公開日 2010/11/11 10:20
Joseph Audioプレジデントが語る新フラグシップスピーカー「Pearl2」の進化
米Joseph Audioから、この11月に登場する新フラグシップスピーカー「Pearl2」。2ボックス分離型の3ウェイ・バスレフ型を採用したフロアスタンドスピーカーで、同社の特許技術であるネットワーク技術“インフィナイトスロープ・ネットワーク”により、メタルコーンを搭載しながら高周波のリンギングを完璧に除去し、透明感溢れるサウンドを実現するのが特徴だ。
このたび、Joseph Audio社のプレジデント・Jeff Joseph氏が音元出版に来社。同社のなりたちから、新フラグシップ「Pearl2」(ペア・税込399万円)の特徴までを伺った。
−−− Joseph Audioが誕生したきっかけは何だったのでしょうか?
Jeff Joseph氏(以下Joseph氏):私の叔父がスピーカー作りを趣味としていて、私は彼から譲り受けた3Wayスピーカーを使っていたんです。でも、使っているうちに胸の内にモヤモヤしたものが生まれて…「もうちょっと音が良くなるんじゃないか?いつか自分で、理想のスピーカーを作りたい」と思ったのです。
その時のスピーカーは、ワーフェデールのウーファーとユニバーサルのスコーカー、パイオニアのトゥイーターを搭載したものでした。どれも素晴らしいスピーカーユニットですよね。だからこそ、「スピーカーユニットが良ければ音が良くなるというわけではないのだな」と気付かされました。それが、私が“ネットワーク”に注目するきっかけとなったのです。
その後私はハイファイショップに勤めたのですが、その際、当時マッキントッシュのエンジニアだったリチャード・モダフェリー氏の自作スピーカーを聴く機会がありました。それは「インフィナイトスロープ・ネットワーク」を搭載しているものでした。素晴らしい、と感じました。他のスピーカーでは聞こえなかった音が聞こえる、と。それで、これを更に発展させたスピーカーを作ろうということで1991年に「Joseph Audio」という会社を立ち上げたのです。
−−−− なるほど。その“インフィナイトスロープ・ネットワーク”というのは今やJoseph Audio製品の大きな特徴となっていますが、どのようなものなのでしょうか?
Joseph氏:元々はチューナーのフィルターに採用していた技術を発展させたものです。良いスピーカーというのは、ウーファー/ミッドレンジ/トゥイーターそれぞれのスピーカーユニットがお互い干渉せず、遮断特性に優れていなければいけません。そこで“インフィナイトスロープ・ネットワーク”は、LCRを直列/並列と組み合わせて、120dB/oct にも及ぶスロープを実現しています。これにより、お互いのユニットへ送る信号を正確に分割し、濁りのない音を再生することができるのです。
この“インフィナイトスロープ・ネットワーク”はJoseph Audioのキモとも言えるもの。単に同じスピーカーユニットを使っただけでは、Joseph Audioと同じ音は出せないでしょうね。
−−−− Joseph Audioの目指す音というのはどんなものなのでしょう?
Joseph氏:やはり一番の理想は、ナチュラルでライブ感のある音。例えばマイルス・デイビスの音源をかけたときに、それがあたかも目の前で演奏されているように感じる音を再生できることでしょうかね。ニュートラルで、ソースに忠実に再生できることが大切だと考えています。
−−−− 今回、フラグシップスピーカー「Pearl」が進化し、「Pearl 2」として登場しました。ブラッシュアップされたポイントはどのあたりなのでしょうか?
Joseph氏:進化した一番大きなポイントは勿論「音」です。技術的には、キャビネット上部のカーブの角度を変えたり、ネットワークのクロスオーバーを見直したりしました。昨年リリースしたブックシェルフスピーカー「PULSAR」を作った際に気付いた点を活かし、特にミッドレンジ部分のクロスオーバーを調整しました。これによってトゥイーター、ミッド、ウーファーまでがまるで大きなフルレンジスピーカーのようにシームレスにつながった音再生ができるようになりました。
ユニットには、ノルウェーのブランド「SEAS(シアーズ)」のものを使っていますが、これはJoseph Audioのための特注品。ウーファーユニットは、マグネットの強さを2倍にしてもらっています。
−−−− セールス展開はいかがですか?
