【ミニレビュー】優れたトランス技術で音質を追い込む。フェーズメーションのライントランス「「LT-1000」
今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。4月は「アナロググランプリ」受賞モデルをセレクトする。最終回は、独自のトランス技術光る国産ブランド・Phasemation(フェーズメーション)「LT-1000」のライントランスをチェック!
ワウや高周波ノイズ対策に効果あり!
フェーズメーション「LT-1000」は今日日(きょうび)珍しいライントランスである。コア材には透磁率が高いスーパーマロイ、線材にはPC-TripleCを使用。+6/0/-6/-12dB/∞と5段階でゲインの切替が可能である。漏洩磁束を抑えるためにシールド板を設置し、さらにフローティング構造を採用して不要振動を抑制。そして入出力ともにバランス(XLR)・アンバランス(RCA)に対応している。
フォノアンプとプリアンプ間に設置して試聴した。ケーブルによる音の変化がないよう、フォノアンプ - LT-1000間、LT-1000 - プリ間には同じラインケーブルを繋いでいる。
グラシェラ・スサーナ『76/45』はヴォーカルの音像から雑味が一掃され、澄んだ艶がのる。フルートもドラムスも音像の実体感が向上し、ストリングスが他の楽音と混濁せず分離がいい。
エフゲニー・キーシン『ザルツブルク・リサイタル』 は1音1音にブレ・にじみが無い。左手も右手も非常に明瞭に描かれている。意識して聴かなくてもピアノの前後方向における位置が容易にわかる。
パイヤール指揮、パイヤール室内管『ドビュッシー:小組曲他』は弦群のブレンドが解像度を増しつつ繊細さと甘美さを高めて、聴き手を陶然とさせる。
ライントランスというとデジタルソースをアナログライクに聴かせるために使う例が多いだろう。だがフェーズメーションによると、ソースがアナログの場合にはモーターの回転やトーンアームの揺れに起因するワウ(周波数の低い音の揺れ)や、イコライザーアンプに起因する高周波雑音等を除去する効果があるという。
LT-1000は音調を、むっちり分厚く濃いいわゆるトランス調に色づけすることなく、S/Nと解像度、そして空間表現力を大きく高めてくれる。さすが優れたトランス技術を誇るフェーズメーションのライントランスである。
