PR 公開日 2024/05/08 06:30
1万円以内でANC／音質ともに充実！EarFun初のヘッドホン「Wave Pro」レビュー
ただの「安価なヘッドホン」に収まらない意欲作
装着性についてはソフトな低反発クッションを効果的に用いたイヤーパッドの効果も相まって、側圧を抑えた快適なフィット感が得られている。またパッシブでの遮音性能も適度に確保されている印象であり、ANCとの相乗効果でより高い静寂性を獲得できているようだ。
適度に柔らかく、遮音性も備えたイヤーパッドと側圧。ANCと組み合わせれば音楽を楽しむのに充分な静寂が得られる
音質面での大きな特徴は96kHz/24bitの無線伝送も可能な高音質コーデック「LDAC」に対応していることだろう。心臓部であるドライバーユニットは40mm DLC複合膜振動板を用いたダイナミック型ドライバーを搭載。パワフルな低域とクリアで明瞭度の高い中高域を両立したという。
DLC（ダイヤモンドライクカーボン）などを組み合わせた40mm振動板により、力強い低域とクリアな中高域の両立を図っている
またステレオミニジャックを使ったアナログ接続にも対応。プラグを接続するとBluetooth機能に加え、内蔵アンプもOFFとなり、パッシブの有線ヘッドホンとして使えるようになる。
■細やかな音まで拾いあげつつ、ゆったりと音楽を楽しめる音質
試聴ではスマートフォンとLDACコーデックで接続。再生アプリ「Poweramp」を使って聴いてみたが、ノーマルモードでは低域を控えめとしたニュートラル基調のバランス。ANCをONにすると、より低域の豊かさが加わってくる。幾分マイルドな描写性となるが、声の艶やかさ、リズム隊の密度もより高まり、安定的な音質傾向といえよう。
音ヌケも十分で、ボーカルの輪郭や楽器の粒立ちの細やかさもスポイルせず、素直に引き上げてくれる印象だ。LDACの効果によるディテールの滑らかさ、高域方向の爽やかな音伸びの良さも実感でき、1万円以下のヘッドホンであることを暫し忘れるほどサウンドクオリティは高い。
ANCとLDAC対応、そしてヘッドホン自体の作りの良さで、小さな音も拾いあげる細やかさ、ゆったりと広がる余韻を表現。1万円以下とは思えない音楽性だ
96kHz/24bitのクラシック音源、『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013』より「プロコフィエフ：古典交響曲〜第一楽章」は、管弦楽器の柔らかく伸びやかなハーモニーが展開。低域方向もゆとりのある描写であり、ティンパニや木管の響きもふくよかで、ホールトーンの温かみある質感をしっかりと捉えている。弦の艶やハリも滑らかに引き出し、豊潤な余韻を味わうことができた。ANCとLDACの相乗効果で、静寂さとリリースの階調表現の高さが加わり、弱音部の再現性も高い。
ジャズのオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜「ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー」（CDリッピング：44.1kHz/16bit WAV）ではピアノの響きのクリアさ、中低域の厚みと自然な音像の芯の強さを実感できる。ハーモニクスのまろやかさ、余韻の細やかさも印象的だ。
スネアドラムのブラシは粒の細かさとアタックの分離が良い。シンバルやトライアングルの煌きも耳当たり良くまとめ、キックドラムを含めたボトムの太さ、重心の低さも伴い、ドラムスの存在感もより明確に届けてくれる。ウッドベースの弦も艶良く張り出すが、胴鳴りの弾力の良さも手伝い、グルーヴのキレもしっかりと感じ取れた。
折りたたみ、同梱のケースに入れて持ち運びも手軽にできる
ロックのデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜「メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ」（CDリッピング：44.1kHz/16bit WAV）のリズム隊はベースの密度感、むっちりとした質感をより前に押し出すが、ドラムのアタックのキレ、ボトムの厚みもバランス良く拾い上げ、余韻が滲むようなことはない。
シンバルの響きや、スネアドラムのリムショットのヌケ感も自然である。エレキギターは粘り良く、滑らかなディストーションを利かせ、どっしりとしたサウンドの骨格を形成。ボーカルの口元のシャープさ、ボディの密度も滑らかに捉えている。
96kHz/24bit音源の女性ボーカルとしてTRUE「黎明」も聴いてみた。ベースの豊かな伸びに負けないボーカルのヌケ良い際立ち、口元のクールな輪郭感が印象的だが、きつさに繋がらないバランス感が絶妙である。
声の潤い感や艶感もほのかに持たせ、ピアノやシンセのナチュラルな響きと、存在感ある爽やかなストリングスとの融合感も見事だ。力強い凛とした声の存在感、滑らかな口元の動き、息遣いの微細な余韻感まで素直に捉えており、ハイレゾ音源が持つ情報量の多さ、優位性を改めて実感できた。
ブランド初のワイヤレスヘッドホンとして、満を持して登場したWave Proは、EarFunがこれまで培ってきた技術力、より良い音質への追求姿勢が生み出した、1万円以下とは思えない充実したプロダクトに仕上げられている。
機能面、音質面ともにバランスが取れており、LDACによるハイレゾ対応においても、ただ“安いヘッドホン”では到達できない領域に手をかけた、意欲的なワイヤレスヘッドホンといえるだろう。現在、必要とされる機能性を持たせつつ、音源の持つ情報の再現度、階調性の高さにも気を配った、ハイスペック＆ハイコストパフォーマンスモデルである。
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（協力：EarFun）
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