全世界1000ペア限定

Polk Audio、50周年記念の限定スピーカー「R200AE」。ネットワーク大型化、突板仕上げ

公開日 2022/11/01 17:00 編集部:平山洸太
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ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うPolk Audioより、ブランド50周年の記念スピーカー「R200AE」を12月に発売する。価格は176,000円(税込/ペア)。

「R200AE」

Reserveシリーズのブックシェルフスピーカー「R200」をベースにカスタマイズを行ったモデルで、全世界限定1,000ペア。そのうち日本で販売されるのは150ペアとなる。なおR200がベースに選ばれたのは、世界中で賞を多数獲得しており、Polk Audioにとって「勲章的なモデル」だからとのこと。

奥3モデルが通常のR200、手前がR200AE

上述のように今年で50周年となるPolk Audioは、1972年に米国のメリーランド州ボルチモアで創業。ジョンズ・ホプキンス大学の学生3人、ジョージ・クロップファー、マシュー・ポーク、サンディ・グロスによって設立された。学生だったこともあり、「自分たちでも購入できる最高のスピーカー」を目指して製品づくりを行い、その理念は今日に至るまで引き継がれているという。

1972年に創業した

そして現在ではアメリカでトップシェアを争うブランドにまで成長し、2年前に再上陸した日本でも、すでに市場シェア10%/ブランド別順位3位にまで躍進している。なお、ブランドの理念と変遷については、50周年記念イベントの際の記事で詳しく紹介している。

R200とR200AEの違いは、大きく2つ。1つはネットワークのアップグレードで、もう1つは外観のアップグレードだ。それ以外のウーファーやトゥイーターのユニット、キャビネットなどについては、基本的に同じものを採用する。

左がR200、右がR200AE

設置イメージ

まずネットワークについては、回路自体は同じものの、使用するパーツのグレードを引き上げている。その結果、ベースモデルでは430gあったネットワークの重さが、今回のモデルでは1350gにまで増えている。

具体的には、電源部のコンデンサ1つを除き、すべて新しいパーツに変わっている。チョークコイルはコア入りのものが使われていたが、飽和などの問題を避けるため、より理想的な空芯コイルに置き換わっている。コアがないと磁界が結合してしまう可能性があるが、これを防ぐために基板を大型化して距離を取っており、キャビネットの底面いっぱいを基板に使うことで実現した。

ネットワークが大型化(右がR200AE)

またベースモデルのコンデンサは、メタライズドポリプロピレンコンデンサ、メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ、バイポーラの電解コンデンサを適材適所で使い分けていた。特別モデルでは全てフィルムコンデンサに変えられ、メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサのみとなっている。

抵抗については、5Wだったセメント抵抗を10Wのものに変更。抵抗は電流によって発熱するが、温度が上がると抵抗値が増えてしまう可能性があった。それを改善するべく、大きなパワーでも発熱しにくいよう、容量的に余裕のある10Wに変えているという。

そのほか、細かいところでは内部配線用の汎用端子台を、錫メッキから金メッキに変更。差し込む側の端子についても、クロームメッキから金メッキに変えている。

続いて外観については、R200は高級ビニールクロスでキャビネットを覆っていたのに対して、R200AEはダークチェリー色の天然木突板を採用し、高級感が高められている。さらに背面には、Polk Audio創業時のロゴが入ったプレートが付けられており、上述のポーク氏のサインとシリアルナンバーが刻まれている。

ダークチェリー色の天然木突板を採用

Polk Audio創業時のロゴが入ったプレート

繰り返しとなるが、R200AEはR200と外形寸法や搭載ユニット、ネットワークの回路図は基本的に同様。ウーファーについては独自の6.5インチの「タービンコーン」が採用され、タービン形状とフォームコアを用いることで、適切な内部損失と剛性の向上を実現している。

「タービンコーン」

トゥイーターについては、1インチの「ピナクル・リング・ラジエーター」を採用。またバスレフポートには、不要な共振を排除する「Xポート」技術を採用し、バスレフポートで低音を増強する際に発生してしまう、中音域の不要な共振を抑えている。

「ピナクル・リング・ラジエーター」

背面部

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