公開日 2009/12/09 10:57
DYNAUDIOの伝統を継ぐモデル「Consequence Ultimate Edition」 − CEO・Ehrenholz氏に訊く開発秘話
25年振りにリファインを遂げて誕生
DYNAUDIOは今年、名機“Consequence”シリーズの約25年ぶりにリニューアルした最新モデル「Consequence Ultimate Edition」を発売した。1983年にオリジナルのConsequenceが誕生して以来、DYNAUDIOが創り上げてきた「Esotarテクノロジー」を始めとする数々のスピーカー技術の粋を集めたUltimate Editionには、DYNAUDIOの開発者達のどんな思いが込められているのだろうか。今回、本機の日本国内市場導入と期を同じくして来日したDynaudio International社CEOのWilfried Ehrenholz氏にインタビューする機会を得た。DYNAUDIOが追求してきた究極のサウンドが辿り着いた「Consequence(=結論)」に評論家の山之内正氏が迫る。
<インタビュー・山之内正氏>

Dynaudio International社CEO Wilfried Ehrenholz氏
DYNAUDIOのスピーカー開発の「原点」と、現状のベストが混在する「Consequence Ultimate Edition」
山之内氏(以下 敬称略):“Consequence”シリーズはDYNAUDIOのスピーカーの歴史において非常に重要な意味を持つモデルですが、今回は最新の「Ultimate Edition」へと進化して、多くのファンが関心を寄せているものと思います。私も先日、「Consequence Ultimate Edition」を聴かせていただき、大変感銘を受けました。まずは“Consequence”シリーズがこれまでに辿ってきた歴史を振り返ってみて、どのように感じていらっしゃいますか。
Ehrenholz氏(以下 Ehrenholz):“Consequence”シリーズは今から25年前にオリジナルのモデルを発表しました。当時はDYNAUDIOがオーディオ市場に参入してからまだ5年ほどで、新参者という立場にあって本機種を発売しました。当時とすればそのサイズ、価格においても他の製品とは全く異なるモデルと受けとめられました。以降はおかげさまで“Consequence”シリーズの販売は順調に推移し、今日までにトータルで2,500ピースを販売してきました。
山之内:この価格帯のモデルとしては、異例とも言える販売台数の多さですね。
Ehrenholz:そうですね。Consequenceについては特別なプロモーション活動を行ってきたわけではありませんが、にもかかわらずいくつかの市場から毎年コンスタントにご注文をいただけていることは、私たちにとっても予想外の反響でした。今から3年ほど前でしたが「Consequenceをディスコンにするのか、あるいは新技術を投入して継続するのか」という判断を求められた時期がありました。当時、最終的に私たちが決めた方向性は、本機のデザイン、コンセプト、シリーズ名は変えずに、内容はDYNAUDIOの最新技術を投入した新しいConsequenceをつくり「継続する」という戦略でした。
Ehrenholz:確かにその通りです。市場に出しても受け入れられないのではという怖さもありましたが、一方で周囲からはDYNAUDIOの伝統を継承するモデルへの根強い期待があったことも確かです。伝統に根付いたブランドイメージを高く掲げ続けることの大切さからも、私たちはConsequenceを重要なモデルと位置づけていました。
山之内:スピーカーとしても、基本的な構造を継承しつつ、そこに新しい技術を投入することは難しいことだったのでしょか。
Ehrenholz:実際にはそれほど難しいことではありませんでした。というのも、Consequenceは始めから高い完成度を持つスピーカーだったからです。オリジナルモデル以降に開発してきた新技術を投入する上で、新しいドライバーの特性に対する調整面だけが課題となりましたが、これを乗り越えられてからは全体的に順調に完成させることができたと思います。
山之内:Ultimate Editionに投入された新技術の特徴について教えてください。