Joseph氏:「PULSAR」のおかげもあり、順調ですね。「Pearl」も、全世界で400台ほどご購入いただき、有り難く思っています。今後もJoseph Audioの製品を楽しみにしてくださいね。
このたび、Joseph Audio社のプレジデント・Jeff Joseph氏が音元出版に来社。同社のなりたちから、新フラグシップ「Pearl2」(ペア・税込399万円)の特徴までを伺った。
−−− Joseph Audioが誕生したきっかけは何だったのでしょうか?
Jeff Joseph氏(以下Joseph氏):私の叔父がスピーカー作りを趣味としていて、私は彼から譲り受けた3Wayスピーカーを使っていたんです。でも、使っているうちに胸の内にモヤモヤしたものが生まれて…「もうちょっと音が良くなるんじゃないか?いつか自分で、理想のスピーカーを作りたい」と思ったのです。
その時のスピーカーは、ワーフェデールのウーファーとユニバーサルのスコーカー、パイオニアのトゥイーターを搭載したものでした。どれも素晴らしいスピーカーユニットですよね。だからこそ、「スピーカーユニットが良ければ音が良くなるというわけではないのだな」と気付かされました。それが、私が“ネットワーク”に注目するきっかけとなったのです。
その後私はハイファイショップに勤めたのですが、その際、当時マッキントッシュのエンジニアだったリチャード・モダフェリー氏の自作スピーカーを聴く機会がありました。それは「インフィナイトスロープ・ネットワーク」を搭載しているものでした。素晴らしい、と感じました。他のスピーカーでは聞こえなかった音が聞こえる、と。それで、これを更に発展させたスピーカーを作ろうということで1991年に「Joseph Audio」という会社を立ち上げたのです。
−−−− なるほど。その“インフィナイトスロープ・ネットワーク”というのは今やJoseph Audio製品の大きな特徴となっていますが、どのようなものなのでしょうか?
Joseph氏:元々はチューナーのフィルターに採用していた技術を発展させたものです。良いスピーカーというのは、ウーファー/ミッドレンジ/トゥイーターそれぞれのスピーカーユニットがお互い干渉せず、遮断特性に優れていなければいけません。そこで“インフィナイトスロープ・ネットワーク”は、LCRを直列/並列と組み合わせて、120dB/oct にも及ぶスロープを実現しています。これにより、お互いのユニットへ送る信号を正確に分割し、濁りのない音を再生することができるのです。
この“インフィナイトスロープ・ネットワーク”はJoseph Audioのキモとも言えるもの。単に同じスピーカーユニットを使っただけでは、Joseph Audioと同じ音は出せないでしょうね。
−−−− Joseph Audioの目指す音というのはどんなものなのでしょう?
Joseph氏:やはり一番の理想は、ナチュラルでライブ感のある音。例えばマイルス・デイビスの音源をかけたときに、それがあたかも目の前で演奏されているように感じる音を再生できることでしょうかね。ニュートラルで、ソースに忠実に再生できることが大切だと考えています。
−−−− 今回、フラグシップスピーカー「Pearl」が進化し、「Pearl 2」として登場しました。ブラッシュアップされたポイントはどのあたりなのでしょうか?
Joseph氏:進化した一番大きなポイントは勿論「音」です。技術的には、キャビネット上部のカーブの角度を変えたり、ネットワークのクロスオーバーを見直したりしました。昨年リリースしたブックシェルフスピーカー「PULSAR」を作った際に気付いた点を活かし、特にミッドレンジ部分のクロスオーバーを調整しました。これによってトゥイーター、ミッド、ウーファーまでがまるで大きなフルレンジスピーカーのようにシームレスにつながった音再生ができるようになりました。
ユニットには、ノルウェーのブランド「SEAS(シアーズ)」のものを使っていますが、これはJoseph Audioのための特注品。ウーファーユニットは、マグネットの強さを2倍にしてもらっています。
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