マランツ、秋のオーディオ製品内覧会を開催 − 東証1部上場、売り上げ1,000億を目指す

2006/09/06
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
(株)マランツ コンシューマー マーケティングは本日、今秋の新製品内覧会を開催した。

内覧会では、既に発表済みのSACDプレーヤー「SA-7S1」(関連ニュース)やプリアンプ「SC-7S2」(関連ニュース)、モノラルパワーアンプ「MA-9S2」(関連ニュース)を中心に、別項でお伝えしたB&Wの新たなスピーカー「CM7」「CMC」(関連ニュース)、新たに同社が取り扱いを開始したカナダCLASSE社の製品群などが紹介された。


同社社長の高山敬史氏
内覧会の冒頭、同社社長の高山敬史氏は、同社の持株会社である(株)ディーアンドエムホールディングスが、9月1日に東証一部に上場したことを紹介。「現在の株価は361円程度で、この業界は株価が上がらないところが多いが、当社は1,000円を目指したい。現在の約900億円の売上高を1,000億円に上げ、経常利益を10%以上にし、キャッシュフローを改善することで届くのではないか」とした。

また高山氏は、同社の製品群が、2ch製品の「Absolute SA Technology」とAV系の「Pure Surround」、システム関連の「Digital Life Style」に分けられることを説明。国内は65〜70%を2ch系製品が占めるが、アメリカは60%がAV系と逆転するという。

同社の基本モデルナンバー

主要カテゴリーは3つ

さらに高山氏は、同社のモデルナンバーの意味についても言及。型番の数字について、エントリー〜ミドルクラスの「C1デザイン」は4桁、高級クラスの「Premium デザイン」は2桁、ハイエンドの「Referenceデザイン」は1桁となっていることを説明した。この秋発売になる7シリーズと9シリーズは、いずれもReferenceデザインの製品に属する。

製品の詳細については、同社商品企画部の澤田龍一氏が説明。プレーヤーについては、1998年に登場した「CD-7」から始まり、99年に同社として初めて発売したSACDプレーヤー「SA-1」、2004年に登場した「SA-11S1」と連なる系譜を紹介。SA-7S1について、「SA-1の系譜を引き継ぐモデルで、SACDの情報をそのまま出すのがポリシー」と説明した。

同社高級プレーヤーの系譜

商品企画部の澤田龍一氏

また、メカニズムに新開発のSACDM-1を搭載したことを強調し、「長年作りたかったオリジナルメカ。凄いものを作りすぎて、ほかのモデルに搭載できるかが心配」と語った。SACDM-1は、最大10mmの肉厚アルミ押し出し材を使用したベースブロック、サイド、トップ部が一体化したケースでメカニズムを強固にシャーシにマウントすることで、微振動を排除し精緻な信号読み取りを実現している。

SA-7S1の内部。真ん中にあるのがオリジナルメカSACDM-1

トレイにもこだわりが見られる

プリアンプ「SC-7S2」とモノラルパワーアンプ「MA-9S2」は、それぞれ2002年に発売した「SC-7S1」と「MA-9S1」の後継機。「型番は少し変わっただけだが、中身は4年で大きく進化した」(澤田氏)という。

SC-7S2は、英Wolfson社製の高性能デュアルボリュームIC「WM8816」を採用したリニアコントロールボリュームを、SC-7S1に引き続き採用。WM8816を2個並列に接続することでS/N比を向上させるなど、様々な改良を施した。

同社セパレートアンプの系譜

SC-7S2の内部構造

全入力端子直後のインプットバッファーアンプは、OPアンプを使用せずオールディスクリート回路を採用。HDAM-SAと同様の回路で構成されたこのバッファーアンプを、アンバランス入力4系統とバランス入力1系統、計5系統の入力端子直後に配置した。

MA-9S2は、入力直後のボルテージアンプ部は、MA-9S1の構成から一新し、全ステージHDAM-SAを使用した電流帰還化を実現。さらなる高S/N化を図っている。また、各種パーツも厳選し、B&W「800D」のパフォーマンスを存分に引き出すことができる。

MA-9S2の内部構造

MA-9S2に使われている高音質パーツ

内覧会では、SA-7S1とSC-7S2/MA-9S2を組み合わせた試聴も行われた

クラッセの製品群についても澤田氏から説明があった。こちらで紹介しているとおり、マランツ コンシューマー マーケティングは、今年2月よりクラッセ製品の取り扱いを開始しているが、その背景について澤田氏は「クラッセは2001年からB&Wの傘下に入っている。B&Wから当社に対し、クラッセを取り扱うよう強い希望があった」と説明する。

澤田氏によれば、B&Wとクラッセには共通の企業哲学を持っているという。「B&Wの創業者であるジョン・バウワースと、クラッセの創業者のマイク・ヴィグラスは、彼らを満足させる機器が無いことから製品開発に乗り出した。また、B&Wはハイファイスピーカー、クラッセはハイファイオーディオ機器と、互いに専業メーカーであることも共通点」とした。

現在、クラッセの従業員は70名で、このうちエンジニアは13名。工場敷地面積は4,000m2を有する。デザイナーは、B&Wの800シリーズを手がけたモートン・ウォーレン氏で、「クラッセを世界的なブランドに成長させるため、アメリカの『パワー』とヨーロッパの『品質・デザイン』を融合させるよう尽力している」という。

クラッセの歴史

デザインを担当するのはモートン・ウォーレン氏

国内では2ch製品に特化し9モデルを展開する

クラッセには現在、15モデルが存在するが、このうち国内では2ch製品に特化し、9モデルを市場に投入する。また、先日発表された新しいCDプレーヤー「CDP-202」(関連ニュース)についても紹介し、「マランツとして初めて市場に導入するモデル。回路設計は、クラッセのCTOを務めるアラン・クラークが担当している」と述べた。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック