tofubeatsさんと水原佑果さんがフィジカルメディアの魅力を語る

km5、薄型ワイヤレススピーカー「Sp1」とBluetoothミキサー「Mp1」を発表。CDをもっと自由に楽しむ新提案

公開日 2026/10/22 06:45 筑井真奈
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コンパクトなCDプレーヤーなどを展開する日本のオーディオブランド、km5(ケーエムファイブ)は、渋谷の音楽バー「STEREO」にて新製品発表会を開催。ワイヤレススピーカー「Sp1」と、ステレオミキサー「Mp1」の2製品を披露した。

CDプレーヤー「Cp1」をさらに楽しむためのアイテムとして、ワイヤレススピーカー「Sp1」と、ステレオミキサー「Mp1」が発表された

発表会では音楽プロデューサー/DJのtofubeatsさんと、モデル/DJの水原佑果さんを迎えたトークショウも開催され、新製品の活用方法や、フィジカルメディアならではの楽しさを語り合った。

「日本の新しいオーディオブランドを作りたい」

発表会の冒頭、km5の代表を務める船山達史氏が挨拶。かつてパイオニアでプロダクトデザインを手掛けていた船山氏は、日本メーカーがオーディオ製品を作らなくなっていく状況に危機感を抱き、「もう一度、日本の新しいオーディオブランドを作りたい」という思いから、2021年にkm5を立ち上げたと振り返る。

km5の代表を務める船山達史氏

km5は昨年5周年を迎え、今年はドリームズ・カム・トゥルーやサカナクション、花譜といったアーティストや、小島秀夫監督によるゲーム「DEATH STRANDING 2」など、コラボレーションの幅を広げてきた。

さまざまなアーティストとコラボレーションをしてきた

今回発表したSp1とMp1について船山氏は、「Cp1をもっと楽しく使ってもらうにはどうしたらいいか」という発想から生まれた製品だと説明する。かつてのコンポーネントオーディオは、CDプレーヤー、アンプ、スピーカーを組み合わせるスタイルが一般的だった。km5が今の時代において提案するのは、それぞれの機器をBluetoothで接続し、自由な配置で楽しめる新しいコンポーネントオーディオである。

Sp1とMp1のサイズはCp1と共通で、CDジャケットよりも一回り大きいサイズ。デザインの一体感を持たせながら、音楽を聴く場所や使い方の自由度を高めることを狙っているという。いずれもホワイトとブラックの2色展開となる。

「Sp1」は薄型Bluetoothスピーカーで、Cp1と同様に壁掛けにも対応、室内のインテリアに自然に溶け込むシンプルなデザインが特徴となる。搭載ユニットは45mm口径のフルレンジを2基とパッシブラジエーターを2基搭載する。Bluetooth再生に加え、FMラジオとMicro SDカードからの再生に対応。対応ファイル形式はmp3/FLAC/WMA/WAV/AAC/APE。

「Cp1」はアンテナを伸ばすことでFMラジオとしても活用できる

5000mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており。連続再生時間は約12時間。また、Sp1を2台用意することで、ステレオ再生も可能となる。

Cp1のトップ。ボリューム調整や曲送りができるボタンを装備する

DJ感覚でCDを楽しめる「Mp1」

もうひとつの新製品「Mp1」は、Bluetoothによる2系統の入力と1系統の出力を備えたステレオミキサーとなる。こちらもCp1と同じサイズに仕上げられており、2台のCp1と組み合わせれば、気軽にDJのような楽しみ方ができる。

「Mp1」のブラック仕様

一般的なDJ機器では有線接続が基本となるが、Mp1はBluetoothによるワイヤレス伝送でミックスできることが特徴。2台のCp1からBluetoothで音声をMp1へ送り、ミキシングした音声をSp1へワイヤレス伝送するなど、送り出しから再生まですべてワイヤレスで完結することができる。

Mp1はCp1専用ではなく、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのBluetooth機器とも接続できる。そのため、CDとストリーミング音源を組み合わせたり、異なるデバイスの音声をミックスしたりと、幅広い使い方が考えられる。

