58万円で受注販売

ZYX、空芯コイル採用MCカートリッジ「Ultimate-DYNAMIC」

2016/11/25 編集部:小野佳希
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ヒノエンタープライズは、ZYXブランド初の空芯コイル採用MCカートリッジ「Ultimate-DYNAMIC」を12月1日から発売する。価格は58万円(税抜)で、受注販売となる。

Ultimate-DYNAMIC

ZYXの従来モデルは全て鉄芯のコアにコイルを巻いたムービングコイルを持ったモデルだったが、本機は同ブランドとして初めての鉄心コアの無い空芯ムービングコイルモデル。カーボンコンポジット素材にコイルを巻くことで空芯コイルを実現させたという。

レコードに音溝を刻むカッターヘッドは、固定したマグネットの磁力の中で、空芯のコイルが動くという原理で動作している。MCフォノカートリッジも全く同じ原理で発電すればマスターテープに近似した音が出るはずだが、フォノカートリッジのコイルは非常に小さく、鉄心が無ければ十分な電流を発電する事できないというデメリットもあった。そこで今回、上記の方法をとることによってその問題をクリアし、空芯ムービングコイルモデルを実現させた。

カーボンカンチレバーの素材は、直径5ミクロンの炭素繊維を1,000本収束して固めたもの。硬度はチタンの1.5倍でありながら比重はダイヤの1/6、重量はボロンの半分、それでありながら強度はアルミ・ボロン・ダイヤとは比較にならないほど高いという。

そしてその超軽量&高強度に加え、1,000本のカーボン繊維が振動を分散するため、ボロン等従来のカンチレバー素材での金属分子内で起こっていた振動の乱反射が起こりにくいとしている。

筐体はポリカーボネート製で、従来から内部構造を見直し。さらなる共振対策も図っている。また、カーボン板によるターミナル板を開発。カートリッジとしては初めて、ターミナル板自体をRGを通してアースに落とすことを可能にした。ターミナル板を接地することにより4端子間の線間容量は減少させ、外来ノイズの影響を受けにくくするという。

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