アナログカートリッジ・データファイル(Van den Hul編「VDH-BB-SPX」)

今回のアナログカートリッジ・データファイルは、Van den Hul(ヴァン・デン・ハル)の第3回目、「VDH-BB-SPX」をお届けする。

Van den Hulの「VDH-BB-SPX」は、
コイルに金線を採用する、カスタムハンドルビルド・フォノカートリッジのトップモデル。弾性率・減衰性に優れ、粘り強くて耐久性にも優れた素材、ボロン材によるショートカンチレバーを採用。ボディは黒色ポリカーボネイトを用いたメタルフリーモデルとなっている。通常の金属と比べて、結晶体を大きく相互に密に接触させたMC（Matched Crystal）ゴールドコイル線材を用いて、優れた導電性を実現。

VDH-BB-SPXは、出力電圧により2種類のバリエーションを用意しており、また、ヘッドシェル・マウントネジ用の穴が2個または4個の2タイプがあるため、注文時に指定をする。

●「Van・Den・Hul（ヴァン・デン・ハル）」ブランドについて
オランダの老舗ケーブルメーカーとして知られる「Van・Den・Hul（ヴァン・デン・ハル）」は、アナログカートリッジの設計者としてもその名を知られている、ヴァン・デン・ハル氏が創設したブランド。同ブランドのケーブルは、世界のレコーディングスタジオやスピーカー内部配線材などに採用され、名門スピーカーのタンノイの高級モデルの内部配線にも採用されていることは有名。

アナログカートリッジとしては、MC型の4モデルが現在取り扱われているが、上位2モデルのVDH-COLIBRIとVDH-BB-SPXには、出力電圧や巻き線素材、ボディ素材のバリエーションモデルも取り揃えられている。いずれのモデルもボディを軽量化を実現するとともに、優れたトレーシング能力を発揮する設計がなされている。コイルの巻き線には、同社のケーブルと同様にMC(Matched Crystal)素材が用いられ、通常の金属と比べて結晶体が大きく相互に密に接触しているため、結晶体境界面で発生する伝送ロスが極めて少なく抑えられている。
(季刊･analog編集部)

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