「TAD-D600」の後継機モデル

TAD、電源部別筐体のフラグシップSACDプレーヤー「TAD-D700」。「第三世代UPCG」クロックに進化

2022/10/20 編集部:伴 修二郎
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テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズは、ReferenceシリーズのSACD/CDプレーヤー「TAD-D700」を2023年1月に発売する。価格は4,950,000円(税込)。

「TAD-D700」

「TAD-D700」は、2010年発売のSACD/CDプレーヤー「TAD-D600」の後継機にあたるフラグシップモデル。クロックには、高速デジタル通信基地局で使用される「高C/N化技術手法」(C/N=「Carrier to Noise ratio/搬送波対雑音比)をベースに、物理特性の追求と試聴を繰り返して開発したとする「超高C/Nマスタークロック回路」を搭載。これにより、ディスクに記録された信号や、入力信号の再現性を極限まで高めたとする。

また、低位相ノイズを追求した「SCカット水晶片」を使用する「第三世代UPCG」を採用することで、音質やC/Nの向上を図ったとアピール。さらに、超高C/Nマスタークロック回路にて、リクロックを行う高精度変換が可能な「サンプリングレートコンバーター」を搭載し、192kHz/24bitまでのデジタル信号入力対応のDAコンバーターとしても使用できる。

電源部は独立構成にすることで、メカニカル部やオーディオ回路に悪影響を及ぼすトランスの不要振動と漏洩磁束を排除。また、電源トランスの内部巻線を直出しすることで引き出し線との接点を極力削減し、電源回路の高純度化を図ったと説明する。加えて、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキとOFC純銅を採用することで、磁性歪も排除したとする。

さらに、オーディオ用の電源トランスに、パワーアンプ並みの400VAのトロイダルトランスを搭載することで、信号応答性能を向上。電源部の筐体には、強固な「鋳造アルミニウム製モノコックシャーシ」を採用することで、制振性能にも配慮したという。

回路面では、TADの技術思想「シンプル構造」に基づいて新開発した「電流帰還型アンプ」をI/V変換回路に採用。入力段には、同社の匠によって厳格に選別した「FETデバイス」を搭載することで、超広帯域の信号伝送を可能にし、変換精度を格段に向上させたとのこと。また、フィードバック抵抗には「非磁性高信頼カーボン抵抗器」を採用することで、信号経路を非磁性化し、磁性歪を徹底的に排除したとする。

DAC回路には、バーブラウン製DAコンバーターを並列接続で使用することで、S/N比やリニアリティ、ダイナミックレンジ、歪率などを向上させたと説明。高純度な音声信号を後段のアナログオーディオ回路へ伝送することで、きめ細やかで高密度な音を実現するという。

高精度ローディングと静粛性に優れた独自の新設計「高剛性CD/SACDメカニズム」も採用。金属軸受けを装備した高精度ローディング機構によって、制振性に優れたディスクトレイの開閉動作を実現。ピックアップ部には無限系光路を採用することで、安定した動作と高い読み取り精度を誇るとアピールする。

また、ディスクトレイ部にはアルミ削り出し加工を施すことで、高剛性と振動抑制を実現。加えて、トレイには特製黒色シートを配することで、レーザー光の乱反射を抑えて読み取り精度を高めるとともに、制振性も向上するという。

筐体は、3点支持の鋳造アルミニウム製極厚ベースと、6mm厚の銅メッキ鋼板シャーシによる「高剛性2層シャーシ」を採用した高剛性低重心構造。これにより、振動を最小限に抑え、メカニカル部やオーディオ回路への悪影響も抑えるとする。

デジタル入力はバランスXLR×1、同軸RCA×1、デジタル出力はバランスXLR×1、同軸RCA×1、アナログ出力はバランスXLRステレオ×1、アンバランスRCAステレオ×1系統を装備。S/N比は115dB、消費電力は43W。

外形寸法/質量は、本体部が450W×185H×440Dmm/26.5kg、電源部は220W×185H×430Dmm/13.0kg。

10月28日より東京・有楽町にて開催される「2022東京インターナショナルオーディオショウ」にてお披露目される予定。

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