮮やかさに当社のSQDモデルの特長がよく出ているのがおわかりいただけるのではないか」と解説。
また、夜の道で街灯が光っている映像でのデモでは「奥の闇はしっかり締めつつ自然なライトを当てるなど、緻密なバックライトエリア制御によって、コンテンツが表現したい色をそのまま表すことができている」とアピールした。
観たいコンテンツに出会える生成AI「Alexa+」対応
画質だけでなく、操作性も大きく進化。ビエラはFire TVを搭載しており、放送とネット動画をシームレスに楽しめるUIである点も特徴だが、Amazonが先日新たに発表した生成AIパーソナルアシスタント「Alexa+」にも対応する。

マーケティング担当の横山氏は「今までのAlexaは、観たいコンテンツが決まっているお客様が操作を助けるために使うものだった。これからは観たいものが決まっていなくても、会話を通して寄り添って、一緒に観たいコンテンツを探してくれるアシスタントへと進化している」と使い勝手が大幅に向上すると説明。
従来のように作品名を指定するだけでなく、例えば、「小学校2年生の子供にぴったりの映画を教えて」といった問いかけからでも、最適な作品を提案してくれるという。なお、「Alexa+」に関しては、対象のユーザーへAmazonから順次案内が届くとのこと。
また、上向きのイネーブルドスピーカーを備えた「360立体音響サウンドシステム」も搭載しており、大画面に相応しい立体的な音響体験も追求されている。
98V型で約18年ぶりの超大画面展開
今回、ラインナップの最大サイズとして登場した98V型。パナソニックの家庭用テレビとしては、2008年発売の103型プラズマテレビ以来、実に約18年ぶりの90型オーバーの大画面モデルとなる。実際に目の前にすると、スクリーンとしても申し分無いサイズで、SQDならではの鮮やかで深みのある色彩は、まさに圧巻だった。
なお、価格はオープンだが、各モデルの市場想定価格は下記の通り。
【X97Cシリーズ】
・98V型「TV-98X97C」930,600円(税込)
・85V型「TV-85X97C」653,400円(税込)
・75V型「TV-75X97C」514,800円(税込)
・65V型「TV-65X97C」415,800円(税込)
最後に現在の販売動向と大画面戦略について問われると、金澤氏は「現在一番売れているのは55型で、ここを軸に構えている。65型はその半分程度だが、徐々に増えてはいる」と現状を分析。
その上で、「テレビ売り場に行ったときに、(他社製の大画面テレビが存在感を示す一方で)パナソニックの商品が全然なかった。今回、やっとそのきっかけが作れた。これ以上の規模感のものは難しいが、今回の規模感のものは継続していくようにしたい」と、超大画面市場の開拓に向けた率直な思いを語ってくれた。
また、他社製品と比較して「ビエラが勝っているところはどこか?」という直球の質問に対しては、「色を管理するシステムと、バックライトの独自性」と解答。
今回搭載された「スーパー量子ドット」と一般的な量子ドットの違いについても、「赤と緑の量子のサイズを変えている。同じ色の粒子の粒を変えている」と構造的な進化を明かしつつ、「バックライトと信号処理を組み合わせたときの総合的な差」が画質に直結していると解説した。

そして改めてどんな環境・コンテンツでもクリエイターの意図を届けるという、ビエラの哲学が強調された。

