Bluetooth入力のほかLINE入力も搭載

DJらしい機能としては、音色を変化させる「フィルター」と、楽曲の一部分を繰り返し再生する「ループ」の2種類の機能を搭載する。Cp1では、CDの音飛びを防ぐため、音楽データを先読みしてメモリーに蓄える仕組みが搭載されている。その技術を応用することでループ再生を実現したという。

tofubeatsさんと水原佑果さんがCDの楽しさを語る

発表会後半には、音楽プロデューサー/DJのtofubeatsさんと、モデルとして国内外で活躍しながらDJ活動も行う水原佑果さんが登壇。思い入れのあるCDを持参し、フィジカルメディアならではの魅力について紹介した。

tofubeatsさんが最初に取り上げたのは、ヒップホップユニットBUDDHA BRANDのベストアルバム。中学1年生の頃、友人の兄から聴かせてもらったことが、自ら音楽制作を始めるきっかけになったという。

ゲオでレンタル限定で展開されていたというベストアルバム「TOFU BEST」

そのほか、現在では入手が難しくなったシングルの「短冊CD」や、自身がかつてレンタル限定でリリースした作品なども披露。CDのパッケージを手に取りながら、当時の記憶が蘇る面白さを語った。

水原さんも、自身がレコードショップで発掘した1990年代の作品などを紹介。テイトウワなどさまざまな音楽との出会いが、現在のDJ活動や自身の楽曲制作にもつながっていることを明かした。 

水原佑果さんの思い入れがあるアルバム、坂本龍一と矢野顕子のセレクトによるコンピレーションアルバム『DEMO TAPE 1』。テイトウワのサンプリング音源が元になっている

続いて行われた実演では、Cp1、Mp1、Sp1を組み合わせたシステムを使用。CDの音楽をワイヤレスで再生しながら、Mp1のフィルターやループ機能を実際に操作した。水原さんはフィルターの操作感について、DJブースでも使用できそうなほどしっかりした効果が得られると評価。コンパクトな機材で気軽に音楽を加工できる点に賞賛を送った。

フィルターやループ機能を実演する水原さん

tofubeatsさんも、Mp1の使い方はDJプレイだけにとどまらないと指摘する。CDプレーヤーとパソコンなど、2台のBluetooth機器をまとめてスピーカーへ接続できる点が便利で、異なる機器の音量バランスを調整する用途にも活用できると語った。

また自宅でCDを聴く際に、CDの保管場所とスピーカーの設置場所が離れていることがあると説明。Cp1であればプレーヤーだけを持ってCDを入れ替え、スピーカーとは離れた場所から再生できるといった、従来のオーディオにはない利便性にも着目する。

記憶と繋がるフィジカルメディアの魅力

トークショーの後半では、CDやレコードといったフィジカルメディアを所有する意味についても議論が交わされた。

tofubeatsさんは、現在もCDやレコードを購入し続けている理由として、「記憶とメディアが結びついている」ことを挙げた。音楽を聴いた当時の記憶や、購入した場所、その作品に出会った経緯などが、CDやレコードという物体とともに残り続ける。今回持参したCDについても、かつての自分が聴いていた音楽を、長い時間を経て再び手に取ることができる点に価値を感じているという。

また、ストリーミングで単曲を聴くことが一般的になった現在、アルバムを1枚通して聴く体験の重要性にも話が及んだ。船山氏は、Cp1にはシャッフル再生機能を搭載しておらず、アルバムを収録順に聴くことを基本としていると説明。tofubeatsさんも、アーティストはアルバムの曲順や構成に多くの時間をかけており、作品全体を通して聴くことには意味があると共感した。

トークショーでは今後の製品について、tofubeatsさんから機器を美しく並べられる専用スタンドや、車内でCDプレーヤーを使うためのアクセサリーなどのアイデアも飛び出した。水原からはカセットテープや映像メディアを活用した機器への期待も寄せられた。

船山氏は、かつてのオーディオ技術が失われつつある現状にも言及。設計者の減少や部品製造の終了などによって、古いメディアを再生する技術を維持することが難しくなっているとし、技術を継承することの重要性を訴えた。

CDプレーヤーを作り続けることの難しさを力説する船山さん

続けて、2027年に向けたラインナップの拡充についても言及。km5で広がる独自のコンポーネントオーディオの楽しみを展開していきたいと語ってくれた。

音楽配信が主流となるなか、CDというフィジカルメディアに改めて注目し、Bluetoothなどの現代的な技術を組み合わせるkm5。Sp1とMp1は、従来のオーディオシステムの枠にとらわれず、CDをより自由に、より身近に楽しむための新しい提案といえそうだ。

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