Ehrenholz:Consequenceに導入されている技術は、DYNAUDIOの他のスピーカーラインナップが採用する技術とは全く異なる、固有のものばかりです。従ってConsequenceは、現行の他のモデルと対峙するという位置づけにはありません。本機の特徴を際だたせている技術は「ベース・コンパウンド方式」を採用したことです。本機のエンクロージャーは全体で4つのキャビネットで構成されていますが、そのうち2つを低域用キャビネットとし、それぞれに30cmの大型ウーファーを搭載し、1基はエンクロージャー内部に装着して互いを同相で駆動する方式を採用しています。一般的なスピーカーの場合、ベースドライバーの背後が空洞になっていて、これがいわゆるバネ構造の役割を果たすことでウーファーをダンピングする構造になっていますが、Consequenceのコンパウンド方式では、外側と内側のドライバーが動きを同期させることでキャビネット内の空気圧を一定化して、共振を相殺する仕組みとしています。これによって余計な色づけのない音の再現が可能になるとともに、同時にサブウーファーが要らないほどの低域をカバーできる能力が得られます。
山之内:どのくらいの低域までカバーしているのでしょうか。
Ehrenholz:当社の測定では16Hzまで確認しています。本機に採用しているコンパウンド方式はとても高価なものですが、この技術によって得られるパフォーマンスは非常に優れており、そのぶんの価値がある技術だと自負しています。
山之内:2つのウーファーユニットは同一口径としているのですね。
Ehrenholz:そうです。これはとても大事なことです。片方をより小口径にすることもできますが、すると今度はその分だけストロークの深さが必要になりますので、同一口径のユニットを使えば同期しやすくなります。Consequenceの場合、この2つのウーファー以外のドライバーユニットについてもDYNAUDIOの最新・最高レベルの技術が用いられた、新開発のドライバーを搭載しています。
Ehrenholz:スピーカーの開発においては時に革新的な技術が誕生することもありますが、一方ではある基本的な原理に基づいて発展させ、練り上げてきた技術というものも、同等に高い価値を持つものです。今回のConsequenceのリファインに関しては後者のアプローチで実現しました。その中で、各帯域のドライバー性能をどのようにして、全体として調和させていくかということも大きなテーマになりました。
山之内:私は以前のオリジナルモデルも聴いたことがありますが、新しいUltimate Editionは音のレスポンスがとても速くなったように感じています。もう一つはとても大きなスピーカーなのに、とても自然なサイズ感を持っていて、かつ音源ごとにリアルで説得力のあるサウンドを再現するスピーカーだったことがとても印象に残りました。
Ehrenholz:DYNAUDIOの技術の進化を評価いただけたことを嬉しく思います。サウンドのサイズ感については、恐らくソフトの録音技術に関連してくる部分も大きいのだと思いますが、確かにConsequenceは、大編成のオーケストラによる音源はダイナミックに奏でながら、一方で女性ボーカルの繊細な声も表現できる、幅広い再現性を備えているスピーカーです。
<インタビュー・山之内正氏>

Dynaudio International社CEO Wilfried Ehrenholz氏
DYNAUDIOのスピーカー開発の「原点」と、現状のベストが混在する「Consequence Ultimate Edition」
山之内氏(以下 敬称略):“Consequence”シリーズはDYNAUDIOのスピーカーの歴史において非常に重要な意味を持つモデルですが、今回は最新の「Ultimate Edition」へと進化して、多くのファンが関心を寄せているものと思います。私も先日、「Consequence Ultimate Edition」を聴かせていただき、大変感銘を受けました。まずは“Consequence”シリーズがこれまでに辿ってきた歴史を振り返ってみて、どのように感じていらっしゃいますか。
Ehrenholz氏(以下 Ehrenholz):“Consequence”シリーズは今から25年前にオリジナルのモデルを発表しました。当時はDYNAUDIOがオーディオ市場に参入してからまだ5年ほどで、新参者という立場にあって本機種を発売しました。当時とすればそのサイズ、価格においても他の製品とは全く異なるモデルと受けとめられました。以降はおかげさまで“Consequence”シリーズの販売は順調に推移し、今日までにトータルで2,500ピースを販売してきました。
山之内:この価格帯のモデルとしては、異例とも言える販売台数の多さですね。
Ehrenholz:そうですね。Consequenceについては特別なプロモーション活動を行ってきたわけではありませんが、にもかかわらずいくつかの市場から毎年コンスタントにご注文をいただけていることは、私たちにとっても予想外の反響でした。今から3年ほど前でしたが「Consequenceをディスコンにするのか、あるいは新技術を投入して継続するのか」という判断を求められた時期がありました。当時、最終的に私たちが決めた方向性は、本機のデザイン、コンセプト、シリーズ名は変えずに、内容はDYNAUDIOの最新技術を投入した新しいConsequenceをつくり「継続する」という戦略でした。
