4K UHD BD『パプリカ』、4Kで蘇った極彩色の悪夢世界。大画面・大音響でダイブせよ!
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『パプリカ』。画質と音質の見どころを、伊尾喜大祐氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『パプリカ』
STORY
夢と現実が溶け合う、めくるめく映像世界。筒井康隆のSF小説を原作に、今 敏監督が遺した最後の長編アニメーションが、公開20周年を記念して4K UHD BDで甦る。
他人の夢に入り込める装置「DCミニ」が盗まれ、悪夢が人々の精神を侵食し始める。精神医療研究所のサイコセラピスト・千葉敦子は、夢探偵「パプリカ」となって事件を追うが、やがて夢は現実にまで溢れ出していく。果たして、パプリカは暴走する悪夢を止められるのか?
極彩色の映像はより鮮烈に、Dolby Atmosは天井までフル稼働
再生するなり、あまりにも鮮やかな「赤」に目を奪われた。サーカス、ジャングル、『ローマの休日』…めくるめく夢の世界を塗り上げるこの赤は、UHD BDならではの広色域でしか表現できないだろう。なお色温度は6500Kだと赤みが強く、7500K前後が我がシアターでの最適解だった。
一方、120型の大画面に映し出される描線はふわりとソフトだ。実はこの4K HDR映像は、720p解像度のオリジナルからのアップコンバートなのだ。斜めの線にはジャギーも散見されるが、この独特な柔らかさこそ夢の手ざわり。緻密な作画の「画ヂカラ」はまるで揺るがないのだ。
さらにDolby Atmos化された音響が夢のシーンで暴れ出す。無数の効果音が前後左右はもちろん、天井空間までフル活用して破天荒に躍動。
CH3所長の見る悪夢は極彩色のオンパレード。CH4偏執的なまでに描き込まれた氷室の部屋のディテールに、思わず背筋が寒くなる。CH5バーの室内はウィスキーのボトル越しに眺めたような深い麦色。CH6の廃遊園地、頭上から迫る「何か」の落下音。CH9パレードで舞い落ちる紙吹雪は一片一片まで細かく彩色されている。そしてCH13からは幻惑&困惑のスペクタクル。
UHD BDの特典には、レストアに携わったスタッフのインタビューも。ということで皆さんも、可能な限りの大画面と大音響で、ぜひパプリカと一緒に夢へダイブを!
SPEC
●製作:2006年/日 ●ジャンル:邦画アニメ ●監督:今 敏 ●声の出演:林原めぐみ、江守徹 ●本編ディスク:90分、ビスタ、HDR10 ●本編音声:日本語Dolby Atmos(ドルビーTrueHD 7.1ch互換)、日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch、英語DTS-HD Master Audio 5.1ch ●字幕:英語、日本語 ●特典:Restoring Paprika(4Kレストアに携わった技術者インタビュー/撮影監督・CGディレクター:加藤道哉、色彩設計:橋本賢、美術監督:池信孝、HDRカラリスト:金田 大、リレコーディング・ミキサー:喜多真一)






















