完成度の高さに“新時代”を予感した。NOMVDICプロジェクター「P1000」「P2000UST-RGB」レビュー

■ホームシアタープロジェクターとして最高クラスの画質完成度。SDR信号の再現性も高レベル

本格的なシアター用途を想定してUltraHD Blu-rayプレーヤーを接続し、暗室にて“映画HDR”の設定でUltraHD Blu-ray版の『トップガン・マーベリック』から視聴し始めたのだが……その高画質さにも衝撃を受けた。

例えばチャプター2、トム・クルーズが格納庫から基地へと向かうシーンの冒頭は一画面の明暗が極めて大きいのだが、その影の部分を潰しきらずに情報を出す、極めて難しいコントロールをみせる。一方、野外は映画らしい6500Kの色を整えつつ2500ANSIルーメンの高輝度スペックを出し切るし、フィルムグレインまで鮮明だ。

マッハ10を目指すダークスターに乗り込むまでのシーンに赤色の照明のシーンがあるが、この濃厚な赤の再現はレーザー光源でしか出ない領域。それも派手過ぎて潰れることはなくコントロールされた赤だ。機体コクピットも黒色の沈み、計器類のシャープな光、解像感も素晴らしい。ホームシアタープロジェクターとして、HDR時代の映画画質をここまでリアルに再現するプロジェクターは他にそうはないというほどに画質の完成度が高いのだ。

映像モードは“テレビHDR”に設定することで色温度9300Kとなり、ビデオライクながら整えられた画質で視聴可能。ユーザー設定も初期値は9300Kで、こちらは画質を追い込みたい人向けだ。

なお、P2000UST-RGBの映像モードはSDR信号とHDR信号で扱いが異なる。意外にもSDR信号を持ち前の輝度感で再現する性能がよく整えられている。HDRについては若干色が濃く表示する特徴があるのと、“EOTF”の設定を低／中／高で切り替えられるので要調整。なおメーカーの推奨値は中なので、部屋の明るさ等を見ながら選んでみてほしい。

続いて『すずめの戸締まり』UltraHD Blu-ray版をHDR映像で視聴してみても、2500ANSIルーメンのレーザー光源のパワー、そしてALPD4.0による階調の色彩が映える。神戸の“廃遊園地”のチャプターはやや暗めのシーンからスタートするが、若干赤色が強い傾向こそあるものの暗部の中間階調の描写も安定しているし、照明が入った輝度感、HDRの効果を生かした特殊効果による眩しさのすべてが共存する。

Harman/Kardonスピーカー搭載によるサウンドの素晴らしさも特筆モノ。『トップガン・マーベリック』のダークスターの離陸シーンでは、プロジェクターをスクリーン直下に設置しているにも関わらず試聴室の空間を満たすような低音で再現。

なお、『すずめの戸締まり』はサウンドを5.1ch DTS-HD Master Audioで収録している作品だが、DTSの音声も受けられる本機ではセリフのクリアさ、臨場感も素晴らしい。このレベルであればサウンドバーは不要、音響をアップグレードするならリアル5.1ch以上のシアターセットを構築することになるだろう。

正直、本格的なシアタールームに向けたプロジェクターとして、超短焦点モデルで大丈夫なのか!? と視聴前には心配するところもあったが、実際に体験したクオリティは予想外。むしろ、40万円以下の価格でこれほどの画質・音質を備えるプロジェクターは他にはないのではという程に完成度の高さに感心してしまった。P2000UST-RGBはホームシアタープロジェクターの新時代を予感させる傑作モデルだ。

■Amazonブラックフライデー期間限定セール 「P1000」 ・11/10 (金) - 11/21 (火) : 174,000円（通常価格199,000円から25,000円オフ） ・11/22 (水) - 12/1 (金) : 164,000円（通常価格199,000円から35,000円オフ） 「P2000UST-RGB」 ・11/22 (水) - 12/1 (金) : 349,000円 (通常価格379,000円から30,000円オフ) ※Amazonブラックフライデー先行セールの対象商品は先行セール【11月22日（水）0時~11月23日（木）23:59】と、Amazonブラックフライデー【11月24日（金）0時~12月1日（金）23:59】の両方の期間を通じて同一のセール価格で提供される。ただし、在庫がなくなり次第終了となる。

（協力：NOMVDIC）