Mシリーズの最小モデル

MAGICO、カーボン製エンクロージャー採用の“Mシリーズ”最新スピーカー「M2」。ペア700万円

2019/04/02 編集部:小澤貴信
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(株)エレクトリは、同社が取り扱う米 MAGICO(マジコ)のスピーカーシステム「M2」を4月20日より発売する。予価は7,000,000円/ペア(税抜)。

「M2」

同社の10周年記念モデル「M Project」の思想や技術を継承する「Mシリーズ」に登場したモデル。2016年に発売された「M3」、2017年のTIASで初披露された「M6」(関連ニュース)に続く製品として、シリーズで最もサイズの小さい「M2」が加わった。3ウェイ・4スピーカー構成の密閉型スピーカーとなる。

M2は、M6とM3の開発で得られた画期的な設計を多数取り入れているとのこと。これまでも同シリーズがエンクロージャーに採用してきたカーボンの特性と用途に関する科学的考察の結果、M2ではカーボン・モノコックエンクロージャーを採用。M6のエンクロージャー製造技術を踏襲し、多層のカーボンファイバーを3/8インチ厚で成形した。

これにより、構造強度体重量比を飛躍的に向上。アルミニウム部品と比較して全体重量を50%削減しつつ60倍の強度を実現し、同時に内容積を犠牲にすることなく外形寸法の30%小型化を可能にしたという。また、湾曲したエンクロージャーは、内部定在波を最小にし、回折による悪影響を排除する。

カーボン・モノコックシャーシをM6から踏襲

トゥイーターには、28mmダイアモンドコーティング・ベリリウム・ドームトゥイーターを搭載。ダイヤモンドコーティングについては、ダイヤモンド皮膜の余分な重量増加を加えることなく剛性を高めることを可能にしたとする。また、超ロングストロークの振幅を専用設計されたネオジム磁気回路によって駆動する。

同社はグラフェンを振動板素材に用いた世界初のメーカーだとアピールしており、本機の6インチ・ミッドレンジと、2基の7インチウーファーにもグラフェンを用いた振動板を採用する。グラフェンは六角形の分子構造を持つ極薄のシングルレイヤー素材で、強度は鋼鉄の100倍をほこる。

M2のドライバーユニットはいずれも新設計されたもので、Multi Wall Carbon XG Nanographeneと呼ばれるグラフェン素材を使用。表面にグラフェンを貼り付けた超硬ナノテックカーボンファイバー織布で、硬質発砲材のコア材を挟み込む複合振動板としている。この構成により、従来のユニットと比較して20%軽く、かつ300%の強度を達成したとする。

ダイアモンドコーティング・ベリリウム・ドームトゥイーターおよびグラフェンを使用した複合振動板によるミッドレンジ/ウーファーを搭載

ミッドレンジドライバーは、磁気ギャップの幅よりもボイスコイルの幅が短いアンダーハング型ボイスコイルを採用。強力なネオジム磁気回路によって安定した磁場を生み出し、ピュアチタニウム・ボイスコイルボビンの正確なピストンモーションと歪みの最小化を可能にする。

ウーファーについては、低域のスピードの維持と正確性に配慮した理想的な位置に縦配置されている。ウーファー開発には最新の有限要素解析が用いられている。

4つのドライバーすべてにおいて、独ムンドルフ社の最新パーツを使用した、独自の楕円対称クロスオーバートポロジーを採用する。

エンクロージャーは、その内部において、前後にわたる3本のテンションロッドと、3軸マトリックスフレームワークで支持。不要共振と色付けを排除している。

オプションの脚部「MPod STAND」(予価950,000円/税抜)も用意。異種素材による多層ダンピング構造により、制振エネルギーを熱に変換することで、床面への理想的な設置と、再生パフォーマンスをさらに向上させることが可能だという。

再生周波数帯域は26Hz〜50kHz、能率は88dB、インピーダンスは4Ω。外形寸法は457.2W×1,143H×444.5Dmm、重量は74.84kg(MPod STAND含む)。

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