公開日 2018/02/25 12:00

「春のオーディオ新製品試聴会」、松本キッセイ文化ホールにて開催中 ― 参考出品アイテムなどその見どころは?

音楽の街、松本で開催中の注目イベント、25日(日)まで
AUDIO Division:浅田陽介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
長野県松本市にて、実に40年以上にわたって良い音の楽しみを提案し続けているロイヤルオーディオ。いまや全国でも有数の老舗であり、オーディオ専門店における名店として知られる同店の主催により、本日2月25日(日)まで松本キッセイ文化ホールにて「春のオーディオ新製品試聴会」と銘打ったイベントが開催中だ。

オープン直後から熱心なオーディオファンで賑わう会場の様子

会場となる松本キッセイ文化ホール。松本駅からバスで20分程度で到着する

本イベントの注目は、そのイベント名の通り全9社のメーカー/代理店が取り扱う最新製品のサウンドが体験できるという点。出展企業はアキュフェーズ、CSポート、D&Mホールディングス、ハーマンインターナショナル、ラックスマン、ナスペック、ノア、TAD、トライオードとなる。

試聴会場は、松本キッセイ文化ホールの3階にある国際会議室。ひとつの部屋に出展企業の取り扱い製品が全7システム並べられ、各システム30分〜40分ずつ順番に試聴することが可能だ。会場自体のS/Nは良く、さらには天井が高いことなどから試聴環境は良好だ。そもそも、現在のオーディオシーンの有力ブランドの製品を、一日かけてじっくりと聴けることも、ここ信州では非常に貴重な機会であるといっていい。展示製品のなかには発表間もない製品やプロトタイプの展示も用意されるなど、その見どころも多い。

気になる製品は別室でじっくり試聴することも可能だ

受付ではロイヤルオーディオの丸山明氏が審査委員を務める「オーディオ銘機賞」の受賞一覧も配布されている

各社の展示製品については、本記事末尾をご覧いただくとして、そもそもこのイベントにはロイヤルオーディオのある想いと試みが反映されている。

40年以上に渡り地元、松本市に根ざし良質なオーディオを提案してきたロイヤルオーディオの社長、丸山明氏

受付を務めるのはロイヤルオーディオの部長、丸山浩明氏。その明るい性格と確かな目線の提案で、顧客からの信頼も厚い

松本市は、音楽を始めとした文化の面で非常に洗練された都市として知られている。特にオーディオファンにとっては世界的指揮者、小澤征爾率いるサイトウ・キネン・オーケストラが演奏するセイジ・オザワ 松本フェスティバル(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)が馴染み深いかもしれないが、その会場のひとつが他ならぬ、松本キッセイ文化ホールだ。

ロイヤルオーディオの丸山明社長は、「“音楽” は、“音の楽園” と書きます。そんな素晴らしい体験を皆様に体験して欲しい。そのためには、やはりオーディオには欠かすことができない “音楽” に根ざしたオーディオの試聴イベントを行いたかった」と話す。開催初日の2月24日にはエントランスでオルガン・コンサートが別途行われていたことからも分かるとおり、松本キッセイ文化ホールは日常から音楽や演劇などの文化を発信する場所でもある。本試聴会そのものには特にゲスト等を交えているわけではないが、文化指数の高い松本市発信の試みのひとつに『再生芸術としての音楽』を組み込むという意味でも注目すべき試聴イベントと言っていい。

なお、本試聴会で聴ける製品は下記のとおり。本日2月25日(日)までの開催となるが、お近くの方はぜひ足を運んでみて欲しい。

■各社の展示内容

【アキュフェーズ】
アキュフェーズのエレクトロニクスのトップエンドラインを中心にデモンストレーション。英モニターオーディオのフラッグシップスピーカー「PL500II」を用いて、そのサウンドを存分に体感できる。

アキュフェーズのブースでは、トップエンドモデルを中心としたデモンストレーションを展開

アキュフェーズのトップエンドに位置するシステムでドライブされるのは、モニターオーディオのPL500II

展示システム:
SACD/CDトランスポート/ACCUPHASE「DP-950」、DAコンバーター/ACCUPHASE「DC-950」、プリアンプ/ACCUPHASE「C-3850」、パワーアンプ/ACCUPHASE「P-7300」、クリーン電源/ACCUPHASE「PS-1230」、フォノイコライザー/ACCUPHASE「C-37」、デジタルボイジングイコライザー/ACCUPHASE「DG-58」、プリメインアンプ/「E-650」、デジタルプレーヤー「DP-560」
※スピーカーシステムはMONITR AUDIO「PL500II」を使用

