公開日 2015/05/28 18:20

4K放送の魅力と課題、今後の具体的施策とは? スカパー!社長らが会見

スカパー!「4Kメディアセッション」
編集部:小野佳希
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■4Kに「視聴者は必ずついてくる」

社長の高田氏は、東芝REGZAやソニーBRAVIAなどスカパー!4K対応チューナー内蔵テレビが登場しつつあることなどに触れながら、「ハードもソフトも揃ってきて、いよいよ4K時代の到来かということを実感いただけるのではないか」とコメント。「放送業界には、カラー化、ハイビジョン化、デジタル化などいろいろな革新があった。放送業界に40年くらい携わっているが、ビジュアル面がキレイだということについて、視聴者は必ずついてくると経験上学んでいる」と述べ、4Kの高画質、高精細が必ず受け入れられるものであるとする。

スカパー 高田社長

そして放送の高度化の方向性について、「新たな技術、特に圧縮技術に対応してより良いサービスに格上げしていくことを睨んだロードマップが必要だろう」とコメント。

特に、今後は現在利用されている右旋円偏波ではなく、左旋円偏波の活用を検討していく点について、「ゼロからの構築になるが、これを難しいからと放っておいてはいけない。アンテナの普及などは時間がかかる。受信環境面でもロードマップでしっかり描いて、ちゃんと環境を整えていくことが大切だ。オールジャパンで取り組んでいく必要があるだろう」とした。

なお、左旋円偏波利用の受信環境を整備するスパンについては、「できるだけ早くとは思うが、10年スパンでは難しいだろう。ロードマップ策定の際には2030年を超えたくらいのレンジで方向性を出して頂ければと思う。BSの左旋が上がるのが2018年くらいと聞いているので、そこからゼロスタートだ」と述べた。

また、「4Kや8Kは、衛星やIPで語られることが多いが、日本でのコンテンツは地上波が強い。地上波での4K8K化が進むために、『投資をしていけば必ず報われる』というインセンティブを見える形にして、投資意欲を増していかなければ放送の高度化は進まないのではないか」と語った。

そのほか、会見にはスカパー!4K対応テレビの新モデルを先ごろ発表した(関連ニュース)ソニーから、ソニーマーケティング ホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部 ディスプレイMK課 統括課長の白拍子誠一氏も出席。同社製品がスカパー!4Kの魅力をしっかり表現できるものであるとアピールした。

ソニーマーケティング 白拍子(しらびょうし)氏

今夏のアップデートでUSB-HDDへの4K録画にも対応予定

また、46型以上の大型テレビ購入者について、2014年は4人に1人が4K対応モデルを選択していたが、この構成比が2015年には2人に1人に伸びると予測していることを紹介。2014年度には国内の4Kテレビ市場で台数・金額ともにソニーがナンバーワンシェアを獲得したことにも触れながら、「4Kテレビのリーディングメーカーとして今後も業界を引っ張っていきたい。放送事業者さんたちとも一緒に、素晴らしいコンテンツの臨場感や感動を、4Kブラビアでしっかりとお客様にお伝えしていきたい」と述べた。

画質・音質の両面で好評であると紹介

国内のテレビ市場動向。地デジ移行後に落ち込んだが2020年に向けて再び増加傾向に向かうと予測

また、スカパーは局内の放送設備もメディアに公開。4K番組制作に使用している「プレイアウトマスタールーム」などの様子を披露した。その模様を以下にレポートする。

制作された番組を、編成にしたがって送出する「プレイアウトマスター」作業のための部屋

4Kで番組送出するための各種機器


制作された番組はHDDに収録されて持ち込まれる

送出サーバーはソニーの「PWS-4400」。ライブ番組を収録してライブ終了数時間後に送出する時差送出なども行う


第1スタジオ。ここにはまだ4K対応機材などは導入されていないとのこと

サブ調整室。見学時は2K番組の制作が行われていた

前へ 1 2 3

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX