発売前モデルのファーストインプレッション

Astell&Kernの新ハイレゾDAP「AK120II」「AK100II」の音を聴いてみた − AK240とも比較試聴

編集部:小澤麻実
2014年06月09日
先日開催された「春のヘッドホン祭り」やミュンヘン「HIGHEND2014」で登場し注目を集めているiriver社・Astell&Kernブランドのハイレゾポータブルオーディオプレーヤー「AK120II」と「AK100II」。両機とも既に仕様が発表され(関連ニュース)、「AK120II」は6月13日の発売とアナウンスされている(「AK100II」の発売時期や価格は未発表)。

今回、発売に先駆けて実機に触れ、音を聴く機会を得た。その内容を以下にレポートしていこう。

まずは概要をおさらい


左からAK120II、AK240、AK100II
「AK120II」と「AK100II」はそれぞれ「AK120」「AK100」の第2世代に位置づけられ、フラッグシップモデルである「AK240」の技術や機能を継承したモデル。バランスアウト端子の搭載や、DSD5.6MHz再生(PCM変換)への対応、Wi-Fiストリーミングなどの機能追加が目玉となる。また、外観デザインも大きく変更された。

それぞれのポジショニングやサウンド志向の違いについて、Iriver社のグローバルビジネスユニット ヴァイスプレジデントのJames Lee氏、販売代理店アユートの藤川氏にお話しをうかがった。


Iriver社 James Lee氏(写真右)、アユート 藤川氏(写真左)
「AK240」(28.5万円/税込)は、“原音再生”を掲げAstell&Kernの理想を体現したフラグシップモデル。DSDネイティブ再生やバランス接続などの機能を搭載するほか、“光と影”からインスピレーションを得たジュラルミン製ボディを採用。『据え置きSACDプレーヤーを超えるクオリティを、ポータブルプレーヤーで実現する』ことをコンセプトのひとつとしており、ピュアオーディオ志向の強い製品と言える。

「AK120II」(20.8万円/税込)は、AK240の機能を継承しつつポイントを絞り、価格を抑えたモデル。その音は“スタジオリファレンス”を目指したとのことで、S/Nの高いフラットサウンドを持ち味としているという

そして「AK100II」(発売日/価格未定)は、フラットサウンドはそのままに“オーディオファイルを満足させるクオリティの音”を目指したという。

各モデルの構成や機能の違いは下記のとおり。

 
AK240
AK120II
AK100II
ボディカラー ガンメタル ストーンシルバー スモーキーブルー
ボディの材質 航空機グレードジュラルミン アルミニウム アルミニウム
外形寸法 66W×107H×17.5Dmm 55W×118H×14.9Dmm 55W×111H×14.9Dmm
質量 185g 177g 170g
DSD再生対応 ネイティブ再生(5.6MHzまで)
PCM変換での再生
出力レベル
アンバランス:2.1Vmrs
バランス:2.3Vrms
アンバランス:2.0Vmrs
バランス:1.7Vrms
DAC
シーラスロジック CS4398×2
シーラスロジック CS4398×1
周波数特性
±0.023dB(20Hz〜20kHz時)/
±0.3dB(10Hz〜70kHz時)
±0.025dB(20Hz〜20kHz時)/
±0.6dB(10Hz〜70kHz時)
SN比

116dB@1kHz:アンバランス
117dB@1kHz:バランス

114dB@1kHz:アンバランス
115dB@1kHz:バランス
クロストーク
130dB@1kHz:アンバランス
135dB@1kHz:バランス
127dB@1kHz:アンバランス)
130dB@1kHz:バランス
THD+N
0.0007%@1kHz:アンバランス
0.0005%@1kHz:バランス
0.0009%@1kHz:アンバランス
0.0008%@1kHz:バランス
IMD SMPTE
0.0004% 800Hz 10kHz(4:1):アンバランス
0.0003% 800Hz 10kHz(4:1):バランス
0.0004% 800Hz 10kHz(4:1):アンバランス
0.0003% 800Hz 10kHz(4:1):バランス
出力インピーダンス
2.5mmバランス出力(1Ω)
3.5mmステレオミニ(2Ω)
2.5mmバランス出力(1Ω)
3.5mmステレオミニ(2Ω)
クロックジッター
50ps(typ)
50ps(typ)
内蔵バッテリー容量
3,520mAh
3,150mAh
メモリー 内蔵256GB(SSD)
外部メモリ:microSD(最大128GB)×1
内蔵128GB(SSD)
外部メモリ:microSD(最大128GB)×1
内蔵64GB(SSD)
外部メモリ:microSD(最大128GB)×1



音質をチェック

短時間ではあるが、それぞれの音を試聴してみた。試聴音源はノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」(192kHz/24bit)。

音の傾向は「AK240とAK120II」、そして「AK100II」に分けられると感じる。AK240で印象的なのは、圧倒的な見通しの良さと解像感。各パートが全てクッキリと描き分けられ、細部まで音が見えるような感覚を覚える。ボーカルは、歌い手の体温まで感じられるようだ。ギターの音は透明感高く弦のハリが感じ取れ、それらを支えるベースのバランスも心地よい。

AK120IIは、フラットできめ細かいサウンド傾向はAK240と共通しているが、AK240が「生演奏の現場に立ち会うような」感覚の音だとすると、AK120IIはもう少し整理された音になる印象だ。低音がやや持ち上がるのか、ベースラインがクッキリとして一層ハリが出る。AK240が完全にモニターライクなサウンドとすると、AK120IIはそれをベースに、もっと“聴いて楽しい”感じを付け加えた音だと感じた。

AK100IIは、AK240/120IIに比べてややウォームで柔らかなサウンド傾向になる。解像感はAK240/120IIに譲るが、すべての音色が絶妙に一体化したサウンドで楽しめると感じた。

フォトレポート

左からAK100/AK120/AK100II/AK120II/AK240


AK120II(左)とAK100II(右)。AK120IIの方がやや縦方向に大きいほか、背面の仕上げも異なる。AK120IIの背面は、Astell&Kernのロゴをモチーフにした模様があしらわれている。


AK120IIのボリュームノブ部。操作時の手応えをややアップしたとのこと。フロントパネルはヘアライン仕上げで、トップにはバランス接続端子も備える。


AK120IIの側面部。ボリュームボタンとmicroSDスロット1系統を備える。底面にはUSB microB端子を用意


AK100IIの側面部。こちらもボリュームボタンとmicroSDスロット1系統を備えている。

AK100IIもバランス接続端子を用意する

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