【ナスペック】
昨今急速に注目を集めるイギリスの電源関連機器ブランド、ISOTEKのトップエンド「EVO3 GENESIS」と上位モデル「EVO3 SUPER TITAN」が登場。プレイバックデザインズの「MPS-5 LIMITED」やモニターオーディオの「PL300II」を用いてデモンストレーションを行っている。

ナスペックのブースではモニターオーディオPL300IIを据えたシステムを展開

注目のISOTEKのクリーン電源も登場。写真はEVO3 SUPER TITAN

展示システム:
デジタルプレーヤー/PLAYBACK DESIGNS「MPS-5 LIMITED」、クリーン電源/ISOTEK「EVO3 GENESIS」、クリーン電源/ISOTEK「EVO3 SUPER TITAN」、スピーカーシステム/MONITOR AUDIO「PL300II」

【ハーマンインターナショナル】
マークレビンソン初のアナログプレーヤー「No515」を用いた、アナログ・レコード中心のデモンストレーションを展開。昨年末に発表され、期待が高まるレベルオーディオの最新スピーカーPerforma BEシリーズの「F228Be」も参考出品され、そのサウンドをいち早く体験できる。

ハーマンインターナショナルは、マークレビンソンのアナログプレーヤー「No515」とJBLのスピーカー「4367WX」を用いたデモンストレーションを展開

昨年末に発表され発売が期待されるレベルオーディオのPerforma Beシリーズの「F228Be」も参考出品として鳴らされる

展示システム:
アナログプレーヤー/MARK LEVINSON「No515」、プリアンプ/MARK LEVINSON「No523」、パワーアンプ/MARK LEVINSON「No536」、スピーカーシステム/JBL「4367WX」、スピーカーシステム/REVEL AUDIO「Performa BE F228BBe」※参考出品

【ラックスマン】
真空管を用いた注目システム「CL-38u」「MQ-88u」、そしてワンボディセパレートのコンセプトのもとトップエンドのプリメインアンプとして発売され注目を集める「L-509X」など、最新ラインアップとフラッグシップラインを中心としたシステムを展開。フォーカルのスピーカーを用いたデモンストレーションが行われる。12月に発売されたばかりのフォーカルのヘッドフォン「Clear」も体験できる。

ラックスマンのブースでは、最新モデル「CL-38u」「MQ-88u」「L-509X」が登場。フォーカルのスピーカーのサウンドも注目

発売されたばかりのフォーカルのヘッドフォン「Clear」も「P-700u」を用いたバランス駆動で使用できる

展示システム:
プリメインアンプ/LUXMAN「L-509X」、プリアンプ/LUXMAN「CL-38u」、パワーアンプ/LUXMAN「MQ-88uC」、アナログプレーヤー/LUXMAN「PD-171A」、デジタルプレーヤー/LUXMAN「D-380」、デジタルプレーヤー/LUXMAN「D-08u」、プリアンプ/LUXMAN「C-900u」、パワーアンプ/LUXMAN「M-900u」、クリーン電源/LUXMAN「ES-1200」スピーカーシステム/Focal「Scala Utopia EVO」、スピーカーシステム/Focal「Sopra No.2」、デジタルプレーヤー/LUXMAN「D-05u」、ヘッドフォンアンプ/LUXMAN「P-750u」、ヘッドフォン/Focal「Clear」、ヘッドフォン/Focal「Utopia」、ヘッドフォン「Focal Elear」

【トライオード】
スペンドールの最新モデル「Classic 100」をメインスピーカーに据え、トライオードのトップモデルを中心にシステムを展開。同社が取り扱うカクテルオーディオの最新ミュージックサーバー「X50D」ではその使い方までていねいに解説されることも見どころのひとつ。

トライオードでは、スペンドールの最新スピーカー「Classic 100」を真空管アンプでドライブする。同社が取り扱うカクテルオーディオのミュージックサーバーの詳細な解説も見どころだ

サブシステムとしてスペンドール「Classic 3/1」とカクテルオーディオ「X35」によるシステムも展開

展示システム:
ミュージックサーバー/COCKTAIL AUDIO「X50D」、フォノイコライザー/TRIODE「TRX-EQ5」、プリアンプ/TRIODE「TRX-3」、パワーアンプ/TRIODE「TRX-M845」、プリメインアンプ/TRIODE「Luminous 84」、プリメインアンプ/TRIODE「TRV-A300XR」、スピーカーシステム/SPENDOR「Classic 100」、スピーカーシステム/TRIODE「Clasic 3/1」、USB DAC/B.M.C.「PureDAC2」、ミュージックサーバー/COCKTAIL AUDIO「X35」、デジタルプレーヤー/TRIODE「Ruby CD」、プリメインアンプ兼ヘッドフォンアンプ/TRIODE「Ruby」、ヘッドフォン/CROSSZONE「CZ-1」

