「デザインとサウンドは一体不可分」

ソナス・ファベール、フラグシップの技術を継承した「Amati Supreme」。ペア約1,500万円

公開日 2025/10/15 11:23 筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

ノアは、同社が取り扱うイタリアのソナス・ファベール(SONUS FABER)ブランドより、フラグシップスピーカー「Suprema」の技術を踏襲した4.5ウェイ5ドライバーのフロア型スピーカー「Amati Supreme」(アマティ・シュプリーム)を10月29日より発売する。価格は14,850,000円(ペア・税込)。

Sonus Faber「Amati Supreme」

キャビネット側面には、上級モデルで採用されているプライウッド構造を継承。厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて7層に積層させ、プレス機で加圧しながら美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形する。

「Amati Supreme」のフロントと背面端子

キャビネットの天地にはCNC加工したアルミニウムプレートを装備し、背面にもアルミニウムパーツを装着する独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」方式を採用。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域の再生を実現している。

バスレフシステムには、「Stealth Ultraflex」機構を継承。ダクトに適度なダンプをかけてポートにチューニングを施しているほか、ポート出口構造も最適化することで、気流の乱れをコントロールしている。スパイク部も「Z.V.T.」(ゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション)テクノロジーを踏襲し、床面からの振動伝播とキャビネットをデカップリングする。

スーパートゥイーター、トゥイーター、ミッドレンジは「Suprema」と同一ユニットを採用、また中高域ドライバーは、コルク素材による密閉型チェンバーに配置されている。20mmスーパートゥイーター、38mmのトゥイーターはいずれもソナス・ファベール伝統のシルク・ソフトドーム型を採用する。

中高域はコルクによる密閉構造を採用

ミッドレンジは165mm径のカメリア・ミッドレンジだが、フェーズプラグを新設計。独自のダンピングリングを設けることで、ユニットが駆動することで発生する気流を最適化。軸上と軸外の双方で、スムースな周波数応答が得られると説明している。また不要振動を最適に分散させるOrganic Basketを採用。有機的でユニークな形状の非対称バスケットとなっている。

カスタムメイドのネオジム・ドライバーによる220mmウーファーを2基搭載。超軽量CCAWボイスコイルを2層構造とした“デュアル・ボイスコイル”構造と、剛性に優れた新開発のABS樹脂によるセンターキャップで構成される。

クロスオーバーネットワークも再設計。Jantzen社製インダクター、Clarity Cap社とのカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツなど、「Suprema」にも採用されたハイエンド・パーツを惜しみなく採用している。キャビネット上部にはY字型のウインドウが設けられており、中高域ネットワークの精緻な構造を垣間見ることができる。

天面のY字型のウインドウからクロスオーバーネットワークが見える

背面には「MID-HIGH」および「MID-BASS」の調整スイッチも搭載。設置環境やシステムに応じたカスタマイズを可能にしている。

製品開発を率いるリヴィオ・ククッツァ氏のコメントは以下の通り。「デザインとサウンドは一体不可分。アマティ・シュプリームは、私たちのこの信念を体現しています。その曲線の一つひとつ、素材とディテールのすべてが、音響のパフォーマンス向上のみならず、 感情面でも視覚面でもリスナーに訴えるべく、入念に選び抜かれています」

仕上げはTarra Rossa(赤い土)とSabbia Oro(黄金の砂)の2種類。従来のHomage Collectionとは異なる仕上げで、サテンのように艶やかで、粉雪のように繊細な陰影を湛えた仕上がりとなっている。
 
サイズは416W×516D×1180Hmm、質量は62kg(1本)。バイワイヤリング対応端子を装備する。周波数特性は28-40,000Hz、出力音圧レベルは91dB/W/m、公称インピーダンスは4Ω。クロスオーバー周波数は230Hz/300Hz/1,800Hz/5,600Hzとなっている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE