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USB-DAC「AR-UA1」も

Acoustic Research、138,000円のハイレゾ対応DAP「AR-M2」

編集部:小野佳希
2015年03月25日
フロンティアファクトリーは、米Acoustic Research社のハイレゾ対応DAP「AR-M2」と、同じくハイレゾ対応のヘッドホンアンプ内蔵USB-DAC「AR-UA1」を、4月24日よりフジヤエービックとe☆イヤホンで先行発売する。両店以外での販売は夏頃からを予定している。なお、両製品ともポタ研2015冬に参考出展されていたモデル(関連ニュース)が正式発表された格好だ。

・ハイレゾ対応DAP「AR-M2」¥138,000(税抜)
・ハイレゾ対応USB-DAC「AR-UA1」¥59,800(税抜)

AR-M2

AR-UA1

■「AR-M2」はAndroidのオーディオフレームワークを通さないことで高音質化

ポータブルオーディオプレーヤー「AR-M2」は最大192kHz/24bitのWAV/FLAC/ALAC、DSD 5.6MHz/2.8MHz(PCM変換)、DXD(PCM変換)、APR、AIFFの再生に対応。内蔵メモリーは64GBで、最大128GBまでのマイクロSDXCカードが使用できる。また、USB-OTGストレージにも対応しており、USB-HDDやUSBメモリーとも接続できる。HDDはFAT32とexFATをサポートしている。

手に持ったところ

側面

OSにはAndroid 4.3、プロセッサーにはQualcomm社 Snapdragon 400 MSM8926を搭載。CPUは、クワッドコアのCortex-A7 1.2GHz。Android OS搭載により、効率的に内部のストレージと外部のSDカードのメディアファイルを読み込むことを可能にしたとしている。なお、プロセッサーMSM8926との相性が非常によく動作が安定しているため、Androidは最新のものではなく、あえてAndroid 4.3を選んだという。

USB端子やmicroSDカードスロットを搭載

本体背面

ディスプレイは解像度720×1,280の5インチ。バッテリー容量は4,200mAhで、再生時間は192kHz/24bitのPCMで約9時間、DSD128再生時で約7時間。充電時間は約4時間で、市販のモバイルバッテリーも使用できる。そのほかWi-Fiにも対応している。なおBluetoothには非対応。

音楽再生アプリとして、独自の「AR Music Player」をプリインストール。同アプリでは音楽再生の際に、Android標準のオーディオフレームワークに属さない、独自のオーディオパスをフル活用することでAndroidによる音質劣化を避け、「他のAndroid音楽プレイヤーよりも遥かに優れたサウンドを提供する」としている。

クラシックやダンス、ジャズ、ヘヴィーメタルなど各音楽ジャンルに合わせた設定のイコライザー機能も搭載し、任意の調整も可能。また、低音を強化するベースブースト、3次元空間化を強化するという3Dエフェクトといった音質調整機能も備えている。

イコライザーも搭載

なお、もちろんAndroidのオーディオフレームワークもサポート。サードパーティーのアプリも使用することが可能。ただしGoogle Playストアは使用できないため、その際にはAmazonアプリストアなどを利用する形になる。

「AR Music Player」は一般的なスマホ同様にガジェットとしても利用可能

DACチップにはバーブラウンのPCM1794Aを搭載。S/Nとダイナミックレンジにおいて他社製チップなどよりも2倍〜4倍の性能差を持つ同チップによっても音質的な優位性があるとした。CPUはクワッドコアのCortex-A7 1.2GHz。

DACはPCM1794A

他社製品よりもパフォーマンスに優れることをアピール

サンプリングレートコンバーターには、192kHz/24bit対応非同期ステレオサンプルレートコンバーターのシーラス・ロジックCS8422を搭載。クロックには44.1KHz系(44.1/88,2/176.4kHz)専用と48KHz系(48/96/192kHz)専用の発振子を2基搭載。信号に完全同期したクロックの切換えを実現したという。

デュアルクロックを搭載

そしてオペアンプにはバーブラウン OPA2134を2基搭載。プリアンプとローパスフィルターとして機能する。また、ヘッドホンアンプには、高級ポータブルアンプに採用されている、非常に強力な電流帰還型の「TI TPA6120A2」を採用。さらに、コンデンサーにはAVX社の大型コンデンサーを多数搭載するなど、部品にもこだわっている。

ヘッドホンアンプ部はTPA6120A2

オペアンプはOPA2134

アコースティックリサーチ社では、これらDACやアナログステージ、クロック構成などをまとめて「AR M-Class エンジン」と呼称。また、システム全体としては電流帰還方式を採用することにより、インピーダンスの変化の影響を最小限に抑え、低音・高音不足、原音の再現性の低下防止に配慮。「低音から高音まで音量不足を感じる事無くフラットな音が出力可能」だとしている。

