開発期間は2年以上

McIntosh、往年のモデルをフィーチャーした真空管パワーアンプ「MC3500」

2021/12/08 編集部:松永達矢
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エレクトリは、同社取り扱いブランドのMcIntoshより、真空管パワーアンプ「MC3500」を発売した。価格は4,840,000円(ペア/税込)。

「MC3500」

1968年から71年にかけて発売された同名の真空管アンプからインスピレーションを受け、2年以上の開発期間を設けて開発された“Mk II”モデル。現代の基準に照らし合わせ最新の部品を使用し、レガシーとも言えるモデルナンバーを受け継ぐにふさわしいパフォーマンスを実現したという。

フロントパネルはアルミ削り出しで、ビードブラスト仕上げとゴールドアルマイトを施し、オリジナルのMC3500の外観と仕上げを再現。透明なガラスで覆われたデュアルビュー出力メーターは、上段にワット数(W)とデシベル(dB)、下段にアンプのウォームアップレベル(%)を表示するデザインを採用している。

今回新たに発売される「MC3500」(写真左)と、かつて発売された同名の真空管アンプ「MC3500」(写真右)

出力トランスにはユニティ・カップルド回路を採用し、2Ω、4Ω、8Ωのいずれのインピーダンスのスピーカーにも350Wの出力を安全に安定して供給できるとするほか、オリジナルMC3500に搭載されていた6LQ6「スイープチューブ(水平偏向出力管)」と同様の品質と特性を持つ高出力真空管「EL509S」を8本使用する。

ユニティ・カップルド回路の一部である出力トランスの巻線は、3つのトライファイラー巻のプライマリーがあり、カソード用、プレート用、スクリーン用にそれぞれ1つずつを用意。なお、2次巻線は1次巻線と一緒に巻かれており、1次-2次間の結合が非常に緊密なものになっているという。

筐体リア部

ドライバー段はオリジナルモデル同様「12AX7A」×3本、「12AT7」×1本の真空管を使用したフルバランスのドライバー段を備えており、真空管ソケット部は、接点に金メッキを施したセラミックベース構造で、汚れと接触不良を防ぐとしている。加えて、出力管ソケットは、長期間の使用を可能にするため、ベース部にエアパイプによる冷却機能を備えている。

真空管の早期故障を防ぐ措置としてMcIntoshの開発技術 「Power Guard Screen Grid Sensor (SGS)」を採用。出力管のスクリーングリッド電流を監視し、電流が高くなるとリアルタイムで入力信号をダイナミックに減衰させ、真空管を安全なレベルで動作させることができる仕組みになっているとのこと。また、出力電流が安全な範囲を超えた場合アンプをシャットダウンさせる「Sentry Monitor」機能も併せて装備される。

定格出力は350W(2/4/8Ω)。定格周波数帯域は20Hz - 20kHz。全高調波率は0.3%以下(250mw - 350W)。SN比は120dB。外形寸法は457W×300H×549Dmm(突起部含む)。質量は54.9kg。

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