10年先を見据えたオーディオ・インターフェース

シンタックスジャパン、RMEのFireface最新モデル「Fireface802」を発表

公開日 2014/06/13 19:32 季刊・ネットオーディオ編集部
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(株)シンタックスジャパンは、同社が取り扱うFirefaceシリーズの最新モデル「Fireface 802」を発表した。発売は2014年6月26日(木)で、価格はオープンだが228,000円前後での実売が予想される。

RME「Fireface 802」¥OPEN(予想実売価格¥228,000前後)

Fireface 802は、2004年に発売されて以来、プロオーディオ市場で高い評価を獲得し続けてきたFireface 800の後継に当たるモデル。トレンドの移り変わりの激しいプロオーディオ市場において10年間という異例のロングセラーを続けたFireface 800をベースとして、次の10年を見据えたフィーチャーを盛り込んだ新しいオーディオ・インターフェースだ。
昨日6月12日、同社はプロダクト・マネージャーのMax Holtmann氏を迎え発表会を開催した。


Fireface 802の発表会に来日したプロダクトマネージャー、Max Holtmann氏
Fireface 802の開発にあたってのコンセプトについてはHoltmann氏は「Fireface 802もこれまでのRME製品同様、色付けのない無色透明なサウンドを目指しています。したがって、サウンド面でいえば800と802に大きな違いはないということです。RMEにはSeadyClockという大変ご評価をいただいている技術がありますが、Fireface 802にもこのSteadyClockを盛り込み、極めて低ジッターな正確なサウンドを実現しています」と語る。


今回の発表会では旧モデルとなるFireface 800との比較試聴も行われた
また、サウンドのクオリティとしても同社のトップモデルとなるFireface UFXと同じクオリティとなることを強く意識した上で製品が開発されたとのこと。一部のスペック項目はFireface 802の方が優れている部分がありながらもあくまでUFXをフラッグシップとする理由としては、「マスターボリュームの搭載やUSBメモリを直挿しして録音できるDURec、ディスプレイの搭載など、UFXはどのような現場でもスタンドアローンで活用できる機能性を持っていることがフラッグシップである理由です。それに対し、Fireface 802はDAWでの録音に最適最強なソリューションを目指したシンプルな操作性を実現しています」と語る。

Fireface 802は外観デザインもさらに洗練されたものに大きく変更。
この新たなデザインコンセプトはすでに発売されているMADIface XTでも採用されたもので、シルバーの部分にはボールショットピーニングという表面処理方式を採用。一見アップル製品と同じ用に見えるフィニッシュであるが、キズに強い仕上がりとなっており日々のヘビーユースに十分耐えうる仕様となっている。

接続面でのFireface 800とFireface 802の大きな違いは入出力端子。全部で30イン/30アウトを可能としている点に変更はないが、パソコンと接続する場合に用いる端子類は、Fireface 802では従来のFireWire400とFireWire800に加え、新たにUSB2.0端子を新たに搭載している。

新しいインターフェース伝送規格として話題を集めているThunderboltやUSB 3.0を搭載しなかった理由はもちろんある。

Fireface 802のリア。800との大きな違いとして新たにUSB 2.0やAES/EBUなどのデジタル接続端子が追加されている
「実は弊社の製品ではすでにUSB 3.0を搭載したMADIインターフェースMADIface XTというモデルがあります。ただし、ThunderboltでもUSB3.0でも伝送できる1ch辺りのオーディオストリームは決まっているので、30イン/30アウト程度の製品ではUSB3.0やThunderboltほどのスペックは必要なく、USB2.0で十分だったというのがひとつです。また、制作現場をみてもUSB 3.0やThunderboltで接続できる環境はスタンダードというわけではありません。それよりも、新旧問わず多くのバソコンでサポートしているUSB 2.0を採用しました」

ちなみに、Thunderboltで接続する場合は、FireWire端子へアップル等で用意されている別売りのアダプターを経由することで接続することができ、これについてもHoltmann氏は「アダプターを経由させることによってパフォーマンスが落ちることはない」と語っている。

また、Fireface UFXやUCX、Babyfaceで可能となっていたiOSデバイスを直接接続するクラスコンプライアント・モード(CCモード)にも対応している点も注目だ。
iPad向けに用意された「TotalMix FX for iPad」を活用することでパソコンでの操作時とほぼ変わらない使い勝手を実現しているほか、iPad用DAWアプリ「Auria」などサードパーティによるDAWアプリを活用すれば、iOSデバイスを活用しながら本格的なレコーディングを行なうことができる仕様となっている。

近年のRME製品の特徴となるクラスコンプライアント・モードにも対応。これによりiOSデバイスとの接続も可能となる

この他にも、従来はRCAピンジャックによるS/PDIF入力を2系統搭載していたが、802ではそれを省き、ADAT入出力端子を2系統とあらたにAES/EBU端子を追加。ADAT端子のうち一系統がオプティカルによるS/PDIFフォーマットに対応させる使用となっている。

今回のFireface 802は、随所にRMEの最新技術を搭載。「DAW環境において最適最強のオーディオ・インターフェースを目指した」とHoltmann氏は語る
この他アナログ系統の接続端子として標準プラグによるヘッドフォン出力を2系統に増設し、さらに使い勝手を高めている点もポイントだろう。

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