システム概略図

「AR M-Class エンジン」と呼称

さらに、放熱対策にも配慮。熱伝導性の高い銅製のスプレッダーシールドを搭載。長時間再生でも回路の熱を効率良く逃がすようにしている。

銅製のスプレッダーシールドで放熱対策も施す

また、ボリューム部は、ヘッドホンアンプ「TPA6120A2」の性能を活かすべく、OSとは独立した、ALPS社製のオーディオ用アナログポテンションメーターを採用。ボリューム制御でOSを通さないことでも高音質化を図っている。増幅器のスイッチは自動的にオン/オフされ、アイドル時の電力消費を低減させるようになっている。

OSとは独立したアナログポテンションメーターを採用

アナログ出力には、ヘッドホン出力に加えてライン出力も装備。出力部の周波数特性44.1KHz〜48KHzファイル再生時に20Hz〜20KHz、88.2KHz〜96KHzファイル再生時に20Hz〜40KHz、176.4KHz以上のファイル再生時に20〜50KHz。出力インピーダンスは0.26Ωで、ヘッドホン出力は16Ω接続時に630+630mW、32Ω時に327+327mW、300Ω時に35+35mW。ライン出力は600Ω。

ライン出力も装備

フロンティアファクトリーの菅野 豊氏は、こうしたスペック面について「例えばDACは他社が採用しているものに比べ、最大で6dB〜12dBくらいの差がある。小さく見えるかもしれないが、一番ハイスペックなものを選んだ。また、CPUも他社はデュアルコアが主流だが、本製品はクワッドコアを採用している」とコメント。「USB-OTG対応も、他社ではなかなかないのではないか」と、他社製品との違いをアピールした。

フロンティアファクトリー 菅野氏

■AR-UA1は「パソコンとの接続を考えたシンプルなハイスペックマシン」

「AR-UA1」は、ヘッドホンアンプ搭載のUSB-DAC。前述のDAP「AR-M2」同様に最大192kHz/24bitのWAV/FLAC/ALAC、DSD 5.6MHz/2.8MHz(PCM変換)、DXD(PCM変換)、APR、AIFFの再生に対応している。

端子部

側面

なお、小型ではあるがポータブルプレーヤーとの接続ではなく、パソコンと接続しての使用を想定したモデルで、WindowsとMacの両方に対応。「パソコンとの接続を考えたシンプルなハイスペックマシン」(フロンティアファクトリー菅野氏)だという。

使用例

出力端子には、RCAと6.3mmステレオ標準プラグを1系統ずつ装備。ヘッドホン出力は32Ω時に400mW+400mW、300Ω時に43mW+43mW。

「AR-M2」と同様、DACチップにはバーブラウンのPCM1794A、オペアンプにはバーブラウン OPA2134を2基、ヘッドホンアンプにはTI TPA6120A2を搭載。クロックも44.1KHz系(44.1/88.2/176.4kHz)専用と48KHz系(48/96/192kHz)専用の発振子を搭載している。

システム概略図

そのほか、アップコンバートして再生可能なプレーヤーソフト「Jriver Media Center」も同梱する。

■「いい製品をお届けするだけでなくお求めやすい価格で提供することが我々の信念」

アコースティックリサーチは、1952年に創業した米国のオーディオブランド。1960年代〜1970年代にスピーカーを中心に人気を博し、2003年にVOXX International社に買収された。なお同グループ傘下にはKlipsch(クリプシュ)なども存在している。

スピーカーを中心に長い歴史を持つブランド

同社アジア担当シニアバイスプレジデントのセバスチャン・マネン氏は「特に強調したいのは、我々は音質に非常にこだわりを持っているということ」だとコメント。その上で「最近のトレンドして、音楽を聞く環境がモバイル化、PC化されてきている」と、今回の製品を開発した意図を説明した。

アコースティックリサーチ セバスチャン・マネン氏

そして「いい製品をお届けするだけでなくお求めやすい価格で提供することが我々の信念だ」とコメント。「とあるショーでは、他社製品と比べ、同等の性能で40%安いという声をもらったこともある」と語り、同社製品の魅力をアピールした。

一般ユーザーからも高い評判を集めていることをアピール

また、フロンティアファクトリー代表取締役の奥田哲生氏は「我々は昨年7月発足して1年9ヶ月経つが、今回が2回めの発表会。これくらいのペースで新しいものをお届けできるのはやりがいがある」とコメント。「(同時に発表したSlingbox M1を含め)今回発表したもの以外にも、今年は新しいものをお届けする予定がある。ぜひご注目いただきたい」と述べた。

フロンティアファクトリー 奥田氏

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