【ディーアンドエムホールディングス】
マランツ、デノンの最新製品とフラッグシップラインと、B&Wの注目シリーズである700シリーズを用いたデモンストレーションを展開。700シリーズはブックシェルフからフロア型まで用意されるなど、豊富なシステムプランを提案する。

イベント開始直後に行われたディーアンドエムホールディングスのデモンストレーションは多くの来場者の関心を集めた

デノン、マランツ共に最新モデルとトップエンドモデルを用いたシステムが用意される

展示システム:
デジタルプレーヤー/MARANTZ「ND8006」、プリメインアンプ/MARANTZ「PM8006」、デジタルプレーヤー/MARANTZ「SA-10」、プリメインアンプ/MARANTZ「PM-10」、プリメインアンプ/DENON「PMA-2500NE」、プリメインアンプ/DENON「PMA-SX1」、SACD/CDプレーヤー/DENON「DCD-2500NE」、SACD/CDプレーヤー/DENON「DCD-SX1」、スピーカーシステム/B&W「702 S2」、スピーカーシステム/B&W「703 S2」、スピーカーシステム/B&W「704 S2」、スピーカーシステム/B&W「705 S2」、スピーカーシステム/B&W「707 S2」

【テクニカルオーディオデバイセズラボラトリーズ(TAD)】
最新スピーカーである「TAD-ME1」を始めとした製品郡を揃え、CDなどのディスクメディアからMacBook Proを用いたハイレゾ再生のデモンストレーションを展開。TADのフルシステムでのサウンドが体験できる。

TADとCS PORTはスピーカーを共通化させたシステムを用意。ジャパニーズブランドによる最先端のハイエンドサウンドを体感できる

TADは送り出しにSACD/CDプレーヤー「TAD-D600」とUSB DACとしても機能する「TAD-D1000MK2」を用意

展示システム:
SACD/CDプレーヤー兼USB DAC/TAD「TAD-D1000MK2」、SACD/CDプレーヤー/TAD「TAD-D600」、プリアンプ/TAD「TAD-C600」、パワーアンプ/TAD「TAD-M2500MK2」、スピーカーシステム/TAD「TAD-CE1」、スピーカーシステム/TAD「TAD-ME1」

【CSポート】
エアーフローティングを採用した弩級アナログプレーヤー「LET1」とモノラルパワーアンプ「212PA」を用いて、TADのスピーカーをドライブする贅沢なシステムを構築。バッテリー駆動を採用した「CS3EQ」のサウンドも聴きどころ。

CSポートのブースでは注目の弩級アナログプレーヤー「LET1」を用いたアナログ再生を展開

展示システム:
アナログプレーヤー/CS PORT「LET1」、フォノイコライザー/CS PORT「C3EQ」、パワーアンプ/CS PORT「212PA」
※スピーカーシステムはTADのシステムを使用

【ノア】
ブルメスターの中核ラインアップを用いて、話題を集めたKLAUDiOのリニアトラッキングアーム「ARM-MP12」やソナス・ファベールの最新スピーカー「AMATI TRADITION」のサウンドをデモンストレーション。近日正式発表が予定されているmoloのルームチューニングアイテムも参考出品されている点も見逃せない。

注目のトーンアーム「ARM-MP12」をマウントした「Firebard」やブルメスターの中核機を用意

「VENERE S」や「AMATI TRADITION」といったソナス・ファベールの最新スピーカーを用いたデモンストレーションが行われる。また参考出品となるmoloのルームチューニングアイテムも注目だ

展示システム:
アナログターンテーブル/DR.FEICKERT ANALOGUE「Firebird」、トーンアーム/KLAUDiO「ARM-MP12」、デジタルプレーヤー/BURMESTER「102」、プリアンプ/BURMESTER「035」、パワーアンプ/BURMESTER「036」、パワーコンディショナー/BURMESTER「948」、スピーカーシステム/SONUS FABER「VENERE SIGNATURE」、スピーカーシステム/SONUS FABER「AMATI TRADITION」
※この他、moloのルームチューニングアクセサリーを参考出品

ロイヤルオーディオ主催「春のオーディオ新製品試聴会」開催概要
●開催日:2018年2月24日(土)、25日(日)
●開催時間:24日 14時〜19時、25日 10時〜16時
●会場:キッセイ文化ホール(長野県松本市 水汲69-2)
●入場無料
●主催:(株)ロイヤルオーディオ

※2月25日(日)の試聴スケジュール
11:00〜11:40 アキュフェーズ/モニターオーディオ
11:50〜12:30 TAD/CSポート
12:40〜13:10 トライオード/スペンドール
14:00〜14:30 ソナス・ファベール/ブルメスター
14:40〜15:10 マランツ/デノン/B&W/ダリ
15:20〜15:50 ラックスマン/フォーカル

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX