注目のモノラルカートリッジも登場

<2019TIAS>オルトフォンMC Anna Diamondなど新製品/AIR TIGHT 大型三極管採用新パワーアンプ

公開日 2019/11/22 20:06 オーディオ編集部:浅田陽介
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本日11月22日(金)から24日(日)までの3日間、東京国際フォーラム(有楽町)にて開催される『2019東京インターナショナルオーディオショウ』。国内外合わせて200を超えるブランドが登場する同イベントは、今年も開幕と同時に大きな賑わいを見せている。

本稿では、アナログをキーワードとして、オルトフォンジャパンとエイ・アンド・エムのブースの模様を紹介する。

■オルトフォンジャパン

オルトフォンジャパンブースの様子

最大の注目は、オルトフォンの新たなフラッグシップとして登場したMCカートリッジ「MC Anna Diamond」(¥1,080,000/税抜)だ。

試聴デモには、MC Anna Diamondを中心に据えたシステムを構成

MC Anna Diamondは、そのパッケージの全貌も展示

本機は従来のフラッグシップモデルとして君臨していたMC Annaをベースとして、昨年創業100周年モデルとして登場した「MC Century」(¥1,200,000/税抜、世界限定100台)で採用された、無垢単結晶のダイヤモンドカンチレバーをはじめとする様々なテクノロジーを投入。「今後理想とするサウンドを示す、新世代空芯MCカートリッジの集大成」という位置づけで、今年8月の発売以降、多くアナログファンから高い注目を集めた「MC Anna Diamond」。同社ブースでは本機を前面に打ち出して展開している。

試聴システムの中心となるのも、このMC Anna Diamond。ドイツのターンテーブルブランド、アコースティックソリッドの「Solid Royal」を用いたシステムで、世界最高峰といえるMCカートリッジのサウンドを存分に堪能することができる。

2020年1月に発売が予定されているモノラルカートリッジのフラッグシップ「MC A Mono」

カートリッジ製品としては、今年5月のMunich HIGH END 2019に続き、日本でも来年1月の発売がアナウンスされたモノラルMCカートリッジ「MC A Mono」(¥570,000/税抜)も初展示。1940年代から現在にいたるまで、ホーム用、放送局用など数々のモノラルカートリッジを手掛けてきた同社が「最高峰のモノラルカートリッジを目指した」というモデルだ。

MC Anna DiamondやMC A Monoを始めとした同社のキープロダクトの模型も展示

MC A Monoについて、現時点では今回のインターナショナルオーディオショウでのデモンストレーション予定は発表されていないが、構造の模型などが展示されているほか、同社のSLM技術によって成形された精密な仕上げなど、そのクオリティを実際に目にできる貴重な機会となっている。

Reference SPK-Black Premiumの現物も見ることができる

Reference SPK-Bronze Premiumも展示

また、先般発表されたオルトフォンのスピーカーケーブルのトップエンドとなる「Premium」も今年注目の製品のひとつ。試聴システムには同シリーズの上位となる「Reference SPK-Black Premium」(¥116,000/税抜・3.0mペア)が使用され、サウンドのポテンシャルを確認することも可能だ。

新製品となるレコードブラシ「Record brush」も初登場の製品

試聴システムのケーブルには、Reference SPK-Black Premiumを使用

■エイ・アンド・エム

エイ・アンド・エム(株)のブースでは、およそ3年という長い年月の末に完成したイコライザーカーブ切り替え対応のフォノイコライザー「ATE-3011」(¥1,480,000/税抜)と、来年2020年夏頃の発売を目指しているモノラルパワーアンプ「ATM-2211」が展示され、大きな注目を集めている。

AIR TIGHTの試聴ブースの様子

ATM-2211およびATE-3011は、両機共にこれまでMunich HIGH END 2019香港ハイエンドオーディオ&ビジュアルショウ2019でも展示され、大きな注目を集めてきた。

ATM-2211は、18年前にAIR TIGHTが発売したATM-211、そして2017年に登場したATM-3211に続く大型三極管211を採用したモデルとして開発が進められているモノラルパワーアンプである。

2020年夏の発売を目指し開発が進められるモノラルパワーアンプのATM-2211

電源部には低電圧用と高電圧用にそれぞれ独立したトランスを用意し、電源供給の安定化を図っているほか、211のプレートからNFBをかけるユニークな仕組みを採用していることなど、内部の作り込みは実にAIR TIGHTらしいこだわりが随所に見られるが、中でも特徴的なのは、真空管アンプを手掛けてきたAIR TIGHTとしては初のXLR入力を装備した点だ。

すでに世界中のオーディオファン達から評価を集めている、300B搭載のパワーアンプ「ATM-300R」で得たアイデアを盛り込んだというATM-2211の出力は、32W×2。エイ・アンド・エムのブースでは、TANNOYのKensington/GRと、Sonus FaberのSERAFINO Traditionを用意し、そのサウンドを実際に確認することができる。

最新モデルとなるフォノイコライザーATE-3011にも高い関心が集められている

エイ・アンド・エムのブースはアナログづくし。プレーヤーには、TRANSROTORのZET-3を使用

また、同社のブースのデモは例年同様、一貫してアナログにこだわり抜いて実施。今年も大量のアナログレコードを用意し、TRANSROTORのターンテーブル「ZET-3」と新製品となるATE-3011、MC昇圧トランス「ATH-3」を組み合わせてデモンストレーションを行っている。

ATE-3011は、同社の新しいフラッグシップに位置するフォノイコライザー。昨今注目が集まっているイコライザーカーブの切り替えに対応していることでも大きな注目を集めたモデルである。

ATE-3011のユニット化された増幅部も見ることができる

イコライザーカーブは、ターンオーバー、ロールオフを5種類(RIAA/NAB/AES/FFRR/FLAT)にそれぞれ切り替えが可能。「レコードから新しい発見をもたらす」ことをコンセプトのひとつとして開発したとのことで、内部の作り込みも実に洗練されたもの。会場では、ユニット化された本機の増幅部のサンプルも用意し、普段なかなか見ることができない本機の詳細に直に触れられる点も、大きな見どころとなっている。

海外からの注目も高いAIR TIGHT。写真はドイツのオーディオ誌「Stereo」の編集長であるMatthias Böde氏も訪れた

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