山之内:発売から25年も経ったモデルを、今になってリニューアルするという決断は大きな“冒険”だったと思いますが、いかがでしょうか。
Ehrenholz:確かにその通りです。市場に出しても受け入れられないのではという怖さもありましたが、一方で周囲からはDYNAUDIOの伝統を継承するモデルへの根強い期待があったことも確かです。伝統に根付いたブランドイメージを高く掲げ続けることの大切さからも、私たちはConsequenceを重要なモデルと位置づけていました。
山之内:スピーカーとしても、基本的な構造を継承しつつ、そこに新しい技術を投入することは難しいことだったのでしょか。
Ehrenholz:実際にはそれほど難しいことではありませんでした。というのも、Consequenceは始めから高い完成度を持つスピーカーだったからです。オリジナルモデル以降に開発してきた新技術を投入する上で、新しいドライバーの特性に対する調整面だけが課題となりましたが、これを乗り越えられてからは全体的に順調に完成させることができたと思います。
山之内:Ultimate Editionに投入された新技術の特徴について教えてください。
Ehrenholz:Consequenceに導入されている技術は、DYNAUDIOの他のスピーカーラインナップが採用する技術とは全く異なる、固有のものばかりです。従ってConsequenceは、現行の他のモデルと対峙するという位置づけにはありません。本機の特徴を際だたせている技術は「ベース・コンパウンド方式」を採用したことです。本機のエンクロージャーは全体で4つのキャビネットで構成されていますが、そのうち2つを低域用キャビネットとし、それぞれに30cmの大型ウーファーを搭載し、1基はエンクロージャー内部に装着して互いを同相で駆動する方式を採用しています。一般的なスピーカーの場合、ベースドライバーの背後が空洞になっていて、これがいわゆるバネ構造の役割を果たすことでウーファーをダンピングする構造になっていますが、Consequenceのコンパウンド方式では、外側と内側のドライバーが動きを同期させることでキャビネット内の空気圧を一定化して、共振を相殺する仕組みとしています。これによって余計な色づけのない音の再現が可能になるとともに、同時にサブウーファーが要らないほどの低域をカバーできる能力が得られます。
山之内:どのくらいの低域までカバーしているのでしょうか。
Ehrenholz:当社の測定では16Hzまで確認しています。本機に採用しているコンパウンド方式はとても高価なものですが、この技術によって得られるパフォーマンスは非常に優れており、そのぶんの価値がある技術だと自負しています。
山之内:2つのウーファーユニットは同一口径としているのですね。
Ehrenholz:そうです。これはとても大事なことです。片方をより小口径にすることもできますが、すると今度はその分だけストロークの深さが必要になりますので、同一口径のユニットを使えば同期しやすくなります。Consequenceの場合、この2つのウーファー以外のドライバーユニットについてもDYNAUDIOの最新・最高レベルの技術が用いられた、新開発のドライバーを搭載しています。
山之内:新しいUltimate Editionを完成させるにあたって、他に何らかの技術的な革新はありましたか。
Ehrenholz:スピーカーの開発においては時に革新的な技術が誕生することもありますが、一方ではある基本的な原理に基づいて発展させ、練り上げてきた技術というものも、同等に高い価値を持つものです。今回のConsequenceのリファインに関しては後者のアプローチで実現しました。その中で、各帯域のドライバー性能をどのようにして、全体として調和させていくかということも大きなテーマになりました。
山之内:私は以前のオリジナルモデルも聴いたことがありますが、新しいUltimate Editionは音のレスポンスがとても速くなったように感じています。もう一つはとても大きなスピーカーなのに、とても自然なサイズ感を持っていて、かつ音源ごとにリアルで説得力のあるサウンドを再現するスピーカーだったことがとても印象に残りました。
Ehrenholz:DYNAUDIOの技術の進化を評価いただけたことを嬉しく思います。サウンドのサイズ感については、恐らくソフトの録音技術に関連してくる部分も大きいのだと思いますが、確かにConsequenceは、大編成のオーケストラによる音源はダイナミックに奏でながら、一方で女性ボーカルの繊細な声も表現できる、幅広い再現性を備えているスピーカーです。
次ページ次世代のオーディオに向けた、今後のDYNAUDIOのチャレンジ
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