本気で聴いた“カーナビの音”が予想以上だった。有機ELストラーダ「CN-F1X10BGD」レビュー

改めて試乗車に戻り、「音の匠」モードで楽曲を再生した。試乗車はフロント2基／リア2基の4スピーカー構成で、スピーカーユニットも純正だ。どこか控えめだった純正オーディオの音が、「音の匠」モードではメリハリのついた抜けの良いサウンドに。1つ1つの音のディテールがさらに明瞭になり感心した。

最後は「極サラウンド」モードを試した。このモードは、フロントスピーカー2基、リアスピーカー2基、さらにスピーカーの取り付け位置が頭より低いという一般的な純正カーオーディオ環境で、臨場感を高めるモード。各帯域のイコライジングに加え、2chから7chを生成してフロントとリアに振り分けて、さらに左右チャンネルの相関値に応じた適応処理を行いサラウンド信号を生成するという、DSPの能力を最大限活かした処理が行われている。

実際にこのモードを有効化すると、確かに左右のステレオイメージが広がり音に包まれる。興味深いのはフロントスピーカーが車両の下部についているにも関わらず、音全体が頭の高さ方向に上がってくることで臨場感が大きく向上する。

ヘッドユニットとしての音質的な素性は確かなものがあり、カーオーディオコンテストで様々なハイエンド車両の音を聴いている自分からして、ここまで良質なマテリアルを投入し、内部のDSP処理も192kHz/24bitで可能なのかと驚かされた。いっそ、デジタル出力や高精度なパラメトリックイコライザーなどの機能を持たせてくれれば……とも一瞬思ったが、本製品の意図はより幅広いユーザーに高音質と高画質を提供すること。コストアップの問題も考えると、この構成で良かったのだろうと思う。

音のまとめとしては、純正オーディオの音をより魅力的に変化させる「音の匠」モードと「極サラウンド」モードは多くのユーザーを喜ばせてくれるはずだ。純正交換タイプのスピーカーユニットを入れれば、さらに音質を大きく上げることができるだろう。サブウーファーの出力端子も搭載しているので、購入後の音質アップも楽しめる。

充実したカーライフを実現するためのマストアイテム

音質と画質を中心としたレビューのため、ナビ機能については全体的な印象をお伝えしたい。まずは視認性について。コントラストの高い有機ELディスプレイの採用はここでもプラスに働き、地図表示も見やすく外からの光の差し込みにも強い。さらに各15°の範囲で左右にスイングできることのアドバンテージは大きく、大画面を運転者にベストな向きに向けて、快適なナビゲーションを実現しつつ、さらに助手席からの操作や視認性も良い理想的な環境を実現できている。

また、全国を網羅する詳細市街地図は自車位置が分かりやすいし、全国の標高情報まで活用して高精度な測位を実現している。もちろん、電波が届かないような場所で、どこにいるのかわからない！といったドキドキ感もなく、スマホナビと比べドライブ中のストレスは格段に下がる。よく使うボタンは大きめに表示されたり、3Dの立体表示時にはビル群が透過され自車位置マークも見やすかったり、ルート案内やレーン案内の案内タイミングも気が利いている。

さらにスマートフォンで探した目的地をカーナビに転送するアプリに対応するなど、スマホ連携や前後2カメラ式ドライブレコーダーとの連携機能もある。また利用開始から最大で3年間は無料で、2ヶ月ごとの部分地図データ更新および1回の全地図更新が可能だ（＊地図データ提供期間は2026年12月15日まで）。

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長年カーナビゲーション開発に取り組むストラーダが蓄積するノウハウは確かなもので、専用ナビとしての能力に加え、オーディオとビジュアルの再生品質の性能が高く評価できる。取り付け可能車種も490以上（※2022年12月2日現在）と多く導入もしやすい。高品位な専用ナビゲーションとマルチメディアに対応する総合的なエンターテインメント空間を車両に導入できるCN-F1X10BGDは、普段のカーライフを一気に充実させてくれるマストアイテムと言えよう。



（提供：パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社）