シングル1モデル/プッシュプル2モデル

新オーディオブランド「MIZAI」始動。出力トランス「NY20シリーズ」3モデル

2021/11/16 編集部:伴 修二郎
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ネットワークジャパン(株)は、新オーディオブランド「MIZAI(未在)」を立ち上げ。第1弾製品として出力トランス「NY20シリーズ」を11月15日から発売する。価格は各71,500円(税込)。ラインナップは以下の通り。

「NY20シリーズ」

・「NY20-3.5KS」 シングルアンプ用(SGタップ付き)
・「NY20-3.6KP」 プッシュプルアンプ用(SGタップ付き)
・「NY20-5.0KP」 プッシュプルアンプ用(SGタップ付き)

新ブランド「MIZAI(未在)」は、同社が創立20周年を迎えるにあたり、新たなオーディオ機器の開発への挑戦の一環として立ち上げられたもの。本製品の開発にあたり、ラックスマン(株)にて多くのアンプの技術責任者を務めたというエンジニアが、長年暖めてきた新技術を投入しながら最適な素材の選択を行い、性能・音質両方にこだわったとアピールする。

「NY20シリーズ」は、導体に高純度ポリウレタン線を、絶縁体に高分子材料のポリエステルフィルムを採用。絶縁体は、導体とフィルムの間に紙を入れて遮るコイル設計とし、直接導電部に触れない仕様にすることで音質に配慮している。なお、以前は絹をワニス処理したものを絶縁材に使っていましたが、NY20シリーズではそれにかわる物として、現在の素材を活用しながら高音質化を図っているという。

巻線には、同社の長年積み上げてきたノウハウを活用し、高性能方向性圧延コア材(オリエントコア)によるカットコアのダブル構成という、同社独自の巻線構造を採用。これにより、50kHz以上までフラットに伸びる広帯域周波数特性と高音質設計を両立するとしている。

また、カットコアを2個組み合わせた外磁型を採用することで、鉄芯の断面積を2倍にアップ。これにより透磁率を2倍に高め、鉄ロスのない低損失高能率化を実現したという。

トランスを収納するケースや内部構造は、肉厚のアルミダイカストケースと熱硬化性樹脂を一体化させることで放熱効果を高めた。また、オリジナルモデルのOY15型に比べ、同じ大きさで出力を向上させている。さらに、ケース内には隙間なくエポキシ樹脂を充填し、カットコア自体もカット前に樹脂で固めることで、振動の抑制にも配慮している。

外観は、OY15型から継承したフォルムとサイズ感を採用。そのほか、純度の高いエネルギー伝送を行うべく。リード線を直出し方式に変更した。

なお、シングルアンプでは直流電流が常に流れているため、これらを見込んだ設計になるが、このような場合でも直流重畳によって鉄芯の飽和を抑えている。またプッシュプルアンプでは、出力電流がアンバランスになる等の不平衡電流によるインダクタンスの低下を、カットコアのダブル構成により最低限に抑えているという。

さらに本シリーズでは、周波数や出力が変化すると、磁束密度によって透磁率が変わりトランスのインダクタンスが変化してしまう問題点に対して、カットされた部分が変化を抑えることによる定インダクタンス化を実現。これにより、アンプ設計時の時定数(CP定数)の決定も容易となる。

そのほか、ラックスマン製や、同じインピーダンスのアンプへの載せ替えが可能。なお、配線部はリード線直出しの為、ラックスマンのOY型と交換する際は、配線を通す穴をシャーシに空ける必要があるとしている。また、本製品購入者には、自作用の真空管KT88/300Bの参考回路図も付属する。

配線部はリード線直出し

NY20-3.5KPは、一次インピーダンスが3.5KΩ、二次インピーダンスが4,8,16Ω。出力は30W(40Hz)、一次インダクタンスは21〜25H。周波数特性は20〜100K(-2dB)Hz、許容直流電流は130mA。

NY20-3.6KPは、一次インピーダンスが3.6KΩ、二次インピーダンスが4,8,16Ω。出力は40W(30Hz)、一次インダクタンスは150〜340H。周波数特性は5〜120K(-2dB)Hz、許容直流電流は150X2/18mA。

NY20-5.0KPは、一次インピーダンスが5KΩ、二次インピーダンスが4,8,16Ω。出力は40W(30Hz)、一次インダクタンスは210〜475H。周波数特性は5〜120K(-2dB)Hz、許容直流電流は150X2/16mA。

外形寸法は84W×95D×99Hmm、質量は約2.3kg。

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