公開日 2026/06/26 06:30

柳楽優弥 × 菅田将暉 × 小松菜奈! “ヤバイ”男の圧倒的暴力が織りなすR15+の青春群像劇

【第225回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2016年公開の『ディストラクション・ベイビーズ』をご紹介します!

 

                   ◇

 

『ディストラクション・ベイビーズ』
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT)

『ディストラクション・ベイビーズ』Blu-ray:6,160円(税込)/DVD:5,170円(税込) 
発売元/販売元:松竹 (C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会
※2026年6月26日時点の情報です

『宮本から君へ』『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』などで知られる真利子哲也監督の長編商業映画デビュー作。

愛媛県の小さな港町。両親を早くに亡くし、造船所のプレハブ小屋で暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。日々喧嘩に明け暮れていた泰良が町から姿を消し、中心街で強そうな相手に喧嘩を売るようになる。たとえ打ちのめされようとも歩みを止めない泰良の姿に魅了された高校生・北原裕也(菅田将暉)は、彼と行動を共にするようになるのだが……。

こんなにも暴力にまみれた作品がかつてあっただろうか。決して暴力を肯定するわけではないが、何かを守るためであったり、格闘技などの競技内において振るう拳であれば、“暴力”という言葉につきまとうネガティブな印象は軽減される。しかし、泰良の暴力にはそれがない。目にすることになるのは純粋な暴力。両親を早くに亡くしていたり、自身が不利な状況での喧嘩を好んでいたりと、泰良の姿から何かしらの“理由”を想像することも可能だが、劇中においてその真意が明かされることはない。

であるにも関わらず、何故こんなにも見入ってしまうものがあるのだろう。格闘技の類いを目にして血が騒ぐ感覚にも近しいものが、泰良の喧嘩を通して芽生えていく。皆がそうだとは言わないが、暴力を否定し切れていない自分自身にも気付かされることになる。

強面や不良や暴力団員など、多勢に無勢な状況であっても構わず喧嘩を吹っ掛け続けていく泰良。ある意味で純粋な彼の存在感が際立つからこそ、彼を取り巻くさまざまな人物が抱える歪みが露わにもなっていく。その結末にあなたの心は何を感じることになるだろう。R15+作品となるため、暴力シーンなどに過敏な方は気をつけてご鑑賞ください。

(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

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