新開発の安定化電源回路を搭載

アキュフェーズ、フルバランス構成のフォノアンプ「C-47」。アンプのゲイン割り当てで回路構成最適化

2020/03/06 編集部:杉山康介
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アキュフェーズは、フルバランス構成のステレオフォノアンプ「C-47」を4月上旬に発売する。価格は600,000円(税込)。

C-47

同社のプリ・パワーアンプの技術を融合し、入力から出力までフルバランス伝送を実現したフォノアンプ。プリアンプ「C-3850」や現行パワーアンプと組み合わせることで、アナログでフルバランスのシステムを構築できるとしている。

MCヘッドアンプの入力素子には低雑音バイポーラ・トランジスタを9つ、MMヘッドアンプは雑音JFET(接合型電界効果トランジスタ)を3つ採用。共に素子を並列駆動する作動入力回路とカレント・フィードバック増幅回路を搭載することで、低い残留ノイズを実現したという。

ヘッドアンプの出力はMC/MMとも共通のイコライザーアンプへと伝送。RIAA特性のアンプは高精度のイコライザー素子を搭載しており、これによりRIAA偏差±0.3dB(10Hz-20kHz)を実現する。

ヘッドアンプ、イコライザーアンプが搭載された基板

ヘッドアンプに大きなゲインを割り当て増幅率を可能な限り高くすることで、イコライザーアンプの雑音はほぼ無視できるようになるため、雑音性能は追求せず反転型アンプとすることで、正確なイコライジング特性を実現する理想的な回路構成となっているとのこと。また、ゲイン切り替え機能をイコライザーアンプ側に割り当てることで、入力換算雑音がゲインに依存しないとする。

MC時の入力感度は1.26mV(64dB時)/0.63mV(70dB時)、最大入力電圧は5.7mV(64dB時)/2.9mV(70dB時)。MM時の入力感度は40mV(34dB時)/20mV(40dB時)、最大入力電圧は180mV(34dB時)/90mV(40dB時)。

全高調波歪率は0.005%で、最大出力レベルは8.0V。定格出力は2Vで、出力インピーダンスは50Ω、クロストーク-90dB以下。

両ヘッドアンプとイコライザーアンプは、経路が最短となるよう同じ基板上に配置し、各チャンネル毎の計2枚を用意。基板は高伝播速度、低損失で耐熱性に優れるというガラス布フッ素樹脂基板を採用し、この上に科学的に安定していて、経年劣化がほとんどないというゴールドプレート処理を実施。特に入出力端子は約10倍の厚みを持たせた産業機器用処理が施されているという。

電源回路には、脈流を含んだ整流器の出力を直流に変換する平滑用コンデンサーと、15,000μFのアルミ電解コンデンサーをチャンネルあたり4個ずつ搭載し、リップル電圧などの影響を排除。加えて雑音電圧が低く負荷変動に強い安定化電源回路を新開発し、電源回路から混入するノイズを防いでいるとのこと。

電源アッセンブリ

トロイダルトランス、平滑用アルミ電解コンデンサー、安定化電源回路は各チャンネル独立構成とすることで、チャンネル間の相互干渉を防いだフル・モノ・コンストラクションを実現する。

チャンネル間の相互干渉を防いだフル・モノ・コンストラクションを実現

MC時は10/30/100/200/300/1kΩ、MM時は1k/47k/100kΩから選択可能な負荷インピーダンス切り替え機能や、カットオフ周波数10Hz,12dB/octaveのサブソニックフィルター、各ヘッドアンプのゲインを6dBアップできるゲイン切り替え機能などを搭載。

入力端子はMC専用のフォノバランス端子1系統とフォノ端子3系統を、出力端子はXLRとRCAを1系統ずつ搭載。外形寸法は465W×114H×407Dmmで、質量は14.8kg。

背面部

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