公開日 2020/10/21 22:00

実力はほとんどPro! 第4世代iPad Air速報ハンズオン!

やりたいことが見つかるデバイス

最新iPad Airに搭載されるA14 Bionicは6コアのCPUと4コアのGPUという構成。一方のiPad ProのA12Z BionicはCPUとGPUともに8コア構成としているため、高度なグラフィックスの描画等を行う場合はiPad Proの方が余裕を持ってこなせるかもしれない。

実際に2020年モデルのiPad Pro 12.9インチを用意して、それぞれにARアプリ「AR Ocean」、レーシングゲーム「Assoluto」をインストールして動作を確認したが、体感に大きな差はなく実力は拮抗しているように感じられた。

ARアプリ「AR Ocean」。室内に海中生物のCGをサクサクと表示した

アップル純正の「マップ」アプリを開いてFly Over機能による「都市のツアー」を比べてみると、3Dオブジェクトの描画はiPad Proの方がスムーズに感じられるものの、iPad Airも高精細な3Dグラフィックスを十分に速く滑らかに描画してみせた。Proに迫る実力と評価していいだろう。

ディスプレイはProMotionテクノロジーの有無に違い

ディスプレイはiPad Airも最新のiPad Proと同じ、視野角の広いIPS液晶を採用するLiquid Retinaディスプレイだ。解像度と画素密度、Display P3の広色域対応も変わらないが、輝度は100nitsほどiPad Proの方が高く、600nitsとなる。

広色域表示に対応するTrue Toneディスプレイに反射防止・耐指紋性撥油コーティングをかけた仕様は両モデルに共通しているが、差分はiPad Proだけが搭載するリフレッシュレート120Hz対応のProMotionテクノロジーだ。Webページのスクロール表示を比較してみるとiPad Proの方が画面のちらつきが少ないことがわかる。

Apple Pencilによる筆記感を比べてみた。GoodNotes 5アプリで原稿の草案をテキストにまとめたり、簡単なイラストを描いてみた。どちらのiPadもディスプレイにフィルムは貼っていない。

Apple Pencilによる筆記感はiPad Proとわずかな違いがあった

ペン先の追従性は文字を書く際にはほぼ差を感じない。イラスト制作に移ると、線画の際にiPad Proの方が、差はわずかながらも筆運びが安定する手応えがある。リフレッシュレートが60Hz駆動のiPad Airの方が、止めたペン先がすっと流れるような感触だ。もっともその差は「好み」の範疇に納まるものだと思う。人によってはペン先が吸い付いてくるようなiPad Proの書き味よりも、iPad Airの方が馴染むように感じる場合もあるだろう。ディスプレイに貼るフィルムの特性次第で書き味は変わるものだし、自分好みにカスタマイズできる楽しさもある。

Apple Pencilの便利機能「スクリブル」にも注目

Wi-Fi単体/256GBモデルの価格を比べると、iPad Pro 11インチとiPad Airとの間に16,000円もの開きがある。iPadとApple Pencilの組み合わせでイラストを描いたり、図面制作の仕事などに活用したい方には、より安価で心地よい書き心地が得られるiPad Airは比較検討に値する選択肢になる。今後大勢のクリエイターがiPad Airを持つことになりそうだ。

Apple Pencilによる便利な機能といえば、秋に提供が始まったiPadOS 14から搭載された「スクリブル」がある。Apple Pencilを使ってテキストボックスに手書きした文字を瞬時にデジタルテキストに変換する新機能だ。

当初は英語と中国語にのみ対応する機能だが、例えば「ミュージック」アプリのアーティスト、楽曲名による検索は日本人アーティストの名前をアルファベットで書き込んで探せるので、即戦力として使える場面は意外に多く見つかると思う。

iPadOS 14の新機能、スクリブルでミュージックアプリの楽曲検索を試す。テキストボックスからはみ出して書いた文字も認識する

アルファベットによるアーティスト名検索に即戦力で使える。ほかにもアルファベットによるスクリブルが使えるケースは沢山ありそうだ

メインカメラはシングルレンズ仕様。LiDARスキャナは非搭載

新しいiPad Airはメイン側に12MPの広角カメラを搭載する。レンズは1基のシングル仕様だ。True Toneフラッシュは搭載していないが、5枚構成・明るさF1.8のレンズで夜間の室内も十分キレイに撮れる。4Kビデオ撮影対応など充実した機能が揃う。

メイン側に12MP広角カメラを搭載

フロント側は7MBのFaceTime HDカメラだ。iPad Airには「ポートレート」撮影の機能がないことと、TrueDepthセンサーが搭載されていないため、アニ文字/ミー文字を作ってメッセージで送ることができない。ほかのスペックはほぼ共通だ。

フロントカメラは7MP。Face IDに対応していないところがiPad Proとの大きな違いだ

最新のiPad ProはLiDARスキャナを搭載する超広角カメラを含むデュアルレンズ仕様という点で大きな優位性を持っている。AR系アプリをしっかりと使いこなしたい方はiPad Proを選ぶべきだろう。

2020年モデルのiPad ProにはLiDARスキャナが搭載されている。ARコンテンツの再現性がより高まることが期待される

写真や動画はiPhoneで撮影して、iPad Airは素材の編集加工・共有をメインに楽しむデバイスとして位置付けるのであれば、iPad Airのカメラ機能もサブとしてその役目を十分に果たせるパフォーマンスを備えている。

iPad Airで撮影。明るく高精細な写真が撮れる



iPad Pro 12.9インチ(第3世代)のカメラで撮影。iPad Airと同じ撮影条件で同じ被写体を撮っているが、写真は色温度が異なり、やや暗くなる印象。カメラの仕様は12MPの裏面照射型センサー、5枚構成のレンズの明るさはF値1.8。露出コントロールとノイズリダクションを搭載する仕様は同等になる


iPad Pro 12.9インチ(第4世代)の広角カメラで撮影。こちらはiPad Airの写真と近い印象になる

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