ケーブルブランド探訪記(ACROLINK編 その13「7N-S10000/20000 MEXCEL」)

公開日 2003/12/03 10:15
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7N-S10000/20000 MEXCEL
●第13回目からは来年2004年度より発売予定となっている同ブランドの新シリーズであるMEXCELシリーズをご紹介していく。このMEXCELシリーズの最大の特徴はより高度に進化した新しいストレスフリー7N Cuを信号導体に採用した点である。この導体を断面形状が長方形の平角線とし4つの角にも均一な絶縁コーティングを実現したMEXCEL導線を丸線では成し得なかった高密度編素線として、ポリエチレン介在の中空状に仕上げている。このことにより高域周波数特性が18GHzまでフラットという驚異的な伝送特性を達成させたのである。18GHzとはつまり180億Hzまでどの周波数帯域においても伝送特性に凹凸のないほぼ完璧にフラットという、オーディオファイルにとって全く未知の特性を獲得したケーブルが誕生したことになる。

さて同シリーズの中からまずご紹介するのがスピーカーケーブル「7N-S10000MEXCEL」と「7N-S20000MEXCEL」である。スピーカーケーブルは様々なオーディオシステムごとに使用される長さが極端に異なり、最も不確定で不安定な要素を持っている。しかし、このMEXCELシリーズによって伝送特性が超高域まで伸び、ノイズ対策に関しても長距離電力送電や巨大通信分野、あるいは宇宙・防衛分野のノウハウを導入した。また、スピーカーケーブルとしては珍しく半導電性テープによる半導電層を形成して外来ノイズを遮断させ長尺での使用にも対応している。

純度の高い素材を求め、そこに適切な構造を与え、厳密に管理された工程によって製造し、機器の持てる能力を最大限に引き出すというアクロリンクのポリシーの集大成ともいえるスピーカーケーブルの発売をぜひともお楽しみいただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

●アクロリンクのプロフィール
アクロリンクケーブルの大きな特徴は導体に6NCuを採用している点にある。銅生産の大手である日本工業(株)(現・日鉱マテリアルズ社)が1985年に研究開発に着手し、1987年に量産化に成功。1989年にはアクロテックの処女作として「6N-1010」を発売し、全世界で生産終了までに30万km以上の販売実績を誇った。なお、同モデルはアクロリンク「6N-A1010U」として引き継がれている。
このアクロリンクブランドでも、独自のストレスフリー6N銅導体を継承しつつ、シースや絶縁体には高分子ポリオレフィン系の新素材を採用した。この新素材の特製は誘電率が低くいため静電容量が極めて少ない。さらに、この素材は結晶構造を持つ数少ない新素材であるために、成分によって振動をコントロールすることができるというメリットを持つ優れた素材である。
また、プラグも素材に黄銅合金エゴプラスを採用することで一新された。同素材は三宝伸銅工業(株)が世界に先駆けて開発した鉛を含まず切削性・鍛造性・耐食性・強度のすべてに優れた理想的な特許素材である。
 このようにして生まれ変わったアクロリンクのラインナップはさらに2004年度には、ストレスフリー7N銅を採用した新シリーズ「MEXCELシリーズ」を誕生させることとなる。

●お問い合わせ先:
株式会社アクロジャパン
〒162-0066東京都新宿区市谷台町21-9 ベルシティ21
TEL:03(5369)2474
FAX:03(5369)2475

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  • ブランドACROLINK
  • 型番7N-S10000/20000 MEXCEL
  • 発売日2004年1月下旬
  • 価格\100,000/\200,000(1.0m)
【SPEC】
【7N-S10000MEXCEL】
●ホット側導体:※平角7N MEXCEL編組0.8W×0.066t×16本
●コールド側導体:※平角7N MEXCEL編組0.8W×0.066t×16本
●導体抵抗:25.5mオーム/m
●静電容量:218pF/m

【7N-S2000MEXCEL】
●ホット側導体:※平角7N MEXCEL編組1.88W×0.122t×24本
●コールド側導体:※平角7N MEXCEL編組1.88W×0.122t×24本
●導体抵抗:3.7mオーム/m
●静電容量:300pF/m

※ストレスフリー7N Cu導体を断面形状が長方形の平角線とし、4つの角にも均一な絶縁コーティングを施す。これを高密度の編素線にして、ポリエチレンを介在させ中空状に仕上げた導体